雨の塔 の商品レビュー
■資産家の娘だけが入学できるこの学校では、衣服も食べ物も思いのまま。だが自由と情報は与えられず、少女たちは閉ざされた世界で、家のための“駒”として使われる日を待つばかり。そんな彼女たちの間にいつしか芽生えたのは、愛情、関心、嫉妬、執着。そして一通の手紙が四人の運命を変える-。 ...
■資産家の娘だけが入学できるこの学校では、衣服も食べ物も思いのまま。だが自由と情報は与えられず、少女たちは閉ざされた世界で、家のための“駒”として使われる日を待つばかり。そんな彼女たちの間にいつしか芽生えたのは、愛情、関心、嫉妬、執着。そして一通の手紙が四人の運命を変える-。 ■■不思議な学校というのが第一印象。少女たちは外見から浮かんだイメージとはちょっと違っててびっくりした。生々しさはないんだけど、やってることはものすごく生々しい。まともな人間ってこんなかにいるのか??最後の最後でちょっと意表を突かれた。それを耽美に美しく書くとこうなる。都岡ちゃんが一番大人だったんじゃないかと思う。秘書のアレックスに最後の最後で救われた。好きだ
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宮木あや子作品は、読んだあとすぐに、もう一度読みたくなる。 カバーの絵が、ストーリーにぴったり。 もっと、ドロドロと大胆でもいい気がします。 苗字呼びの女子は、何故か甘美。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
恩田陸の学園ものに似た雰囲気。ただし、こちらは雰囲気はあるものの、奥行きがない感じ。読者を、有無を言わせずねじ伏せてしまうだけの筆力がなく、いまひとつ魅力が感じられなくなってしまっている。登場人物もわかりづらいし、ストーリーも何がいいたいんだかさっぱりわからず、楽しめなかった。残念。
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この世の果てのような岬の女子大は 完全寮制でお金持ちの子女しか入ることが出来ない。 ここにやってきたボーイッシュな矢咲は デザイナーのファンヨーの娘である小津と同室となる。 そして喫煙所で出会った陶器の人形のような三島に 高校時代に心中事件を起こしたさくらの面影を見る。 一方自ら...
この世の果てのような岬の女子大は 完全寮制でお金持ちの子女しか入ることが出来ない。 ここにやってきたボーイッシュな矢咲は デザイナーのファンヨーの娘である小津と同室となる。 そして喫煙所で出会った陶器の人形のような三島に 高校時代に心中事件を起こしたさくらの面影を見る。 一方自らを三島の奴隷だと言うハーフの都岡は 外の情報をきっかけに小津と親しくするようになる。 矢咲に惹かれる三島は親切心からさくらが死んだことを矢咲に伝えるが それをきっかけに矢咲は部屋にこもるようになり 小津との距離が近づいてしまう。 装画:鳩山郁子 装丁:柳川貴代+Fragment 自分の進む道を自分で決められることが許されない 裕福で孤独な少女たちの純愛小説です。 萩尾望都さんの描く世界の女性版という感じ。 誰にも共感はできないので表紙の籠の中の少女のイメージが とてもよくあっていると思います。 美しいけれど外には出れずに鑑賞されている。 みんな厭世観を持っているけれど 強いて言えば三島が一番感情的で入りやすいかも。
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閉じた世界の、少女たちの孤独。脆く危うい彼女たちの心。 http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-216.html
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今回の世界は、すごくミステリアスで愁いを帯びた感じ。 これもある意味官能的なのかも。 自分の与えられた運命や境遇を、 どこかで諦めたり納得したり折り合いをつけながら受け入れていく少女達の姿は、宮木作品だなぁと思った。 境遇がかけ離れているせいか、 正直、ストーリーは、共感とい...
今回の世界は、すごくミステリアスで愁いを帯びた感じ。 これもある意味官能的なのかも。 自分の与えられた運命や境遇を、 どこかで諦めたり納得したり折り合いをつけながら受け入れていく少女達の姿は、宮木作品だなぁと思った。 境遇がかけ離れているせいか、 正直、ストーリーは、共感というより、「物語」チックに感じてしまったのだけど この世界観になぜか惹かれる。。。 なんだか、後引くかんじ。 読んだ直後より、少し時間を置いた今の方が印象深く感じる、不思議な1冊。
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ここは「世界の果て」。捨てられたわたしたち。 一番孤独なのは、だあれ? 少女たちが抱える心の闇・孤独・閉塞感が物語全体を覆っています。 全体的にモヤで覆われたような雰囲気、現実感のない印象。それが、耽美で美しい。 誰かに感情移入するよりは、『雨の塔』という作品が醸し出す世界観...
