私家版・ユダヤ文化論 の商品レビュー
1度読んだだけでは難しいと感じたので またいつか再読したいと思ったが、特に印象に残った点は ・自分が犯したのではない罪についての有責性 ・人間の始原における遅れ ・時間意識が未来から過去にむけて流れている のあたりが 「ユダヤ人は行動する自分をみつめ、思考する自分を見つめる」を...
1度読んだだけでは難しいと感じたので またいつか再読したいと思ったが、特に印象に残った点は ・自分が犯したのではない罪についての有責性 ・人間の始原における遅れ ・時間意識が未来から過去にむけて流れている のあたりが 「ユダヤ人は行動する自分をみつめ、思考する自分を見つめる」を理解するヒントになりそうだ。 レヴィナス、ヘーゲルなどに触れて、すこしづつ解っていければいいなと思った。
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内容的には★5つ以上なんでしょうが、 よく理解できなかった…。本のせいじゃありません。私が無知なせいです。 わたしは何を知りたくてこの本を読んだのだったっけ…? ①何でこんなにユダヤ人は迫害されてきたのだろうか ②そもそもユダヤ人、ユダヤ的って何? ってのが始まりな気がする。 これから書くことは…上記の答えにはなっていない気もしますが、私の中で理解を深めるために内容を…まとめてみたいと思います。 今まで読んだ中で…こーじゃねーかな?っていうユダヤ認識。 「知性」とされるものの多くが、ユダヤ人発のものが多い。それは、知性に結びつける思考体系?がユダヤ教やその歴史的な背景に深く結びついているから、というもの。 あと…ユダヤ人と対になって表れる「反ユダヤ主義」…というものは、自分の存在を浮き彫りにするために「ユダヤ人が必要」であった、っていうような相対的なものだよっていうもの。 (だからってこれは、なんで「反ユダヤ主義」というものがあるか、の説明にはなってないので…そのこと知ってて何になるんだっつう…) まぁほとんどこの本の内容よくわかってないんだけど、最終的に「ユダヤ人が反ユダヤ主義をつくりだした」ということになっていましたー…。あっれー…? anyways、「反ユダヤ主義」はなぜ生まれてきたのかは、ちょっと飛ばしまして…(人を憎む理由なんざたくさんあります。)「反ユダヤ主義」が、なんで「特別の憎しみ」をユダヤ人に向けたかって言うと、『反ユダヤ主義は、ユダヤ人をあまりに激しく欲望していたから。』。 で、それはどういうことかというと…(ここがよくわかんない!)殺人事件の多くが、親しい人間の間で起こるように、愛情や欲望があって、更にそれを亢進させようと望むとき、我々はそれと葛藤するような殺意や敵意を呼び寄せるから。「自分が愛情深い人間だと思っており、かつその愛情の深さを絶えず確認したいと望む人間ほど危険な存在はない。」から。…これって代理ミュンヒハウゼン症候群的なものかしら…? で、その欲望の対象となるユダヤ人。その(ユダヤ人の)知性のあり方の下のなる考え方に、「自分たちが遅れて到来した」という自覚によって、他国民との差別化をした…という考え方がある。(そこがまた良くわかんない!) ユダヤ教における神様は、善行を行った者を助け、怠ったものに天罰を下すような存在じゃなくって、神様が顕現しないという事実こそが、人間一人ひとりが独力で善を行い、神様の支援抜きで世界に正義をもたらしうるような人間を神様が創造したことを証明するように、「神様は『不在』であることによってその『偏在』を証明するという仕方で存在するものであると。だから、受難を受け入れ、すべての責任を一心に引き受けるような人間の全き成熟を求める。そこの到達への努力を当然のこととしているその信念こそが、ユダヤ人の根底に流れるものなのでは、という気がする。 よく理解していないから、重要そうなところを引き出して無理やりまとめることしか出来ません。 ユダヤ人の思考回路となぜそうなったか、っていうのと、反ユダヤ主義という存在に受け継がれていくだろう心理構造について知ることができたのは、自分にとって良かったことかと思う。 なければいけない、ものなのかな。 人は、心理的な葛藤や苦しみから、逃れられない…いや、ちがうな。苦しみあってこそなのだと思うんだけど、 わたしはまだ、ほとんど理解できていないであろうので、加担したものが傷つくことにかんして思いを巡らせてみながら、より深い理解を目指したいと思う。
