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鋼鉄都市 の商品レビュー

4.1

112件のお客様レビュー

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2013/11/27

過剰な人口増加と限られた資源のために鋼鉄で覆われた都市に押し込められて管理社会を生きる地球の人々には、宇宙市で閉鎖的に暮らす宇宙開拓民の末裔である宇宙人へ対する反感、そして職を奪ってゆくロボットへの憎悪が蔓延っていた。ニューヨークシティの刑事ベイリは宇宙市内で宇宙人が殺害された事...

過剰な人口増加と限られた資源のために鋼鉄で覆われた都市に押し込められて管理社会を生きる地球の人々には、宇宙市で閉鎖的に暮らす宇宙開拓民の末裔である宇宙人へ対する反感、そして職を奪ってゆくロボットへの憎悪が蔓延っていた。ニューヨークシティの刑事ベイリは宇宙市内で宇宙人が殺害された事件の担当を任されることになったが、宇宙人側から捜査のパートナーとしてあてがわれたのは宇宙人と見紛う程に人間を模して造られたロボットのダニールだった。 ロボットに個人的な悪感情を抱くものの現実主義者で自身の仕事にも誇りを持っている主人公のベイリと、外見は人間とほぼ同じながら機械然として理論的にふるまうパートナーのダニールのやり取りがとにかくおもしろく、その過程を経て変化していく二人の姿も楽しめた、終盤での聖書の一説を題材にしたやり取りが特にツボだった。 二転三転としていくベイリの組み立てた論理的な推理の展開もストーリー展開に起伏を与えておりテンポよく読み進めることができた、特にタイムリミットが迫る中での終盤の推理劇は爽快な印象を覚えた。 舞台設定としてのSF的要素がミステリとしての事件の背景や状況設定とも上手くかみ合っており、話の筋自体はミステリ然としていながら世界観に深みを与えているので純粋にミステリ小説としても楽しめるものになっている。

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2013/10/08

筋金入りの右脳人間にもサクサク読めるSFミステリ。未来の社会にあって、人間特有のコンプレックスやプライドゆえロボットとの協調を断固として受け入れようとしない〝懐古主義者〟たちの存在をどのように扱うかという〝命題〟がユニーク。甘やかでも、苦々しくもなく、人間存在という目線から未来の...

筋金入りの右脳人間にもサクサク読めるSFミステリ。未来の社会にあって、人間特有のコンプレックスやプライドゆえロボットとの協調を断固として受け入れようとしない〝懐古主義者〟たちの存在をどのように扱うかという〝命題〟がユニーク。甘やかでも、苦々しくもなく、人間存在という目線から未来の姿を描こうとするアシモフの〝リアリズム〟に舌を巻く。 PS.ほぼ初めて読んだSF、楽しく読めました。O田さん、ドモアリガト。

Posted byブクログ

2013/05/25

何度目かの再読。 翻訳された時期が古いので少し語調が硬いが、逆にそれが新鮮で 作風ともよくなじんでいる。 ベイリは保守的な考え方の持ち主だが、 "違い"に戸惑いつつもなじんでしまうその柔軟性が羨ましい。 一方、ダニールは話が進むごとにどんどん人間らしくなってい...

何度目かの再読。 翻訳された時期が古いので少し語調が硬いが、逆にそれが新鮮で 作風ともよくなじんでいる。 ベイリは保守的な考え方の持ち主だが、 "違い"に戸惑いつつもなじんでしまうその柔軟性が羨ましい。 一方、ダニールは話が進むごとにどんどん人間らしくなっていく。 二人の掛け合いは他の登場人物との人掛け合いよりもずっと人間らしい点も面白い。 そうそう。今回初めて気付いたんだけど、次作「はだかの太陽」の発想元がさり気なく書かれていたな…ん?えっと、ロボット工学博士と話をしているところだよ。や、そっちじゃなくて…そう。そこ(*゚∀゚*)

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2013/03/26

ベイリの暴走推理に冷静なつっこみを入れていくRダニールにニヤニヤしながら読んだ。ミステリとしては意外性はないが設定やキャラを含めて間違いなくおもしろかった。 あとR田中一郎の元ネタがアシモフだとこれ読んで気づいたw

Posted byブクログ

2013/03/12

面白かった! ロボット時代のSFミステリ。ベイ刑事が思いつきで突っ走るたびにハラハラ。かと思えば意外と駆け引き上手だったり。 続編の『はだかの太陽』、『夜明けのロボット』も読みたいです。

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2013/01/08

年を跨いで読了。 ヒトが利便性を求めて作った道具…機械やロボット…が、当のヒトよりも性能が優ることについて。 道具でしかないモノにヒトが不毛な劣等感を抱くのは、ヒトならでは。 自分たちの生活をより豊かに、より快適にするための道具に、職など生活基盤そのものを取られてしまうこと、に...

