私家版・ユダヤ文化論 の商品レビュー
ユダヤ人とは、についての著者らしい独自の考察。 他社からの要請をもってしか存在が担保できないという考察は非常に面白い。またユダヤ人と対峙する事はすなはち自分の立ち位置を明らかにする作業だというのも同じく。 本の内容に関わらず、著者の思考パターンや物の見方に触れる手段としてもよい本...
ユダヤ人とは、についての著者らしい独自の考察。 他社からの要請をもってしか存在が担保できないという考察は非常に面白い。またユダヤ人と対峙する事はすなはち自分の立ち位置を明らかにする作業だというのも同じく。 本の内容に関わらず、著者の思考パターンや物の見方に触れる手段としてもよい本。はっとさせられる事の連続。ユダヤ文化論と銘打たれているが、それ以上の内容が文脈に含まれている。
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内田樹さんは、とても面白い。彼の面白さは、ベースとなるロジックの独自性とそのロジックのぶれない部分だと思う。その部分は、レビナスさんというユダヤ人の恩師に教わったそうです。それで、この本なんだけど、単純にホロコーストの部分に対する情報量があるのと、論の立て方がスリリングで、題材の...
内田樹さんは、とても面白い。彼の面白さは、ベースとなるロジックの独自性とそのロジックのぶれない部分だと思う。その部分は、レビナスさんというユダヤ人の恩師に教わったそうです。それで、この本なんだけど、単純にホロコーストの部分に対する情報量があるのと、論の立て方がスリリングで、題材の深みもあって読み進めるのはとても楽しかった。人に語りたくなる本。しかし、本質のところでは、まあそう思っているんだからしかたないけど小説における夢オチってやつだよね。
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内田樹さんの著作の中で、もっとも知的で「男っぽい」のが本書。「男っぽい」度で言えば、処女作の「ためらいの倫理学」が2番目。鷲田清一さんとの共著「大人のいない国」もなかなか雄々しい。 ブログ本で売れ始めてから、滑らかな(ちょっとエスタブリッシュメントを茶化すような身振りの)文体で...
内田樹さんの著作の中で、もっとも知的で「男っぽい」のが本書。「男っぽい」度で言えば、処女作の「ためらいの倫理学」が2番目。鷲田清一さんとの共著「大人のいない国」もなかなか雄々しい。 ブログ本で売れ始めてから、滑らかな(ちょっとエスタブリッシュメントを茶化すような身振りの)文体で「軽めの」本を書かれる事が多くなったが、これは研究者・学者としての内田先生を十分に堪能できます。
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かなり難しい話だと思う。 一読しただけでは、とてもじゃないが、全体像がつかみきれない。 断片的に理解し(た気になり)、感じたこともあるので、それを箇条書きにして記そうと思う。 ・世に反ユダヤ主義なるものが存在するということ ・モレス侯爵の話は世界史的素養があった方がもっと楽しめ...
かなり難しい話だと思う。 一読しただけでは、とてもじゃないが、全体像がつかみきれない。 断片的に理解し(た気になり)、感じたこともあるので、それを箇条書きにして記そうと思う。 ・世に反ユダヤ主義なるものが存在するということ ・モレス侯爵の話は世界史的素養があった方がもっと楽しめたと思う。それがない自分が悲しい ・「ユダヤ人」なるものの存在について、サルトルとレヴィナスの解釈の違いを出発点として始めた研究の成果、ということですか ・終章のインパクトがすごい。それまでの内容が頭から抜け出てしまうほどに ・終章の冒頭は(P160~161)他の分野でも役に立ちそうな思考に関する話だと思う 最後に最も印象に残った文章でも。終章より、非ユダヤ人とユダヤ人の思考の隔絶について(でいいのか?)。 「この隔絶は『すでに存在するもの』の上に『これから存在するもの』を時系列に沿って積み重ねてゆこうとする思考と、『これから存在させねばならぬもの』を基礎づけるために『いまだ存在したことのないもの」を時間的に遡行して想像的な起点に措定しようとする思考の間に穿たれている。」 とにかく終章は示唆に富んだ話が多くて本当に面白い。 (2006年07月28日)
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なぜユダヤ人には、ノーベル賞受賞者や有名な哲学者が多いのか? なぜ大富豪が多いのか?なぜアメリカにおいて権力を握っているといわれるのか? そしてなぜ繰り返し迫害され続けるのか? 僕が漠然と感じていた疑問について、著者の内田氏が丁寧に答えている。 とはいえ内田氏は、複雑なことを不...
なぜユダヤ人には、ノーベル賞受賞者や有名な哲学者が多いのか? なぜ大富豪が多いのか?なぜアメリカにおいて権力を握っているといわれるのか? そしてなぜ繰り返し迫害され続けるのか? 僕が漠然と感じていた疑問について、著者の内田氏が丁寧に答えている。 とはいえ内田氏は、複雑なことを不用意に簡単に伝えることを嫌がる人のようなので、 本ユダヤ論も決してわかりやすいものではない。 ただ、内田氏の丹念で、慎重で、かつ大胆な論調を読んでいると、 「このような伝え方以外はなかったのではないか?」と思わせる説得力がある。 「何度も何度も読み返すことで、自分の中に少しずつ浸透させていきたい」 そう思わせてくれる素晴らしい本であった。
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文句無くお奨めであるが、必須というわけではない。 この本から私が得たものは虚妄に対する耐性というか、虚妄に対する警戒心であった。 とかく人間は現実に存在する良くわからないものを全ての災厄の犯人にしがちである。 特に対象とされるのがユダヤ人である。 著者はユダヤの迫...
文句無くお奨めであるが、必須というわけではない。 この本から私が得たものは虚妄に対する耐性というか、虚妄に対する警戒心であった。 とかく人間は現実に存在する良くわからないものを全ての災厄の犯人にしがちである。 特に対象とされるのがユダヤ人である。 著者はユダヤの迫害の歴史を審らかに挙げ、その悉くの虚妄性を看破している。 そういった虚妄への耐性無くして、複雑な現代社会を分析することは出来まい。 そういった考えを持ちたい人には奨められる。
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ある程度まで面白い。迫害の歴史を「ユダヤ人を激しく欲望していたからだ」とのこと。それは本当だろう。だけど最後の章はもっと吟味が欲しい。かつユダヤ人論はもっと深くまで行けるはずだ。
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ユダヤ人問題を論理的に考察。反ユダヤ主義者によってユダヤ人が生み出されたところまではわかったが、最後の章がややこしい。
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読み助2009年11月8日(日)を参照のこと。 http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2009/11/
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内田樹は、なんたってヾ(~O~;) コレ 著者URL↓ http://blog.tatsuru.com/
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