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ユダヤ人についての知識を得られることに加え、物事の本質への歩み寄り方・洞察の姿勢というものを学べる意味で有益な一冊です。一般的に言ってユダヤ人について見識を深めたい人はそれ程多くないと思うので(笑)社会的考察・洞察の知見を深めたい方にお薦め。
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やっぱり内田先生の本は面白い。この本は特に色々考えさせられる。自分が当たり前にしてきた思考とは違う成り立ちがあり、それがユダヤ人をユダヤ人にしているという考えは、実に興味深い。レヴィナス老師の訳本も読んでみたくなる。
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なかなか専門的で理解が難しい。やはり内田樹ってのは、専門外のことを「素人的視点」から論じている方が面白いですね〜。
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ユダヤ文化論を読んでいるはずが、哲学を読んでいて面白かった。著者が始めに言ってる通り、この本に答えが書いておらず、そのためわかりにくいが、最終章の結語の部分は全部つながってとても印象深かった。 「ユダヤ人とはその地域に住んでいる人のことでも、ユダヤ教を信じている人のことでもない。では何が定義なのか。ユダヤ人とはユダヤ人と呼ばれる人達のことである。」と前半では言っているがもっと読み進めていくと・・・。「非ユダヤ人にはユダヤ人を説明することができない。それは思考の仕方が全く違うからだ。この本は非ユダヤ人ではなく、ユダヤ人にわかりやすいように意識して書いてある。だから非ユダヤ人にはわかりにくいと思う。」そして最後の結語には神様の捉え方でユダヤ人を定義している。それは是非本書で確かめてください。
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まず内田氏は、ユダヤ人とは何である、という問いには答えがない(人種ではない、宗教ではない、云々)ということをまず説き、あの独特の連帯感と勤勉性について独自の見解を示していく。ユダヤ人迫害は、きっと永遠に続くだろう、とも語っている。 難しい、というより、内田氏の考察でいくと、ユダヤ人とは、という問いに答えるにはある常識を壊さなければいけないという複雑さがあるから難しく思うのだろう。 というか結論をよく覚えていない(笑)あるべくものとして、先回りして、ユダヤ人はユダヤ人である、というような感じだったか…。 あと、内田氏は「学生に、少し難易度の高い文を読ませて、知らなかった単語を調べて学んでもらいたい」という意図から、若干言い回しを堅くしている場合がある。まあこの書では「論文として雑誌に載せるものだったから堅めな文体にしている」らしいが。 本書と『日本辺境論』を読んだが、わかりやすく面白いし、筆者の見識の練り込み具合に驚かされる。養老孟司氏と同じような、素晴らしい学者だと思う。橋下徹氏を「ハシズム」と呼んで強く嫌うあの態度は少し頑固すぎるように見えるが、日本辺境論によると、「日本人は外交面において、相手国の話を聞いていないふりをしてうまくごまかすことで様々なリスクをヘッジしてきた。その性質は日本人に深く根付いており、今後もまあ安泰だ」という感じに綴られているので、急進派は嫌いなのかな?と思いつつ…。別の本のレビューを書いてしまった。
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難しい本を読みたいが、すごく難しい本は読みたくない、という人におすすめな本。内容は非常に入り組んでおり、すぐに使いこなせるような知識ではないです。ですが、理解できた、という気にはさせてくれ、ついでに頭が良くなった気になります。ユダヤ人は金持ちで世界を動かしている、という陰謀史観を...
