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津軽 の商品レビュー

4.1

176件のお客様レビュー

  1. 5つ

    53

  2. 4つ

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  3. 3つ

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戦時中の津軽半島への…

戦時中の津軽半島への旅を題材とした作品。とは言ってもいわゆる旅行記ではなく、郷愁の一口では言い表せないような郷土への想いが、自身の半生を振り返りながら語られている。ラストは泣いてしまった。

文庫OFF

太宰治の故郷津軽につ…

太宰治の故郷津軽について書かれた作品です。津軽で生まれ津軽で育ったのに、数えるほどの町しか知らないことを残念がり、津軽を旅する作者。情景描写の豊富な作品です。

文庫OFF

2024/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

太宰治が故郷・津軽を3週間旅をした話。 今まで読んだ作品の中で、1・2位を争うくらい好き作品。 松尾芭蕉の行脚掟(あんぎゃのおきて)を、独自の解釈で破ってお酒を飲むところ、また 「他の短を挙げて、己が長を顕すことなかれ。 人を誹りておのれに誇るは甚だいやし。」 の掟を破り、「芭蕉だって、他門の俳諧の悪口は、チクチク言ったに違いない。」と、某五十代作家(志賀直哉だと言われている)の悪口を言うシーンは、太宰治の卑屈さとユーモアある性格が現れていて笑った。 また津軽の歴史や寺社仏閣、その土地柄の人たちの性格・風土について知ることができたのも良かった。 津軽へ行く機会があったら、必ずこの本を片手に旅したい。 ラストの、たけと30年ぶりに再会するシーンの描写が好き。スッキリとした爽やかな読後感がある。  

Posted byブクログ

2024/10/13

アラン・ブースの『津軽』に触発されて読んでみた。順番が逆だというのはわかっている。 この順番で読むと太宰には不利だ。アラン・ブースは太宰『津軽』の良いところ(おいしいところ)を引用しているから。 そのうえ、読んでみると太宰は津軽地域について言及した文章をあれこれ引用していて、こ...

アラン・ブースの『津軽』に触発されて読んでみた。順番が逆だというのはわかっている。 この順番で読むと太宰には不利だ。アラン・ブースは太宰『津軽』の良いところ(おいしいところ)を引用しているから。 そのうえ、読んでみると太宰は津軽地域について言及した文章をあれこれ引用していて、これが面白くない。太宰が自分の言動について書いている部分が圧倒的に面白いのに、その面白さを薄めているように感じる。 まあ昭和の物書きには、字数を埋めるためにそういうことをするパターンがよくあるのだけど。 もう一つ。アラン・ブースは太宰『津軽』を読むための適切な補助線を引いてくれているので、補助線なしで読む太宰『津軽』は面白みに欠けるように感じられてしまう。 これは太宰が悪いと思う。 彼の書きっぷりは太宰治がいかなる存在かを前提にしている、言ってみればファン向けの書き方なのでそのコンテクストを共有していない者には要説明なのだ。 解説の亀井勝一郎(文庫版発行が昭和26年なので)は『津軽』を太宰文学のキーになる作品だと評しているのだけど、それも同じことを意味している。それ以前・以後の太宰作品の流れの中に置くことで意味が増す作品と位置づけて、単体での評価を置いてけぼりにしているようなものだから。 というわけで私の評価はイマイチなのだが、面白い部分はちゃんと面白い。まっさらな気持ちで読めばもっと楽しめたと思う。

Posted byブクログ

2024/07/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

津軽史の引用や土地の説明が読みにくい…知人とのやりとりも退屈…と思いながら無理して読み進めていたが、ラストで一気に面白くなった。 田舎の駅舎での場面の切り取りがとても綺麗だった。 たけとの再会もグッときた。 生まれ故郷について、自虐的に語る一方で誇り高く思っていたり、家族や知人との関係を悲観的に語りながらも意外に良好であったり、自身を卑下するのに無遠慮なところがあったり、理解が難しかった。読んでるこちらも不安定な気持ちになる。 太宰の生い立ちには暗いイメージを持っていたけれど、想像とは異なり色々な人からたくさん愛情を受けて育った人なのだと感じた。 「信じるところに現実はあるのであって、現実は決して人を信じさせる事ができない」という言葉が深い。

Posted byブクログ

2024/07/28

 とても良かった。 「太宰治は暗い」というイメージを払拭してくれた。  のびのびとして明るく、くすりと笑えるユーモアに溢れている。北の故郷の風景と温かな人々が、生き生きと描かれている。  これを読んでから青森へ行ったが最高だった。ぜひ試してほしい。津軽鉄道にまた乗りたい。

Posted byブクログ

2024/07/03

太宰が故郷の津軽を訪れた時の紀行文。真摯に書かれていて、彼の本来の生真面目さが前面に出ている。最後、昔世話になった女中に会いに行くところが印象に残った。

Posted byブクログ

2024/05/21

太宰治の「家」を否定する作風とは異なり家や故郷を懐かしがりながら綴った旅行記という印象。 太宰の屑っぷり(鯛のくだりとか)が随所に垣間見えるのも魅力。 そして最後、たけに会いに行くところから急速に物語が加速していきすっきりとした読後感。

Posted byブクログ

2024/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

津軽についての説明分などは面白みがなく所々飛ばしてしまったが、「もはや風景でなかった」「檻の中の猛獣」「人間の目で舐められて軟化し」「点景人物の存在もゆるさない」という言葉が印象的で野生的な草木や大胆で棘のある海を想像して旅の良さを感じた。

Posted byブクログ

2024/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

津軽地域を、路線に沿ってぐるりと巡る筆者の旅を描いた紀行文。田園地帯をのんびり、美味しいものを飲み食いしながら旅したくなる。最後の乳母とのシーンは心に沁み入った。

Posted byブクログ