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自分のなかに歴史をよむ の商品レビュー

4.1

54件のお客様レビュー

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  2. 4つ

    18

  3. 3つ

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2022/09/05

「ハーメルンの笛吹き男」をはじめとする西洋中世史研究で著名な阿部謹也氏のエッセイ集。 エッセイ集といっても、思いつくままに書いた散文の寄せ集めではない。本書全体が「自分の中に歴史をよむ」という一つのテーマに沿って書かれているうえ、阿部史学のエッセンスが詰まっている。 解説で、中高...

「ハーメルンの笛吹き男」をはじめとする西洋中世史研究で著名な阿部謹也氏のエッセイ集。 エッセイ集といっても、思いつくままに書いた散文の寄せ集めではない。本書全体が「自分の中に歴史をよむ」という一つのテーマに沿って書かれているうえ、阿部史学のエッセンスが詰まっている。 解説で、中高生向きに書かれた本とあるが、大人が読んでも十分に面白い。真にすばらしい本というのは、本書のように年代を問わず読まれうるものではないだろうか。

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2021/09/02

世評は高いようだが、自分にはどういうところを面白がったらよいのか分からなかった ハーメルンの笛吹についても謎の解き明かしがされているわけではない(ミステリ読みとしては、期待外れ) 全体的に話があちこちに飛び、散漫な印象を受けた これならブローデルの『歴史入門』とかのほうがよっぽど...

世評は高いようだが、自分にはどういうところを面白がったらよいのか分からなかった ハーメルンの笛吹についても謎の解き明かしがされているわけではない(ミステリ読みとしては、期待外れ) 全体的に話があちこちに飛び、散漫な印象を受けた これならブローデルの『歴史入門』とかのほうがよっぽど面白いよ

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2021/01/31

多和田葉子の『地球に散りばめられて』『星に仄めかれて』を読んで境界という概念に意識が向いて、やっぱり境界を考えるにはアメリカよりヨーロッパじゃないか…などと思いながら書店に寄って出会った一冊。ヨーロッパを題材とした「歴史学入門」という惹句にも惹かれたけれど、それよりも何よりもあの...

多和田葉子の『地球に散りばめられて』『星に仄めかれて』を読んで境界という概念に意識が向いて、やっぱり境界を考えるにはアメリカよりヨーロッパじゃないか…などと思いながら書店に寄って出会った一冊。ヨーロッパを題材とした「歴史学入門」という惹句にも惹かれたけれど、それよりも何よりもあの名著『ハーメルンの笛吹き男』と同じ著者ということで、ワタシの中で手に取らない理由は何もなかった。 「解る」とは、それによって自分が変わるということ、「誰かを理解する」とは、その人の中に自分と共通な何かを発見すること。言われてみればとてもシンプルなことなのだけれど、それに行き着くまでの経緯が実に丁寧に綴られている。ハーメルンの笛吹き男の話もしっかり出てくるところは、同著のファンとしてはたまらない。 元々ヨーロッパにあった「大宇宙と小宇宙」という考え方を、キリスト教が真っ向から否定したというくだりは意外。ヨーロッパとキリスト教の関係を勝手に単純化していた自分の無知を恥じた次第。

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2020/10/09

阿部謹也氏の本は『ハーメルンの笛吹き男』に続き2冊目です。途中、教科書を読んでいるような少し退屈で、なかなか頭に入ってきませんでした。第五章の笛吹き男との出会い、第九章の人はなせ人を差別するのか、は面白く読めました。 自分がなぜヨーロッパに興味を持ち、ヨーロッパ関連の書物を読み漁...

阿部謹也氏の本は『ハーメルンの笛吹き男』に続き2冊目です。途中、教科書を読んでいるような少し退屈で、なかなか頭に入ってきませんでした。第五章の笛吹き男との出会い、第九章の人はなせ人を差別するのか、は面白く読めました。 自分がなぜヨーロッパに興味を持ち、ヨーロッパ関連の書物を読み漁るのか?を考え、日記にでも書いてみようかと思いました。

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2020/06/01

4月から歴史学を初めて研究テーマを決めなければいけないこの時期に読めて良かったと思える本。 あと、第二外国語学ばねばと焦りを感じさせる本でもある。

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2020/05/17

いわゆる「歴史学とは何か」という命題を掲げた本であろうが、他が真っ向から歴史学そのものを分析しようとしているのに対して、あくまでも筆者がどのような背景や興味をもって歴史学に取り組み、解釈してきたのかをつづった内容になっている。 歴史の捉え方というのは多様であり、完全な中立から解釈...

