二十四の瞳 の商品レビュー
今更ながら、改めてこの有名な作品を読みました。 貧しさゆえに苦しみ、小さいなりに必死でその状況を受け入れて生きていた子ども達。時代は変わっても子ども達は精一杯、様々なことと戦っていることは変わらないな、と思います。幼いゆえに比較も非難もせず、必死に生きている。令和を生きる子ども...
今更ながら、改めてこの有名な作品を読みました。 貧しさゆえに苦しみ、小さいなりに必死でその状況を受け入れて生きていた子ども達。時代は変わっても子ども達は精一杯、様々なことと戦っていることは変わらないな、と思います。幼いゆえに比較も非難もせず、必死に生きている。令和を生きる子どもたちも、そうなんですよね。 ひたひたと押し寄せる言論統制に苦しむ、心ある先生。軍国少年として育った息子の心‥などなど、名作だけに、歳を重ねてから読むと、本当に読み応えがありました。
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祖母が小豆島出身と知り、手に取りました 戦地へ向かう生徒、経済的事情で“男として生まれたかった”と呟く生徒… 私の祖母やその家族も似たような経験をしたのかな…そう思うと、戦争体験は血筋を伝い、受け継がれている様にも思いました
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
プロレタリア文学の反戦小説だそうだが珍しく難なく読み終わる。 反戦がテーマとは言え田舎へ赴任した女先生を取り巻く一個の物語として完結してるからかな、やたら大局的な見方をすることないところも好印象 週末の同窓会のシーン。写真に写ってるみんなの配置は覚えてるよと失明した教え子が自慢するところ。徐々にずれていくところ。それを伝えない優しさ。泣きそうになった。
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何十年ぶりかに読んでみた。落とし穴に落ちた大石先生のくだりが記憶に残っていたが、全体を流れるのは反戦の悲しい話だった。もうこんな話が理解されない時代になっているのか・・・
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はじめの方の穏やかで素朴な1年生の子どもたちが、章が進むに従って、それぞれの人生を歩んでいく。戦争が子どもや親、村に落とした大きな影を描いていた。
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基本的に教師ものは好きなのだけど、これは読めなかった。基本的に、何も起こらない。何を描写したいのかもよく掴めなかった。多分、個人的な読む視点の問題だと思うのだけど、これは今の自分にマッチしなかった。おそらく、もう少しドラスティックな何かを、変化を、求めている読書の仕方とはかけ離れ...
基本的に教師ものは好きなのだけど、これは読めなかった。基本的に、何も起こらない。何を描写したいのかもよく掴めなかった。多分、個人的な読む視点の問題だと思うのだけど、これは今の自分にマッチしなかった。おそらく、もう少しドラスティックな何かを、変化を、求めている読書の仕方とはかけ離れている作品だから、娯楽という観点で読むにはそぐわないかもしれない。
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小学4年の頃、国語の授業の題材として時間をかけて読んだ本作。当時の記憶として、月賦、治安維持法や海千山千といった初めて目にした難しい言葉の意味や、荒城の月の歌詞もなぜか頭の中に残っていたし、戦争の不条理さも感じ取ったことは憶えている。 それからふたむかしどころではない時間が経ち...