ここは「世界の果て」。捨てられたわたしたち。 一番孤独なのは、だあれ? 少女たちが抱える心の闇・孤独・閉塞感が物語全体を覆っています。 全体的にモヤで覆われたような雰囲気、現実感のない印象。それが、耽美で美しい。 誰かに感情移入するよりは、『雨の塔』という作品が醸し出す世界観に浸ることが出来ました。 閉塞感を感じる中だからこそ、物語の中に出てくる、空の写真のコラージュやマフィン、温かいコーヒー、煙草の香り・・・これらの描写がいっそう引き立っていると感じました。 私もマフィンを作りたくなりました。 装丁もとても美しいです。4人の少女が籠の中に入っています。
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独特の雰囲気に呑まれた。 陰鬱な雨。閉鎖された空間。世間から締め出された女の子たち。 すごく良かった!という訳じゃないのにもう一度読みたくなる魅力・・・というか魔力があります。 大人のための少女小説だそうです。まさに。 ファンタジーワールドが好きならはまれるかも。
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閉じ込められたかごの鳥たち 一番孤独なのは、だあれ? 無意味に生きることを強いられた、孤島の寄宿学校に暮らす少女が4人。 日本人形のような容姿に王女様気質、資産家の娘・三島 三島に傅くハーフ美少女、newsweekが愛読書・都岡 アジア風の服が似合う、陶器のような肌の...
閉じ込められたかごの鳥たち 一番孤独なのは、だあれ? 無意味に生きることを強いられた、孤島の寄宿学校に暮らす少女が4人。 日本人形のような容姿に王女様気質、資産家の娘・三島 三島に傅くハーフ美少女、newsweekが愛読書・都岡 アジア風の服が似合う、陶器のような肌の持ち主・小津 心中事件の生き残り、美少年のような風貌・矢咲 始めは三島&都岡、小津&矢咲ペアなのね。 それがふとした事から三島は矢咲に興味を持ち、都岡はかつてあこがれたティーンモデル、リルファンが小津だった事を知る。 「誰も好きにならないこと」を鎧にして、守ってきた心の内。 それをさらけ出した結果が彼女たちにどういった変化をもたらしたのか・・・。 ぜひお手にとって一読していただきたいです。 私だったら誰を選ぶかなぁとか、百合的発想を楽しんじゃったりしてみたのですが、うーん、とりあえず矢咲はなしだな。あの子は無意識に人を闇に落としても、自らは絶対不幸にならないところが怖い。心に傷もつ身ではあるけれど、他人の心の闇に同調して死ぬような事は(ホントは)ないんでしょうね。 三島もなしだな。自分が同じようにかまってちゃんだから。 眺めてる分には小津がいい。異国の美しい鳥を見ている気分になれる。籠の中で、その美しさを愛でるのもいいし、ゆっくりと壊れていく過程を眺めるのも一興。美しいものが滅びるのを見る、歪んだ喜び。 でもやっぱり一番は都岡かな。容姿も好みなら性格も好みだ。料理まで上手となるともうたまらんですよ。あー都岡よ、私にバナナマフィンを作ってくれー。 話にひとつ難を言えば、設定が高校生の方がよかったのですよ(大学生で三島のあの幼さってないわよね)、まぁそれも好みの問題なのですがね。 あ、表紙の鳩山郁子さんの絵は、雰囲気にあっていて素敵でしたよ~。 リルファンのお洋服が~めちゃくちゃかわいい~。 あと情事に浮き上がるあばら骨をさして、鳥籠の枠組みと例えるのも色っぽくてよいですね。 「指先で、浮き上がる鳥籠の枠を薄い肌の上から撫でると、中で美しい声をした小さな鳥が震えるようにさえずる」んですよ! 宮木さんならではのステキ描写だなぁ。 前作も官能的&女性らしい文章で大変面白かったのですが、今回ますます上達されて、もっと楽しませてもらいました。 次回作も楽しみー♪
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おままごと話。でも膨らまそうと思えば、どの方面にもふくらませそうで楽しみだったろう作品。残念。 メイちゃんと執事のドロドロ版かと思った。でもいっそのことそうだったら面白かったろうな。
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