いわゆる「歴史学とは何か」という命題を掲げた本であろうが、他が真っ向から歴史学そのものを分析しようとしているのに対して、あくまでも筆者がどのような背景や興味をもって歴史学に取り組み、解釈してきたのかをつづった内容になっている。 歴史の捉え方というのは多様であり、完全な中立から解釈することは難しい。そういった点で、著名な研究者であった筆者が自らのスタンスを明らかにすることは、読者にとってきわめて参考になる、つまり歴史学と向き合う時の姿勢を教えられる。特に歴史に興味を持っている若年世代におススメしたい。私も、もう少し若い時にこの本を読んでいれば…。

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2019/11/20

・一元的な評価軸がなぜ必要とされるか それは、集団が発生したからではないか。 10世紀から12世紀にかけて、キリスト教の進展と共に、コミュニティが家を基本単位としたものから、都市へと拡大していった。 本書ではこのとき、家を基本にしていた時の小宇宙、大宇宙という世界の見方が神、ある...

・一元的な評価軸がなぜ必要とされるか それは、集団が発生したからではないか。 10世紀から12世紀にかけて、キリスト教の進展と共に、コミュニティが家を基本単位としたものから、都市へと拡大していった。 本書ではこのとき、家を基本にしていた時の小宇宙、大宇宙という世界の見方が神、あるいは神のもとでの善悪という1つの価値観に収斂していったとしている。 大宇宙として認識されていたものたち、自然の脅威や、生と死に関わるものは新しいルールのもとで、なきものとされていった。あるいは、キリスト教のルールの中に体系づけられていった。 自然の脅威として存在はしているが、社会的には抹殺されいったものたち、目を背けるべきものたちが差別(蔑視ではなく、賎視、恐れを含んだもの)の対象となっていった。 主観の世界から客観の世界への転換が起きた。 世界は得体の知れない恐怖から観察可能な具体的な事実へと変化した。 で、ここで検討したいのは、なぜこういった価値観が生まれ、支持され、広まってきたのかということだ。 ※書き途中

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2019/11/20

第1章 私にとってのヨーロッパ 第2章 はじめてふれた西欧文化 第3章 未来への旅と過去への旅 第4章 うれしさと絶望感の中で 第5章 笛吹き男との出会い 第6章 二つの宇宙 第7章 ヨーロッパ社会の転換点 第8章 人はなぜ人を差別するのか 第9章 二つの昔話の世界 第10章 交...

第1章 私にとってのヨーロッパ 第2章 はじめてふれた西欧文化 第3章 未来への旅と過去への旅 第4章 うれしさと絶望感の中で 第5章 笛吹き男との出会い 第6章 二つの宇宙 第7章 ヨーロッパ社会の転換点 第8章 人はなぜ人を差別するのか 第9章 二つの昔話の世界 第10章 交響曲の源にある音の世界 著者:阿部謹也(1935-2006、千代田区、西洋史) 解説:山内進(1949-、小樽市、法学)

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2018/12/21

E.H.カーの「歴史とは何か」以来、あまり触れてこなかったテーマですが、主体的、自覚的に学ぶことの重要性を改めて考えられる一冊。歴史入門書としてオススメです。

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2018/10/12

著名な歴史学の先生(故人)による自伝的エッセイ。 確か『リーディング・ハックス』で薦められていたので購入したもの。 もともとは、学生向けに書かれたらしく、とてもわかりやすく、そして、キレイな文章。 なぜ自分が歴史学を研究したのか、研究するとはどういうことか、といった自伝的な...

著名な歴史学の先生(故人)による自伝的エッセイ。 確か『リーディング・ハックス』で薦められていたので購入したもの。 もともとは、学生向けに書かれたらしく、とてもわかりやすく、そして、キレイな文章。 なぜ自分が歴史学を研究したのか、研究するとはどういうことか、といった自伝的なことや、小宇宙と大宇宙という関係から、中世ヨーロッパにおけるキリスト教の影響など、その研究内容に関することが述べられている。 が、解説にもあるように、この方の考え方を真似するのは困難か。 ただ、その真摯な姿勢は参考にしないといけない。 [more] (目次) 第1章 私にとってのヨーロッパ 第2章 はじめてふれた西欧文化 第3章 未来への旅と過去への旅 第4章 うれしさと絶望感の中で 第5章 笛吹き男との出会い 第6章 二つの宇宙 第7章 ヨーロッパ社会の転換点 第8章 人はなぜ人を差別するのか 第9章 二つの昔話の世界 第10章 交響曲の源にある音の世界

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