人生ベストテン の商品レビュー
角田光代好きだなぁと思わせる一冊。 なんてことない日常をこれだけ読み込ませる小説に仕上げるなんて。 大きなドラマじゃなくたって、その人にとっては印象的だったり、衝撃的だったり、なんというかつまり人生にドラマがある。 人生って面白いよなぁと思わせて、なんとなくほっとさせてくれる...
角田光代好きだなぁと思わせる一冊。 なんてことない日常をこれだけ読み込ませる小説に仕上げるなんて。 大きなドラマじゃなくたって、その人にとっては印象的だったり、衝撃的だったり、なんというかつまり人生にドラマがある。 人生って面白いよなぁと思わせて、なんとなくほっとさせてくれるのが人生ベストテン。 海外旅行先で出会った親子の話。 機内で出会った泣いてる女。 クロス屋の話。 同窓会の話。 印象に残る。
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「どうしようもない人生」どうしていいかわからないと、もがいているでなく こんな人生どうとでもなれと、すてているのでもなく だらだらと変わりない毎日がただなんとなく続いていくだけ。 ん… みんなそうだよねぇ~。 変わりたいような変わりたくないような ね。
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どうにもいけ好かない主人公たちを6人並べてくれた。いつの時代にも、いずれの世代にも行く先が知れず、日々をさ迷う人って少なくはない。誰しも今の自分の生活に少なからず不足を感じ、さりとてそれを補う行動は起こせずにいる。そんな現実から解放あるいは逃避しようと小説を読んでいるのに、なんじ...
どうにもいけ好かない主人公たちを6人並べてくれた。いつの時代にも、いずれの世代にも行く先が知れず、日々をさ迷う人って少なくはない。誰しも今の自分の生活に少なからず不足を感じ、さりとてそれを補う行動は起こせずにいる。そんな現実から解放あるいは逃避しようと小説を読んでいるのに、なんじゃこやつらは。
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だらだらしてて、甘ったるいんだけど、ドキっとする瞬間がある。この感じは角田さんじゃないとだせないとおもう。
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その辺にいそうな人の、その辺にいくらでもありそうな出来事を切り取って作品に仕上げるっていうのが、実は一番難しいんじゃないかと思う。 特に盛り上がるわけでも、すっきり終わるわけでもない、流れるように始まって、そのまま流れていく物語。「日常っぽい!体現してる!」と思わず膝を打っちゃい...
その辺にいそうな人の、その辺にいくらでもありそうな出来事を切り取って作品に仕上げるっていうのが、実は一番難しいんじゃないかと思う。 特に盛り上がるわけでも、すっきり終わるわけでもない、流れるように始まって、そのまま流れていく物語。「日常っぽい!体現してる!」と思わず膝を打っちゃいました。 6編に出てくる人の共通点は、家や間取りについて述べていること。日常を想像させるのに、この方法は実に有効ですね。家ってその人の人柄や生活をもろに反映するから。 「日常」と「非日常」を日常の中に描いた、秀逸な短編集でした。 個人的には『貸し出しデート』が一番好きかな。『人生ベストテン』の鳩子の仲良し同僚は、イタい人が1〜2人いたな…。
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旅先だったり、日常にそっとある非日常だったりが舞台の六篇の短編集。 どの主人公も、置かれた場所で自分を見つめ直して、あっけなくなって、日常に戻って行く。 読んでて、ああこの気持ち、と思えた。言葉にならない感覚に言葉をつけてくれた。
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2013.11.16 誰の日常にも起こりそうな、或いは周りを見渡せば見かけそうな、切なくも笑えそうな6編。 もっとも泣きたくなるような表題作だけに、大泣きするシーンもなく、飄々と受け止める鳩子に何処か親しみを感じてほっとする。
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身近な人間関係、そして日常でクロスする全くの他人。『床下の日常』ではクロス屋の若者と水漏れの修理を依頼した女、『観光旅行』では失恋した女となんだか関係のうまくいかない母娘、『飛行機と水族館』では飛行機で失恋話を打ち明けた女とたまたまそれを聞かされた男、『テラスでお茶を』ではマンシ...