小学4年の頃、国語の授業の題材として時間をかけて読んだ本作。当時の記憶として、月賦、治安維持法や海千山千といった初めて目にした難しい言葉の意味や、荒城の月の歌詞もなぜか頭の中に残っていたし、戦争の不条理さも感じ取ったことは憶えている。 それからふたむかしどころではない時間が経ち、今度小豆島へ旅行に行く計画を立てたことをきっかけに、図書館で文庫版を借りて読み返してみた。 各所で作品紹介を見れば本作の大きなテーマは反戦であると必ず書いてあり、確かに物語の後半は特に、戦時下の庶民の暮らしの悲惨さが強く伝わってくる。しかし、今回読み返すと、丁度今自分に小学生になったばかりの娘がいることもあってか、物語前半でまだ幼い頃の個性豊かな子どもたちと大石先生との交流、そして子どもたちの成長を見守る大石先生の愛情の深さの表現がむしろ強く印象に残った。辛く苦しい時代を乗り越え、年を取っても消えない先生と子供たちの絆は、暗いテーマに反して読み手の気持ちを軽くもしてくれ、それが本作を似たテーマの数多くの他の作品から際立たせているのだろう。 やはり名作と言って間違いない。小豆島では岬の分教場に必ず立ち寄ろうと思った。
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時代は戦前から戦後貧しい頃。主人公である教師が小さな村に赴任してから、40歳を越えてから再び教職に就くまでの話を描いたもの。文体自体はあまり難しくなくすらすら読めるのに、いろんなことに心打たれたり強い気持ちを感じたり、盛りだくさんな印象を受けた。 戦前から戦後間もない貧しい時代で...
時代は戦前から戦後貧しい頃。主人公である教師が小さな村に赴任してから、40歳を越えてから再び教職に就くまでの話を描いたもの。文体自体はあまり難しくなくすらすら読めるのに、いろんなことに心打たれたり強い気持ちを感じたり、盛りだくさんな印象を受けた。 戦前から戦後間もない貧しい時代での出来事を書いているからか、登場人物の生きなければならないという強い気持ちと苦しさと日常の小さな出来事に対する喜びなどがぎゅっと詰まっている。 主人公である先生はよく涙を流す。しかし、話によってその涙の意味は違う。はじめはわかってもらえない周りの大人への悔し涙。家の事情で、学校に通うこともできなくなったりした子供たちに対する先生のかわいそうという同情心を超えたもっと強い思いから出る涙。子供も産み、家族や教え子を失うことへの悲しみや憤り。そして、再び岬へ戻ってきたときのかつての教え子の面影への懐かしさと変化、それでも生きている姿を見た時の涙。個人的に一番心打たれたのは最初の、そういうつもりじゃないのにわかってもらえなかったときの涙(他はただ圧倒された)。いつの時代も、そういうことは頻繁にあるんだな(皆経験してることなのに、どうして自分も他の人にそう当たるのであろうか。不思議だ)。 これを読んでも主人公が特別芯が強いとは思えない(弱いわけでもないが)。村の人に勘違いにより冷たくされれば涙を見せるし、家に帰れば母親に愚痴を言う(しかし唯一の味方になりえる存在の母も、共感してくれずそれどころか反論さえする)。夏休みも明けて今日から授業となると憂鬱になる。戦時中の貧しさは別にして、現代社会で生きる女性は多くがこのような感じではないだろうか。時代背景は違えど、下手な恋愛小説や感動ものの話なんかよりも個人的にはこの話のほうが共感できると感じた。
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昔、読んだことあったような・・・と思っていたけど、多分途中までしか読んでなかったのかな。12人の子どもたち、自転車、洋服のハイカラな先生、というところまでは知っていたんだけど。こんなにつらく悲しい話だったなんて。戦争は、あんな田舎の小さな村まで不幸にしてしまう。先生も、子どもたち...
昔、読んだことあったような・・・と思っていたけど、多分途中までしか読んでなかったのかな。12人の子どもたち、自転車、洋服のハイカラな先生、というところまでは知っていたんだけど。こんなにつらく悲しい話だったなんて。戦争は、あんな田舎の小さな村まで不幸にしてしまう。先生も、子どもたちも、不幸すぎて最後どうやって終わるのか、と思ったけど、解説にもあった「壷井栄の、明るさとえくぼ」で、キラキラ明るく終わった気がする。
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初めて読んだ。昭和初期の海辺の寒村の子供たちと女教員の物語。ほのぼのと描写される、日々の暮らしの中に貧困と戦争が影を落とすが、夢中に次はどうなるんだろう、と読んでいけた。 文体も読みやすく、とても優しい気持ちになれた。
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