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津軽 の商品レビュー

4.1

176件のお客様レビュー

  1. 5つ

    53

  2. 4つ

    59

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2023/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本は、太宰治氏が自ら故郷を尋ねるというエッセーなのですが、津軽の歴史を知る意味でも貴重な内容。興味深かったのは、津軽のアイヌは北海道のアイヌとは根本的に異なり、大陸とつながる民族であったようだという記述がP130あたりにありますが、これなどは、民俗学的にも面白い記述なのでは、と思います。気軽に読めて発見のある本です。

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2023/01/22

私は太宰治ファンではないし、走れメロスしか読んだ事ない。 今日は青森旅行2日目、これからストーブ列車に乗って、金木の斜陽館に立ち寄る予定だ。楽しみだ。 この本の最後、乳母のタケに会えてよかった。 太宰治はおぼっちゃまで、酒飲みで、ナイーブな人という印象だが、郷土の方々の温かさが...

私は太宰治ファンではないし、走れメロスしか読んだ事ない。 今日は青森旅行2日目、これからストーブ列車に乗って、金木の斜陽館に立ち寄る予定だ。楽しみだ。 この本の最後、乳母のタケに会えてよかった。 太宰治はおぼっちゃまで、酒飲みで、ナイーブな人という印象だが、郷土の方々の温かさが彼の心の拠り所だったのかなと思った。

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2023/01/06

何かの縁で、青森に来たからには、と手に取ってみた。太宰文学は好きでこれまで多くの作品を読んだが、この作品はまた違った趣だった。 人間失格に代表されるような、自己否定が太宰の真骨頂であり、自身を卑下する中に文学的な面白さがあった。だが、この作品はそういった暗い部分が影を潜め、陽気...

何かの縁で、青森に来たからには、と手に取ってみた。太宰文学は好きでこれまで多くの作品を読んだが、この作品はまた違った趣だった。 人間失格に代表されるような、自己否定が太宰の真骨頂であり、自身を卑下する中に文学的な面白さがあった。だが、この作品はそういった暗い部分が影を潜め、陽気な雰囲気も見てとれた。 自身の故郷である、青森県の金木に帰り、昔の知人を頼りながら、津軽地方を回る。紀行文とも言えるし、自身のルーツを辿る旅とも言える。 青森に詳しいならより楽しめる、今の街の雰囲気と当時の雰囲気を比べてみるのも良い。青森を旅するなら、手元に置いて太宰の道程を辿るのもまた良い。 こういった文章も書くのだな、というのが1番の感想。

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2022/07/14

津軽、太宰治という人物に寄り添うために良い本だと思う。 津軽人の「もてなし精神」や、「無言」の人々の暖かには大変共感できる。 兄家族と出かけ、金木から見る岩木山を「華奢で美しい」と表現したところに祖母の言葉を思い出した。 タケとの再会も喜ばしい。 風土史や古典の引用が多いのも特徴...

津軽、太宰治という人物に寄り添うために良い本だと思う。 津軽人の「もてなし精神」や、「無言」の人々の暖かには大変共感できる。 兄家族と出かけ、金木から見る岩木山を「華奢で美しい」と表現したところに祖母の言葉を思い出した。 タケとの再会も喜ばしい。 風土史や古典の引用が多いのも特徴。

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2022/08/31

生まれ故郷を旧友と飲みながら巡り歩くという楽しい旅日記。 太宰というとどうしても、女性が絡みつつ皮肉なネガティブ思考といった印象が多く持たれるが、この「津軽」を読むと印象が変わるかもしれない。 太宰節もきかせつつユーモアたっぷりなのだ。 しかしながら、旅をしながら自分自身を懐かし...

生まれ故郷を旧友と飲みながら巡り歩くという楽しい旅日記。 太宰というとどうしても、女性が絡みつつ皮肉なネガティブ思考といった印象が多く持たれるが、この「津軽」を読むと印象が変わるかもしれない。 太宰節もきかせつつユーモアたっぷりなのだ。 しかしながら、旅をしながら自分自身を懐かしく回想し、走馬灯のように人生は儚く過ぎてゆく。 読みごたえのあるよい1冊だ。 一緒に、新潮社とんぼの本の「太宰治と旅する津軽」を読むと、一層深みも増すのでお薦め。

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2022/07/05

太宰治の作品の中では比較的明るい筆致で書かれた作品。行く先々でお酒を飲んでいるのにも関わらず、二日酔い程度で1時間も2時間も歩いているシーンもあり、酒が強い印象が深く残った。 ラストシーン、幼少期に関わりのあった女中のたけとの再開のシーンが特に良かった。希望を抱くも諦めかけていた...

太宰治の作品の中では比較的明るい筆致で書かれた作品。行く先々でお酒を飲んでいるのにも関わらず、二日酔い程度で1時間も2時間も歩いているシーンもあり、酒が強い印象が深く残った。 ラストシーン、幼少期に関わりのあった女中のたけとの再開のシーンが特に良かった。希望を抱くも諦めかけていた所で、展開が変わり無事に会えたシーンは感動した。 自分を全てさらけ出して、悪い癖もダサい所も書かれていて改めて人間らしさを感じた、面白い作品だった。

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2022/07/02

金木に行くに当たり旅のお供に持って行き読んだ。すごくよかった。こまごまとした他人にとってはどうでもいいことまで自分の感じたこと思ったことを書いている。私も紀行文めいた日記のようなものを書いたりしているが、私もどうでもいいことなども書いたりしがちなので、同様の文調にすごく親近感を持...

金木に行くに当たり旅のお供に持って行き読んだ。すごくよかった。こまごまとした他人にとってはどうでもいいことまで自分の感じたこと思ったことを書いている。私も紀行文めいた日記のようなものを書いたりしているが、私もどうでもいいことなども書いたりしがちなので、同様の文調にすごく親近感を持ち嬉しく思った。もう100年近く前に書かれたものなのに驚くことにすごく読みやすい。ある意味、沢木耕太郎の『深夜特急』に匹敵するほどの紀行文の名著だと思った。最後の「たけ」との再会のシーンはほんの数ページだが、感動して涙が流れた。

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2022/06/23

「ね、どうして旅に出るの」「苦しいからさ。」の名セリフで始まる本作品は、太宰の故郷への愛に溢れる笑いあり涙ありの何度も読み返したくなる秀作の紀行文だ。しかし、太宰は酒飲み過ぎ。

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2022/06/19

お酒が飲みたいけど、それを言い出せない太宰さん。出してもらうと、めちゃくちゃ喜んでる太宰さんかわいい! 乳母に再会するくだりは泣けてしまいました。

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2022/06/14

太宰文学の中でも明るい小説だと思った。 津軽の歴史から風俗まで緻密に描かれていて、丸で目の前に津軽の風景が広がっているように感じた。 最後の乳母のたけに再会するシーンは太宰が母性を求めているように思われ、それまでの太宰のデカダンの印象とは違い、とても新鮮に思えた。

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