身近な人間関係、そして日常でクロスする全くの他人。『床下の日常』ではクロス屋の若者と水漏れの修理を依頼した女、『観光旅行』では失恋した女となんだか関係のうまくいかない母娘、『飛行機と水族館』では飛行機で失恋話を打ち明けた女とたまたまそれを聞かされた男、『テラスでお茶を』ではマンションを買おうとする女と不動産の男、『人生ベストテン』では40代特にこれといった出来事もなく過ごしてきた女と同窓会で出会った初恋の男(偽物だったのだが)、『貸し出しデート』では夫と上手くいかない女とその女に買われた"元"イケメンの男。 現実で絡み合う人間関係などそう上手くいくものでもない。かといって他人に幻想を抱こうにもやっぱり他人と自分を繋ぐ糸は細いまま。どうしようもない現実を打破したいとは思いつつ、なんとなく流されて動いているだけの自分に気付いてげんなりする。その繰り返し。そして歳を重ねていく。虚しい。虚しいけどどうしようもない(と少なくとも自分では思っている)。これって多くの人に当てはまる現実なんではないだろうか? 解説でイッセー尾形は「故郷のあるなし」という観点でこの本を説明する。故郷のある人間は芯が強いと。そう、きっと確固たるものがほしいんだ。永遠に変わることのない、なおかつ自分を満たしてくれる何か。でも多くの現代人はこの本の主人公たちと同じく、そんな"確固たる何か"を持たない。だいたいその"何か"が一体何なのかも分からない。そんなものを探し求める姿は滑稽にも見えるけど、まさに自分も今それを探している。だからこの本の主人公たちは状況は違うけどまるで自分自身を見ているかのように思えて、なんだか痛々しくも感じてしまう。でも同じような人間がいることに確かな安心感を覚えるのである。
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出てくる登場人物たちのように 「人生行き詰まり感」を自覚しているようで 実はできていないのが私です。 「こんな自分イヤだ」と思いつつ 「なんとかなるさ」と流されてしまうのが現実。 でも、ものすごく手を抜いてるわけでもなくて そうやって生きている、ごく普通の人々の物語...
出てくる登場人物たちのように 「人生行き詰まり感」を自覚しているようで 実はできていないのが私です。 「こんな自分イヤだ」と思いつつ 「なんとかなるさ」と流されてしまうのが現実。 でも、ものすごく手を抜いてるわけでもなくて そうやって生きている、ごく普通の人々の物語。
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旅先で会う人、内装工事で入った家の住人、住まいを探す不動産屋の担当者、どれも二度と会うことはないけど、数時間、数日時間を共にする人と、自分とを描いた短編集。 自分の人生の軌跡と、他人の軌跡がある一点で交わる。交わり、すぐにそれぞれの軌跡を描くこともあれば、とどまることもある。 ...
旅先で会う人、内装工事で入った家の住人、住まいを探す不動産屋の担当者、どれも二度と会うことはないけど、数時間、数日時間を共にする人と、自分とを描いた短編集。 自分の人生の軌跡と、他人の軌跡がある一点で交わる。交わり、すぐにそれぞれの軌跡を描くこともあれば、とどまることもある。 たった一点の交わりから見える人の後悔、失望、どうしようもない日々。 旅先に答えがある、この人に話したら何かが変わる、解決してくれる気がすると、物語の中の人はみな淡い期待を抱く。実は答えはない。 非日常の世界で、日常の世界の煩わしさに向き合う。出会う人は鏡のようになり、自分の問題をつきつけてくる。刹那の出会いから、互いのどろどろした部分が見える。 劇的によくなることも、一発逆転もないのが普通。 それでも明日を生きてゆく。角田さんは、惨めで、ダメダメな人々に向ける眼が優しく、描くのがうまいんだな〜。 (2014年、4月) 全ての人が、生き生き、きらきら生きているわけでもない。 今の自分にもやもやしながら、その現状が変わることなく、かといって未来に希望もあるでもなく・・。街を歩くふつうの人々の日常を垣間見るような短編集。あとがきはイッセー尾形!いいね。 再読なんですが、記憶がなし・・。 角田光代さんの描く人々は魅力的ー。 (2013年3月)全ての人が、生き生き、きらきら生きているわけでもない。 今の自分にもやもやしながら、その現状が変わることなく、かといって未来に希望もあるでもなく・・。街を歩くふつうの人々の日常を垣間見るような短編集。あとがきはイッセー尾形!いいね。 再読なんですが、記憶がなし・・。 角田光代さんの描く人々は魅力的ー。 (2013年3月)
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