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私が語りはじめた彼は の商品レビュー

3.5

250件のお客様レビュー

  1. 5つ

    36

  2. 4つ

    81

  3. 3つ

    86

  4. 2つ

    22

  5. 1つ

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2014/05/29

大変面白かった。interestingの意味でもamusingの意味でも。関係者の視点で次々と語られていく連作形式の小説はよくあるが、こういう展開になるとは予想だにしなかった。私のような一読者が言うのもおこがましいが、実に上手い作家さんだと思う。『舟を編む』でもそう感じたけど、こ...

大変面白かった。interestingの意味でもamusingの意味でも。関係者の視点で次々と語られていく連作形式の小説はよくあるが、こういう展開になるとは予想だにしなかった。私のような一読者が言うのもおこがましいが、実に上手い作家さんだと思う。『舟を編む』でもそう感じたけど、これを書いた時点で既にベテランの貫禄だったとは。個人的に『まほろ駅前…』より人間の闇に焦点を当てたこちらが好みなので、この小説で直木賞を取って欲しかった。 p42  そんな私の惑乱を感じ取ったかのように、彼女は、 「村上はいい加減ですが不真面目ではないのです」  とつぶやいた。「責任を負うことはしないけれど、義務は己れに課します。エゴイストですがロマンティストでもあります」  それは先生を評すると同時に、おぞましい愛の本質について語った言葉に思えた。

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2014/05/27

一人の無責任な行動に振り回される人々をまとめた短編集。 まるで、憎悪をテーマに短篇化したようで読み進めるのが苦痛な作品。 万人には進められない。

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2014/04/23

三浦しをんさんは本当に色んな雰囲気のお話を書けるのだなぁと思いました。 この物語で語られる「彼」とは、大学教授である村川融。村川融の妻・不倫相手・娘などの女性と関わりのある男性達が語り手となる、ひねりのある構造です。 物語として、結局最後まで読んでも結論めいたものは描かれてい...

三浦しをんさんは本当に色んな雰囲気のお話を書けるのだなぁと思いました。 この物語で語られる「彼」とは、大学教授である村川融。村川融の妻・不倫相手・娘などの女性と関わりのある男性達が語り手となる、ひねりのある構造です。 物語として、結局最後まで読んでも結論めいたものは描かれていないのですが、それこそが人生なんだ。この人たちはこれからももやもやしながら生きて行くんだなぁと感じられて、そこがとても良かったです。

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2014/04/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三浦しをんの印象が変わった。 これまで彼女の軽いタッチのものしかよんでいないせいかもしれないけど。 ものすごく面白かった。 最期まで村上先生は実際には登場しない。しないが、先生の像は浮かび上がる。この小説を読む知らないはずの先生の魅力に惹き付けられる。先生を愛した女性のこともわかる気がする。女はこういう男に弱いのだ。 それから、この小説が男目線で語られていることも面白い。 正直、三浦しをんが想像以上にすごい小説家だと思わざるを得ない。道理でエッセイが面白いわけだ。 それにしても、太田春美の愛憎のすごさ。それはそれで幸せなことなんかじゃないかと思う。あのくらい、愛せるのであれば、それはそれで先生は幸せだったのではないかと思ってしまう。

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2014/04/01

出だしは吐きそうになったけど、後は良かった。すごく良かった。文章も美しい。台風の目は登場せずに終わる。 風が強く吹いている、から読むようになったので、こういう作風は意外だったけど、こういうのも好き。

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2014/02/01

友人の出産祝いパーティーに参加する行きの電車の中で読む。電車を乗り替え、少ししてから友人にあげるはずだったプレゼントは消え、この本しか持っていないことに気付く。 前の電車に置き忘れた。 忘れ物相談口に電話し探してもらうが、折り返しの電話がかかってくるまで、本の内容が全然頭に入...

友人の出産祝いパーティーに参加する行きの電車の中で読む。電車を乗り替え、少ししてから友人にあげるはずだったプレゼントは消え、この本しか持っていないことに気付く。 前の電車に置き忘れた。 忘れ物相談口に電話し探してもらうが、折り返しの電話がかかってくるまで、本の内容が全然頭に入ってこ無い。 不倫、浮気、この著者でもこのようなドロドロしたのを書くのだと戸惑う。大学の教授が前妻と分かれ再婚。彼の周辺の人物を視点を変えて書いた物語。不倫とは周りの色々な人をこんなにも不幸にするのだなあと思う。 文中の「たった二人で、支えあったりけなしあったりして結婚していくのは、難しい。子供の教育、家のローン。緩衝材や刺激物を混入させることで、夫婦は夫婦として機能しやすくなるのだ。一対一の人間関係は厳しい。緊張に疲れはてるか、惰性に流されるか、たいていはどちらかに行き着いてしまう。」という一文に考えさせられてしまう。 私は独りが好きで、子供が嫌いだと思っていたので、そんな風に考えたことが無かったが、自分に子供が居なかったらを仮定してみた。二人の時はよくケンカしたし、子供がいなかったら駄目になっていたのでは? 或いは、子供を作るという選択肢を早々と決め、授かった事で、自分達自信の事をもっと考え、やるべきことがあるのに、育児を理由に考えるのを放棄しているのでは?と。 「冷血」の章は文を読んでいて、空虚な風景を見ているようで、好きだなと思った。本著者の本は好きだが、こんな風に好きになったことはなく、面白さ再認識。また、後で再読しても面白いと思えた(前半頭に入ってこなかったのもあるかな。。。)

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2013/12/14

三浦しをんの私が語りはじめた彼はを読みました。 古代史を専門とする大学教授村川融は妻の他に愛人を持ち、その後妻と離婚して愛人と生活していきます。 彼に関わる人物たちの視点から物語が語られます。 それぞれの人物たちが心の中に暗い情念を抱えて生きていく様子が描かれていきます。 三...

三浦しをんの私が語りはじめた彼はを読みました。 古代史を専門とする大学教授村川融は妻の他に愛人を持ち、その後妻と離婚して愛人と生活していきます。 彼に関わる人物たちの視点から物語が語られます。 それぞれの人物たちが心の中に暗い情念を抱えて生きていく様子が描かれていきます。 三浦しをんの著作は若者が主人公の青春の物語と腐女子の明るいエッセイしか読んだことがなかったので、こんな物語も書く人なんだなあと再認識したのでした。

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2013/11/13

大学教授 村川をめぐる男女を描く6編。 ストーリーに登場するそれぞれの『私』が抱える男女.家族関係の秘めるおもい。 三浦しをんを期待すると美しくない。 人の心の闇や孤独、深い深い暗い部分。

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2013/10/26

かなり前の著書のようですが機会があり手にとりました。 一人の奔放な男に纏るストーリーで冒頭あたりでは退屈するかなっと思ったのですが、中程で太宰的になりサスペンス的になりイッキ読みになっていました。 けっこうイケル作品でした。

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2013/10/14

一人の男性を中心に・・・ってありがちなパターンだったけど とても面白かった。他の作品とはまた違っていて。こんな小説も書かれるんですね~。

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