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私が語りはじめた彼は 新潮文庫
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私が語りはじめた彼は 新潮文庫

三浦しをん(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/新潮社
発売年月日 2007/07/30
JAN 9784101167558

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商品レビュー

3.5

262件のお客様レビュー

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2009/12/16

おすすめ!

6つの連作短篇で構成された本書は、(愛だったり憎悪だったり)ある種の感情をもって、ひとりの男に関わった人々の物語である。なのに、中心にいるはずの男の内面は、一切見えない。怖くて、惹きつけられる、すごい本。

yama

2026/03/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不倫をした男に関わる連絡短編集。今まで読んだしをんさんの作品の中で一番好きかも。と思いながらも、感想に悩むところがあり投稿が遅くなりました。私が今一、全体を把握できておらず、うまくことばに表せられないことがもどかしいです。様々な人物から語られる男の人物像が徐々に浮かび上がる様、作品を包む重苦しい空気がとてもおもしろかった。男に振り回される人々の心境を興味深く読み進めることができました。一読では繋がりが分からないところがあったのですよね。もう一度読み返したいと思います。

Posted by ブクログ

2026/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

予言。椿の言葉は予言のようだった。世界が滅ぶとか、みんな死ぬとか、そんな不吉なもんじゃない。雨が降る前には雨のにおいがするように、朝の光より早く鳥が囀るように、だれのことも脅かさない予言。 愛された日の記憶を、そっと呼び起こすための言葉。 でももちろん、俺たちは黙っていた。照れがあったし、心がつながりあったと感じられる瞬間は、流れ星よりも速くどこかへ去ってしまうものだから。 それにもかかわらず、山の木々は霧雨にけぶって、打ち寄せる夜の海みたいに美しいのだ。俺たちは小刻みに震えながら、助けが来るのを待っていた。 「あの、村川くん」 「なに」 「痛くて泣きそうなんだ。なにかしゃべってくれない」 「なにを」 「なんでもいいよ。なにか気が紛れること」 俺はしゃべった。猛然としゃべった。予言のこと。妻と子のこと──恥ずかしいから、名前は出さなかった──。幸せな生活。予言は必ず果たされること。滅亡する世界。必死に逃げる人々。 灼熱の一瞬に焼き尽くされるのと、長い冬が地表を覆うのと、どっちがいいか聞くと、椿は「冬」と答えた。 サイレンの音が響きわたるまで、俺はしゃべりつづけた。洞窟に逃げこんだ家族のこと。木ぎれを見つけて苦労して火を点けたこと。寄り添って寒さをしのぐ。雪はどんどん積もって、夜も交替で洞窟の入り口の雪かきをしなきゃならない。捕まえて食ってた鼠や犬も、とうとう見あたらなくなった。ある晩、もう雪かきをするのはやめようと家族で話しあう。体をくっつけあって横たわり、眠りながら死んでいく。雪は地球上を全部真っ平らにするまで降り続く。 田んぼの中で発見されて、椿と一緒に救急車に乗りこんでもまだ、俺はしゃべっていたかもしれない。俺を救ったのは救急車じゃない。椿だ。今夜の椿の言葉と行動のすべてが、俺をなにか真っ黒いものから救ってくれたのだ。永遠に。そう感じた。だから必死で言葉をつむいだ。 世界の終わりの情景を、椿は黙って聞いていた。 予言、あまりにも輝きすぎている。6篇の中で最も透き通っていて眩しすぎて、痛々しいくらい。 家族という一つの世界が壊されどうしようもない中で、思いもよらない相手、椿と出会い、その出会いがもたらすものによって最悪な日々は終焉を迎える。 呼人の、家族というものに囚われて身動きが取れない不自由さ、その純粋さが痛々しかった。高校生の頃は家族とか友達とか、自分を取り巻く環境、その狭い世界が自分にとって全てで、そこから逃げ出すことはできなくて、支配されていて身動きが取れないみたいな、そういうのに苦しむ呼人、そして椿の二人の友情をずっと見守っていたい、、という気持ちにさせた。 三浦しをんは綺麗なBLとか百合を書くのが上手すぎる、、ずっとこういう世界に浸っていたい。

Posted by ブクログ

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