雨の塔 の商品レビュー
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狭い世界にいると思考が偏る 傍にいてくれる、またはたまたま傍にいた人に執着し依存する 哀しい話だった 恐らくだけど矢咲は暖かい家庭で育ったからさくらにも小津にも三島にも依存せず一歩引いて見れた結果、僅かに取り乱すだけですみ 何度も人から捨てられてきた小津は最後に信じたいと思った相手にも捨てられたと思い傷心の末海に散ったのかなと思う 小津が誰の奴隷でもないさくらとは違う運命だと知っていたら結果は違ったかもしれないし、そうでないかもしれない 心が弱っているときに読んだら間違いなく悪い方へ引き込まれる本 三島の天然面倒ぶりに都岡が憐れだと思い、最後に戻ってきたときには驚いた 早く卒業できるといいねと…
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上流階級の下に生まれた少女たちが、それぞれの事情を抱えてやってくる小さな町のような塔。 愛しい子の政略結婚から逃れるための心中に失敗した矢咲。 娘すらもトップに立つために踏み台にした母を今も求めている小津。 事業の都合で三島のお気に入りの友達という奴隷になった都岡。 政略結婚に使われるまでの間に都岡から矢咲に気持ちをとらわれる三島。 美しく贅のすべては手に入るというのに、唯一彼女たちに届かないのはたったひとつの自由だった。 自由を求めて、自分たちが本当に求めているものを渇望している最中。 矢咲の傷ついた心に気づいた小津との濃密な関係。 片思いのまま置いてけぼりにされた三島の傷心。 矢咲に愛されれば愛されるほどやつれていく小津を心配する都岡。 突然やってきた自由を目の前に、彼女たちがそれぞれ選択した道。 小津、可哀想に。戦略的だった三島と都岡の本当の友情。 未熟で残酷で、愛しい少女たち。
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少女漫画的な流れのストーリー。そこはかとなく耽美チックな内容かと。 登場する四人の少女の境遇は正に表紙の通り。 カゴの中に入れられた四人は抜け出すために足掻こうとせず、過去にとらわれ続け、漫然と日々を過ごす。 ストーリーが展開に従い、四人の素性、ここにいる理由が少しづつ打ち明...
少女漫画的な流れのストーリー。そこはかとなく耽美チックな内容かと。 登場する四人の少女の境遇は正に表紙の通り。 カゴの中に入れられた四人は抜け出すために足掻こうとせず、過去にとらわれ続け、漫然と日々を過ごす。 ストーリーが展開に従い、四人の素性、ここにいる理由が少しづつ打ち明けられる。 四人の個性、お互いの関係、想いがゆっくりと変化してゆく。 最終場面、雨の塔で、一人は絶望的な選択を、一人は成り行きで救われ、一人は友を救うために自ら動き、もう一人はそれにより救われ、それまで以上の絆で結ばれる。 それぞれ異なる結末が印象的であった。
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大雨の音を聞きながら読みました。語り手がコロコロ変わるので最初は少し読みにくかったです。「春狂い」よりは良かったけど、どの章も読んでて痛かった・・・。三島と都岡にもいずれ終わりは来るだろうけど、矢咲と小津のような可哀想な結末にはならないでほしい。
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誰かの心の中で一番必要な人になるのは、どうしてこんなにも困難なのだろうか。 何もかも、世の中のせいなの。全部世の中のせいにするの、そうすると楽になれる。
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誰かの心の中で一番必要な人になるのは、どうしてこんなにも困難なのだろうか。 (P.73) 人を憎んでも、刺されてるんじゃないかと思うほど胸が痛くても、お腹は空く。 (P.116) もしも私たちに、「今」及び「ここ」以外の場所が与えられるとしたら、その世界の中でも小津と、一...
誰かの心の中で一番必要な人になるのは、どうしてこんなにも困難なのだろうか。 (P.73) 人を憎んでも、刺されてるんじゃないかと思うほど胸が痛くても、お腹は空く。 (P.116) もしも私たちに、「今」及び「ここ」以外の場所が与えられるとしたら、その世界の中でも小津と、一緒にいることができるだろうか。「いつか」はこのままでは、存在しないけれども、ふとしたことをきっかけとして、掴むことはできるかもしれない。 そのきっかけを見付けたときは、小津の手を引いてゆこう、と矢咲は思う。きっと小津も、手を握り返してくれるだろう。 (P.140)
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2016.1.6 読了 宮木さん 好きなんだけどなぁ。。。 これは 合わなかった。。。 矢咲、小津、都岡、三島の四人の女の子が 離れ小島の岬の学校の寮に住んでいて その人間関係の話ですが、 四人が いくら読んでも入ってこない。 誰が誰だったか すぐわからなくなってしまった。...
2016.1.6 読了 宮木さん 好きなんだけどなぁ。。。 これは 合わなかった。。。 矢咲、小津、都岡、三島の四人の女の子が 離れ小島の岬の学校の寮に住んでいて その人間関係の話ですが、 四人が いくら読んでも入ってこない。 誰が誰だったか すぐわからなくなってしまった。。。
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『太陽の庭』から読んでしまったから、物足りない感じだけど良かった。 好きな世界観。 最後が悲しい。
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高校を卒業した裕福な家庭の美少女ばかりが生活する全寮制の女子校。外界と完全に遮断され、電話も事務局に盗聴されている。授業には暇つぶしに出る程度で、欲しい物は親の金で欲しいだけ手に入る。望む大学の卒業証書さえも。そこへ入学した、ある4人の少女の物語。 設定や空気感が、萩尾望都『トーマの心臓』や、映画『わたしを離さないで』に似ている。 社交界、外国たばこ、螺旋階段、所有欲と依存、嫉妬、無関心、執着、脆さ、儚さ、自分の存在する意味。 久しぶりに耽美な世界を堪能した。 映画化するなら岩井俊二監督かな。 それにしても彼女たち、授業にも出ないで毎日お菓子を食べたり雑誌を読んだりして暮らしてて、いじめも派閥も無いところを見ると他の生徒に興味もないようだし、インターネットもできないし新聞も読めないし、退屈じゃないんだろうか。私がこんな無刺激な環境で暮らしたら、1年で認知症になりそう。
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ダメだ…。半分以上読んだ時点でも4人の区別がつかなかった。表紙のイラストがなければ読み進められなかった。 感受性が豊かすぎるお嬢さまたちの悲恋物語。 そんな狭い世界で…と思うのは、下びた大人の感想なのだろう。なので、黙っとく。
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