年を跨いで読了。 ヒトが利便性を求めて作った道具…機械やロボット…が、当のヒトよりも性能が優ることについて。 道具でしかないモノにヒトが不毛な劣等感を抱くのは、ヒトならでは。 自分たちの生活をより豊かに、より快適にするための道具に、職など生活基盤そのものを取られてしまうこと、についての回答は、あんまりハッキリ描かれてなかったような…? その辺は、社会の仕組み全体の問題でもあるかも。 映画『ウォーリー』を思い出す。 しかしアシモフ先生の頃って、核動力がバンバン出てくるけど、核廃棄物や放射性物質の問題とかってどのように捉えらていたのか、気になる。

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2012/11/18

さすが名作と言われるだけあって,最初の数ページを読んだだけで文句なしにひきこまれた。主人公のイライジャの心理やR・ダニールとの関係の移り変わりは常に興味深く,登場人物たちを注意深く観察しながら読み進まねばならないところは推理小説そのものだった。私は推理小説なるものを好んで読まない...

さすが名作と言われるだけあって,最初の数ページを読んだだけで文句なしにひきこまれた。主人公のイライジャの心理やR・ダニールとの関係の移り変わりは常に興味深く,登場人物たちを注意深く観察しながら読み進まねばならないところは推理小説そのものだった。私は推理小説なるものを好んで読まないのだがSFと融合した推理小説をこんなに面白く読む日がくるとは思わなかった。続編の『はだかの太陽』は入手困難のようだが,機会があれば読んでみたいと思う。

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2012/10/11

大原まり子のイルクラ・シリーズから、人間とアンドロイドがタッグを組んで何かをする、と言う作品が読みたくて読み始めたが、序盤から、文体が非常にカクカクしている、と言うか、文字情報としか読めなくてかなり違和感感じつつ読んでたのだが、「ロボット3原則」に基づく、人間社会の中でのロボット...

大原まり子のイルクラ・シリーズから、人間とアンドロイドがタッグを組んで何かをする、と言う作品が読みたくて読み始めたが、序盤から、文体が非常にカクカクしている、と言うか、文字情報としか読めなくてかなり違和感感じつつ読んでたのだが、「ロボット3原則」に基づく、人間社会の中でのロボットのあり様や、ほぼ人間にしか見えないロボットと人間との対比が浮き彫りになる事で、人間の思考回路や気微はロボットには理解できまい、と言うより、ロボットのようにシンプルに合理的にものを捉えられたら、逆に人間とう言うもののシンプルさが美徳である、と言う事にも気付く作品だった。宇宙市で宇宙人の博士が殺害され、その犯人捜しを人間が話の警察総監から内密に捜査に当たる様に指名されたベイリと、宇宙市側から派遣されてきた人間型ロボットのR.ダニールが、全く相容れないまま捜査に当たる、と言うミステリ中の捜査ものでもあり、ロボットに懐疑的で憎んでいると言ってもいいくらい毛嫌いしてベイリが、捜査に当たっているうちにロボットであるダニールの決して感情には振り回されない論理的な思考に触れて行くうちに、深意な心持になって行く様を描く相棒ものでもある。 なんせ、大原まり子作品とは違い、会話が硬い。会話と言うより業務連絡みたいで、ベイリの感情の揺らぎなども、伝わるんだけど、言葉以上に感情が爆発している様な印象を覚える。平常時の会話に感情が余りにも垣間見えない為、ちょっと感情が動くと極端に感じてしまう、と言う感じが強くて、ひたすら、なんだか読みにくい、堅苦しい、と言う感覚を拭うのがキツかったのだが、最後の、時間にリミットが決められた後の、ベイリとR.ダニールの捜査の終焉に向かう総監との対話で、一瞬にして解消されるカタルシス的な何かが湧いてきた。 早く『はだかの太陽』が読みたくてタマラン!!!現在小説の文体に慣れきった頭で読んだので、古臭いと言うより回りくどい言い回しに感じてしまって「よ…読みにくい…」だったんだが、最後まで読んでこの爽快感…。人間とロボットの相棒ものとしては、奇跡的に…とか、そう言う偶然の産物に頼らず、徹底して科学的にロボットと人間を対比させているのが、物凄く面白かった。

Posted byブクログ

2012/06/08

SFとしての世界観はもちろんのこと、 登場人物のキャラクタ性、ミステリー要素、 文体そのもの(この場合翻訳ですが)の全てに面白さが詰まっています。 中学生くらいの子供から大人までじっくり楽しむことができる一冊と思います。

Posted byブクログ

2012/06/02

SFもの食わず嫌いだったけど、つまづくこともなく一気に読んでしまいました。ミステリとしてもとても面白かった。 切実に後の二作が読みたい・・・

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