難しい本を読みたいが、すごく難しい本は読みたくない、という人におすすめな本。内容は非常に入り組んでおり、すぐに使いこなせるような知識ではないです。ですが、理解できた、という気にはさせてくれ、ついでに頭が良くなった気になります。ユダヤ人は金持ちで世界を動かしている、という陰謀史観を持っているか、全く知らない、という日本人が、彼らはなんなの?と思ったとき、手始めに読むにはいい本だと思います。 最初に、ユダヤ人はなぜ迫害されるのか?という難問から始まり、その問いを書き換えていくことによって、この不条理さにひとつの結論を導きます。この思考方法の変換、視点の入替、次数の繰上という、著者の知の変換プロセスを感じるだけでも楽しいと思います。
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ユダヤ人ってなんだ。これはまさに喉に刺さった骨でした。 昔「アンネの日記」を読んだ時からわからなくてわからなくて。この「ユダヤ」という概念。 宗教なの?それなら土壇場で「わかった改宗する改宗する!踏み絵でも何でも踏むし命だけは!」って人がいて実際助かってても良さそうなものなのに...
ユダヤ人ってなんだ。これはまさに喉に刺さった骨でした。 昔「アンネの日記」を読んだ時からわからなくてわからなくて。この「ユダヤ」という概念。 宗教なの?それなら土壇場で「わかった改宗する改宗する!踏み絵でも何でも踏むし命だけは!」って人がいて実際助かってても良さそうなものなのにそんなのは聞いたことがない。それに宗教なら子供達まで殺す必要もない(子供なら思想も宗教もわからないし)。 人種なの?でも離散した人種がその血筋を保ってくって現実的に無理じゃないか?しかも人種なら「○○人とユダヤ人のハーフ」とかクォーターとかいう表現があっていいはずなのにそれも聞いたことがない。 民族?言語や文化を共有するっていう?言語は現地語を話しているっていうし文化って…それだけじゃ曖昧だよね…。 なんでこんなに歴史上何度も酷い目にあってるんだろ?それでもユダヤ人やめようとか思わないんだろうか。少なくとも隠そうとか。 ネオナチとかまた出てきてるし。一体何がそんなに憎まれるんだ。 とかいう疑問をその後もユダヤ関連の本を読むたび抱いていたんですが。反ユダヤ主義はまだわかる(ってポリティカリーにコレクトじゃない言い方だけど)。なんか行きすぎちゃった人達なんだろうなぁと。でもユダヤ人は本当にわからない。なんか思考体系そのものが無いんだろうなコレ…。 とか思っていたらこの本を発見。そういえば勝手に師匠と仰いでいる内田先生はユダヤの専門家だったんでした。読めば良かったじゃないか。読めば良かったじゃないかもっと早くに。 そんな自分の疑問に答えてくれるためにあったような本書でしたが、うん、読んだところでスッキリ解決という訳にはいかなかった。とりあえず上記3点のどれでもないようだ。「彼らのためだけにとって置かれた特別の憎しみ」…ああなんとなくわかるかも。他の存在と置換性なさそう。 なんとなく自分が日本人だから特にわからないのかと思っていたけれど、そんなことはなく歴史上世界中がわからないようだ。寧ろそのわかるわからないの枠外にあるようだ。わからんわからん言い続けて考え続けるしかないようだ。簡単にいこうとすると「ユダヤ人陰謀論」とかに飛びついちゃう訳で。 あとフランスは反ユダヤの本拠地だったのね。イメージなかったけど。「サラの鍵」の理解が変わるなー。 大変私としては有難かった本書だけど、内田さんの本の新書や文庫なのに需要のなさそうな感じにはいつも衝撃を受ける。ユダヤ人についてちょっとでも真剣に考えたことのある日本人ってどれ程いるかと。少数派なのは自覚してる。 本人に人気があるからテーマに需要がなくても売れるんだろうけど…本当大丈夫なんですか…。
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久しぶりに読んだ内田先生のご本。 まぁ結局よくわからないまま終わってしまうのであるが、この本を読むことで感じたことはいくつかある。 ユダヤ人にとって神の成り立ちや時間の系列は真逆であること、など。 ただそれをクリアーな言葉で説明することができない。やれやれ。 これまでの考え方、...
久しぶりに読んだ内田先生のご本。 まぁ結局よくわからないまま終わってしまうのであるが、この本を読むことで感じたことはいくつかある。 ユダヤ人にとって神の成り立ちや時間の系列は真逆であること、など。 ただそれをクリアーな言葉で説明することができない。やれやれ。 これまでの考え方、感覚に揺さぶりをかけてくれる知性がいつもながらすごいなぁ、と思った。
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