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生物と無生物のあいだ の商品レビュー

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903件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2022/09/11

中盤までの生化学史や、DNA等の概論は面白いのだが、後半から急に作者の研究が入ってくる。 そして釈然としないまま終了してしまう。 読んだ方がよいのは分かるけど…といったところか。

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2022/08/02

分子生物学を専門とする筆者による、生命という存在についての考察。筆者の研究員時代の日常も引用しながら、現代までに至る生物学の歴史と、脆く、かつ、つよい、生命の在り方を動的平衡という考え方とともに描き出す。 印象に残ったのは遺伝子に欠陥を与える実験の失敗と、少年時代のトカゲの卵の...

分子生物学を専門とする筆者による、生命という存在についての考察。筆者の研究員時代の日常も引用しながら、現代までに至る生物学の歴史と、脆く、かつ、つよい、生命の在り方を動的平衡という考え方とともに描き出す。 印象に残ったのは遺伝子に欠陥を与える実験の失敗と、少年時代のトカゲの卵のはなし。これは命に魅せられた一人の人間の、苦い青春の記録でもある。

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2022/08/01

歴史上有名な科学者の考えや福岡さんの研究者としての日々を描きながら、「生命とは何か」という問いに迫る。 生命とは、常に分解と合成を繰り返す動的なものでありながら、個体として留まっている「動的平衡」状態であるという。常に流れの中にあり、循環する。 分解(破壊)してから合成(創造)...

歴史上有名な科学者の考えや福岡さんの研究者としての日々を描きながら、「生命とは何か」という問いに迫る。 生命とは、常に分解と合成を繰り返す動的なものでありながら、個体として留まっている「動的平衡」状態であるという。常に流れの中にあり、循環する。 分解(破壊)してから合成(創造)する。.流れの中で同じ状態であるためには相補性が重要という動的平衡の生命観は、仏教にも通ずるようなこの生命観はとても納得がいく 難しくてすべては理解できていないけど、終結への流れが綺麗だったなあ。エピローグが特に好き。 「生命という動的な平衡は、決して逆戻りのできない営みであり、同時に、どの瞬間でもすでに完成された仕組みなのである」「私たちは、自然の流れの前にひざまずく以外に、なすすべはない」 動的平衡はいつか失われる。 しかし、その儚さこそ生命に豊かさをもたらしてくれるのだ。

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2022/07/11

生物学における偉大な発見と、そこに関わる人々のストーリーがわかりやすく描かれていて、また福岡さんのロックフェラーやハーバード時代の街の情景やそのときの心情、研究生活のお話も含めて、生物学者の苦労や学問的魅力が伝わってくる本でした。

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2022/06/26

動的平衡と併せてとても面白い。 学生時代は物理に興味を持っていて、生物はどちらかと言えば苦手だったんだけど見方ひとつで面白くもなり、つまらなくもなる良い例をたくさん見せてくれる本だと思う。 全編通して面白かったけど、エピローグが一番心に残った。

Posted byブクログ

2022/06/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自然や生命の精緻さ、不思議さに触れたとき、神の御業という言葉が心に浮かぶ。よくそんな仕組みになったもんだ、と。 ノックアウトマウスを作製した科学者たちを嘲笑うかのような生命のダイナミズム。動的平衡と名付けられたこの仕組みは、化学変化や放射線や熱などの過酷な環境で生き残ってきた生命=生物が持つ柔らかなレジリエント。どこかでも書いたが、「変わらない為に 僕らは変わり続けるよ」だな。 この本自体は、少し風変わりな科学書。分子生物学の科学史であり、二重らせんにまつわるプロジェクトX(古いな)であり、筆者の自叙伝でもある。丁寧で少し文学的な筆致が読み物として飽きさせない良書。 ”本棚”に置いてある『生物はなぜ死ぬのか』『やはり死ぬのは、がんでよかった』『流れといのち』で得た知見を動的平衡という観点から補完してくれた本でした。

Posted byブクログ

2022/05/30

アンサングヒーローのキーワードから手にとった本。うたわれない英雄達に支えられたDNAを巡る発見の連続をドラマチックに書かれています。PCRのしくみや細胞膜の解明はパズルを解くような面白さがある。生命の自己複製システムは上手いことできてるな〜と感動しました。生物はなぜ原子に比べてこ...

アンサングヒーローのキーワードから手にとった本。うたわれない英雄達に支えられたDNAを巡る発見の連続をドラマチックに書かれています。PCRのしくみや細胞膜の解明はパズルを解くような面白さがある。生命の自己複製システムは上手いことできてるな〜と感動しました。生物はなぜ原子に比べてこんなにも大きいのか、動的均衡の考えで世界の見え方が少し変わった気がします。難しい話をこんなにわくわく出来る文章で書ける学者、凄すぎる。

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2022/05/20

読みやすく面白い。所々(特に後半、とてもとてもミクロな世界の話になるので)一生懸命に理解しながら読み進めなければならなかったけど、でも、この人の嚙み砕いた説明のおかげでだいぶ理解できているんだろうなぁと思いながら読んだ。 今の時代(コロナ禍等の混とんとした時代)にマッチしているな...

読みやすく面白い。所々(特に後半、とてもとてもミクロな世界の話になるので)一生懸命に理解しながら読み進めなければならなかったけど、でも、この人の嚙み砕いた説明のおかげでだいぶ理解できているんだろうなぁと思いながら読んだ。 今の時代(コロナ禍等の混とんとした時代)にマッチしているなぁと思って読んでいたけど、実際は10年以上前に話題になっていたとか…知りませんでした…。 研究室の中のエピソードや、ノーベル賞ものの発見の裏話とか、興味深い話も混ぜながら、上手に「読ませる」「惹きつける」文章でもあったなぁと感じた。

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2022/05/18

面白い本だった。賢い人の書いた本は本当に面白い。生き物って何だろうか。常に原子、分子レベルでは体は入れ替わっているという、子供の頃読んだ藤子不二雄のマンガを思い出した。

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2022/05/14

野口英世の業績がまずは語られる。そこから連なる生物科学の研究史を紹介してゆく文章は、およそ科学分野の書物らしからぬ文学寄りの文章で、先人たちの足跡は、やがて著者のテーマである動的平衡へと辿り着く道のり。DNAや細胞の内側などといった極小の世界の話で、私にとっては冒頭の野口のエピソ...

野口英世の業績がまずは語られる。そこから連なる生物科学の研究史を紹介してゆく文章は、およそ科学分野の書物らしからぬ文学寄りの文章で、先人たちの足跡は、やがて著者のテーマである動的平衡へと辿り着く道のり。DNAや細胞の内側などといった極小の世界の話で、私にとっては冒頭の野口のエピソードがとても象徴的なものになってくる。電子顕微鏡を覗いたことのない私には極小の世界をイメージするのが難しい。色々な喩えで説明してくれるのでどうにか頑張ってみるけれども、もどかしい。

Posted byブクログ