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猫と庄造と二人のおんな の商品レビュー

4.1

137件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2018/01/05

なんだろ隣の家の揉め事を眺めている感じ、ゆるく読めます。猫好きなら、まぁ、仕方ないよねーだって相手猫だし、って思ってしまう。

Posted byブクログ

2017/12/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

庄~造~。 なんで?なんでリリーを手放しちゃったの? 元はといえばアンタがそういう性格だからこうなっちゃたんじゃないのー? と、柄にもないお説教をしたくなるほど、おはなしにのめり込み登場人物達に愛着を抱いた。 谷崎文学ははじめて。 この本は高校生の時にブックオフで100円で手に入れた。 それからウン十年本棚に積んであったが、久世番子さんのコミックエッセイ『よちよち文藝部』を読んで‘日本文学’に興味を持ち家にあったこちらを読むことに。 ‘日本文学’に及び腰のビギナーにも安心の薄さ。 中身は軽妙だけど濃かった。 最初に感心したのは読みやすさ。 もっと読みにくいと思い込んでいたが、長いセンテンスの文章でも苦痛に感じずスラスラ読める。 登場人物達の関西弁も、昔風の言い回しも慣れてしまえば心地よく作品世界に浸れる。 その登場人物達の造形の上手さには舌を巻いた。 特に福子がお腰をそこら辺の隙間にたくさん溜め込んでいる描写。福子という人となりが分かり、ちょっとした嫌悪感が一気に襲ってきて、庄造が最終的に「やっぱりわしにはリリーちゃんしかおまへん。ああリリーちゃんに会いたいなあ」となるのに納得する。 品子さんはしっかりものでキツいようだけど、ちゃんと情があって働き者。 でも庄造はバカにされているのが許せないんだね。 わかるわかる(笑) そして、この作品の女神ことリリーちゃん。 猫好きなら必ず「リリーちゃん、リリーちゃん」になるだろう。彼女の描写が丁寧で、そして堪らなく愛らしい。 登場人物それぞれの‘プライド’のどれに共感するかで性格でそう(笑) そしてやはり一番賢いのは猫だった(* ̄∇ ̄*)

Posted byブクログ

2017/11/28

私も猫溺愛しているので、庄造のリリーにベタ惚れなのがよく分かります。 リリーは雌猫の典型で、うちで飼っていた初代猫を思い出しました。 凛として、賢くて、人懐っこいようでそうでないような。 女より雌猫という描写がちょっぴり変態エロチックな感じがとても良かったです。 リリーちゃんが少...

私も猫溺愛しているので、庄造のリリーにベタ惚れなのがよく分かります。 リリーは雌猫の典型で、うちで飼っていた初代猫を思い出しました。 凛として、賢くて、人懐っこいようでそうでないような。 女より雌猫という描写がちょっぴり変態エロチックな感じがとても良かったです。 リリーちゃんが少し切なかった...。 夏目漱石の「吾輩は猫である」の逆をいって、人間のエゴイズムでムラムラしてる感じでした。

Posted byブクログ

2017/10/14

典型的な三角関係に猫が一匹紛れ込むだけで、どうしてここまで話がややこしくなってしまうのか?猫は嫉妬の対象となり精神安定剤となり、ヒトの欲望を映すスクリーンとなる。猫の代弁者 漱石に、猫視点でこの物語を書きなおしてもらったらどうなるだろうとふと思った 女性が猫を飼うと結婚出来なくな...

典型的な三角関係に猫が一匹紛れ込むだけで、どうしてここまで話がややこしくなってしまうのか?猫は嫉妬の対象となり精神安定剤となり、ヒトの欲望を映すスクリーンとなる。猫の代弁者 漱石に、猫視点でこの物語を書きなおしてもらったらどうなるだろうとふと思った 女性が猫を飼うと結婚出来なくなる理由も何となくわかる気がした。寧ろ男も飼ったら結婚出来なくなりそう。男と女の間で中々成立しない需要と供給の関係が、猫とヒトなら見事に成立してしまう皮肉。生殺与奪の権利を持ちながら、寧ろ持っているからこそ猫に媚びへつらってしまうヒトの哀しさ。

Posted byブクログ

2017/08/16

当方、猫が嫌い(厳密には他人の猫の糞害に苦しめられた結果、大嫌いになったんですが)なので何ですが、結構楽しめました。 ここのところ谷崎を読んでますが、一番好みかな、今のところ。他愛もないと言えばそれまでですが、ドタバタ喜劇的でもありすっと心に入ってきます。

Posted byブクログ

2017/07/08

猫と庄造と二人の女のそれぞれの心情が複雑にそれぞれでおもしろい。谷崎は猫と暮らしていたのか。犬と暮らしたことしかない者には猫の挙動もましてや心情もよくわからないが、さもありなんと思われる。

Posted byブクログ

2017/05/29

谷崎ってこんなに面白かったのか。 猫と人の四角関係。 庄造も女たちもそれぞれが利己的で打算的なので「こいつらどうしようもねぇな」という感じがするが、リリーだけは猫なので責めようがない 義父が自分は猫と会話ができると言っていたことが思い出された。

Posted byブクログ

2017/05/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 想像してみる。  自分の嫌いな食べ物を夫に作ってくれとせがまれ、渋々作ってあげたものの夫はほとんどそれを猫にやってしまう。唯一の夫婦の時間である夕食どきに、夫と猫のいちゃつきを見なければならない。  ・・・最悪である。私だって猫好きだ。猫にかまけることに関してはある程度の寛容さを備えていると自負しているが、庄造のそれは度を超えている。猫を簡単に他所へやってしまえという妻は身勝手であるが、気持ちは理解できる。  したたかに猫を呉れという前妻にも腹が立つ。猫をダシに元夫をおびき寄せようという魂胆がいけない。

Posted byブクログ

2017/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

さらっと読めるものを探していて目についた薄い1冊(笑) 時代小説が得意ではないのでどうかなー?と思ったが 意外と楽しめたのは谷崎潤一郎だからかな 内容もタイトル通り、猫と庄造と二人のおんなの話で 前妻と後妻と猫を溺愛する庄造の話 たったそれだけで1冊を楽しめるはスゴイ 最後は慌てて逃げていく庄造だけど その後どうなったのか・・・ 想像力で楽しめますね

Posted byブクログ

2017/03/02

新旧2人の妻に愛想を尽かされた庄造君。なあに、大好きな猫のリリーさえいればこの世は極楽。 ところが、ところが、なんとも哀れな結末が待っていた。

Posted byブクログ