幼年期の終わり の商品レビュー
一応SFだけどスピリチュアルな表現が多く、読後は作中出てくる宇宙人達のように、精神というか意志?の崇高さを物質界からある種の諦めと憧れをもって眺めているような感覚になった。僕はまだ高次の精神世界へ行くには、物欲が強すぎるようだ…
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子供の頃、冷戦による核戦争で世界は滅ぶのだと漠然としているのだけれど、でも確かな恐怖を感じていた。そして、9.11を目の当たりにして、やはり人類は争い滅んでいくのだと改めて予感した。しかし、この小説を読み、人類が未だ予期もしていない『破滅への淵』が強く印象に残ることになった。3....
子供の頃、冷戦による核戦争で世界は滅ぶのだと漠然としているのだけれど、でも確かな恐怖を感じていた。そして、9.11を目の当たりにして、やはり人類は争い滅んでいくのだと改めて予感した。しかし、この小説を読み、人類が未だ予期もしていない『破滅への淵』が強く印象に残ることになった。3.11を経験した今、人間の科学への慢心、傲慢こそが世界を破滅に至らすというメッセージは、50年以上前に書かれたSF小説とは思えないものがあった。現代人類は、『橋』を見つけることが出来るのか?
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話の作りが難解で始めは取っ付きにくかったけど読み進めて行くうちにその世界観に引き込まれた。不思議な気持ちにしてくれた一冊。
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☆4.5くらい。まさにサイエンス・フィクション。 作者の「まえがき」というのは物語自体の純度を落としてしまう感じがしてあまり好きじゃないけど、この本の「まえがき」は良い。内容は第1部だけは初版から書き換えられたというもの。 初版が出たのは米ソ冷戦時代。まさかそれから10年後にア...
☆4.5くらい。まさにサイエンス・フィクション。 作者の「まえがき」というのは物語自体の純度を落としてしまう感じがしてあまり好きじゃないけど、この本の「まえがき」は良い。内容は第1部だけは初版から書き換えられたというもの。 初版が出たのは米ソ冷戦時代。まさかそれから10年後にアメリカが月面着陸を果たすなどとは思ってもみなかった…云々。 この「まえがき」が後々になってフックが効いてくる感じだ。 というのも第2部・第3部は初版のままであるから、クラークは1953年当時の歴史的・科学的事実を基にして近未来を予測しているわけである。(びっくり!) まさか月に人間が到達できるなどと夢にも思っていなかった作者がこれ書いたんだって思うと、1953年という地点から近未来を予測する作者の思考プロセスが途端にスリリングに思えてくるのだ。 なんてったってその「予測」が現代的な感覚から乖離してないってのがスゴイ。 そこには歴史的・科学的事実(つまりSFのS!!)の裏付けがあり、作者はその「s!!」に基づく姿勢をとことんまで貫いている様子なのだ。 だからこの本は本物のサイエンス・フィクションだと言える。
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正直、うーんという感じ。 発想のすごさとか設定の斬新さとか、名作といわれるのもわかるんだけど。 書かれた時代が古いということによる齟齬以外で、?と思うようなことが結構目についてそれが何となくわだかまりとなりつつ読み進めてしまった。 こういうマクロな現実世界を背景/対象にしているSFは、私にはちょっと合わないのかと思われる。
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去年に引き続き、新年最初の読書は古典SF。そう決めたわけじゃないけど。でも「やっぱり古典は読んどかなくちゃもったいないよな」というように思ってのことなのも確か。 感想だけど、うーん、微妙だ。 この本は第1章のプロローグを1989年に書きなおしたらしい。旧版では舞台は1970年代...
去年に引き続き、新年最初の読書は古典SF。そう決めたわけじゃないけど。でも「やっぱり古典は読んどかなくちゃもったいないよな」というように思ってのことなのも確か。 感想だけど、うーん、微妙だ。 この本は第1章のプロローグを1989年に書きなおしたらしい。旧版では舞台は1970年代で、米ソ冷戦をベースにしたものだったらしい。(らしい、というのは実際に読んでいないから。) 新版のこの本では、米露が協力して宇宙開発をしている。 時代に合わせたのかもしれないけど、これはけっこう致命的な改変じゃないかな。米ソ冷戦を前提にしているから、オーバーロードによる平和も、その結果幸福だが退屈な「進歩の停止」も意味があるのであって、そうでないのなら、オーバーロードに対して「あんたなにしにきたの?」としかいいようがなくなる。 だって、別に、オーバーロード統治下になったからといって、国家がなくなっただけで、それ以上特にいいことがない。国家が地方自治体レベルの存在になったのはわかるが、例えば、環境問題とか、不景気とか、死刑廃止とか、医療過誤とか、そういうことをオーバーロードが何とかしてくれたとは思えないし、してたのかもしれないけど、それはあんまりにも幻滅だ。 「熊さん八っつあんの星地球にやってきた大家さんオーバーロード」って神秘的じゃない。 つまり、プロローグを書き換えることで、全編が「よくできたパロディ」になってしまったんじゃないかな。 著者がわざとやったって可能性もあるな・・・
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SF2冊目。侵略者は乳母にすぎなかったというどんでん返し。宇宙人の侵略というありがちで壮大なテーマと、進化できるものとできないものの悲哀が描かれていて、一気に読みきってしまいました。
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サルは人間に進化したが、人間は何に進化するのだろうか、という思考実験の本であり、また神とは何なのか真剣に考えさせられる本でもある。突如地上に現れた球体の宇宙船。何か地球に攻撃するわけでもなく、何かを略奪するわけでもなく、ただ静止している不気味な宇宙船。 クラークは常に読者の3歩...
サルは人間に進化したが、人間は何に進化するのだろうか、という思考実験の本であり、また神とは何なのか真剣に考えさせられる本でもある。突如地上に現れた球体の宇宙船。何か地球に攻撃するわけでもなく、何かを略奪するわけでもなく、ただ静止している不気味な宇宙船。 クラークは常に読者の3歩先、いや30歩先ぐらいにいて、そこから揺さぶりをかけるような疑問を投げかけてくる。僕たちが何気なく通りすごしている当たり前のことを、果たしてそれは本当のことなんだろうか、と疑心暗鬼にさせられる。 とにかくすごい本。
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他の皆さんの感想が面白かったので読んでみました。 「おわー!!早く次のページ読まなきゃ!」 って自分が馬鹿みたいに焦る本に出会いました。 レビュー書いてくれた人達、ありがとう。 [知りたい]って気持ちが危険なことだとも知って怖かった。 でも[知りたい]は止められないで...
他の皆さんの感想が面白かったので読んでみました。 「おわー!!早く次のページ読まなきゃ!」 って自分が馬鹿みたいに焦る本に出会いました。 レビュー書いてくれた人達、ありがとう。 [知りたい]って気持ちが危険なことだとも知って怖かった。 でも[知りたい]は止められないですね。 本当にオーバーマインドが来ないかぎりは。
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地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とはなにか?異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を哲学的に描いた傑作SF。 SFの名著でまだ未読だ...
地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とはなにか?異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を哲学的に描いた傑作SF。 SFの名著でまだ未読だったので挑戦した。「夏への扉」を読んだ時も感じたが、まず古さをあまり感じさせないのがすごい。遥かに文明の進んだ異星人が地球を訪れ、統治をする。そして……。終盤の展開は衝撃だし、物語の結末も凄かった。十分に読む価値のある一作だと思う。
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