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決定版 日本のいちばん長い日 の商品レビュー

4.3

187件のお客様レビュー

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2024/11/15

またすごい本と出会った。何年も前から読もうと思っていた本である。著者の執念に近い使命感を感じる。 タイトルの通り本書は、日本が第2次世界大戦でポツダム宣言を受け入れ、天皇陛下による1945年8月15日正午の玉音放送までの24時間を1時間ごとにどこで何が起こっていたかを克明に追った...

またすごい本と出会った。何年も前から読もうと思っていた本である。著者の執念に近い使命感を感じる。 タイトルの通り本書は、日本が第2次世界大戦でポツダム宣言を受け入れ、天皇陛下による1945年8月15日正午の玉音放送までの24時間を1時間ごとにどこで何が起こっていたかを克明に追ったノンフィクションである。ものすごい迫力である。最後の1日にこんな激しい戦いとドラマがあったことは全く知らなかった。そして、こんなに多くの人々がかかわっていたことも。大臣、官僚、主に陸軍の軍人たち、放送局員、宮内庁の侍従たち、そして昭和天皇がどの場面でどういう決断を下したか。玉音放送の準備の裏話なども興味深かった。当時の人々の体力には圧倒された。 国民の被害を思い苦しむ昭和天皇は、敗戦を受け入れることに迷いはなかった。関係者は2度も天皇の判断を仰いで、それに基づき準備を進めるが、敗戦を受け入れられない将校たちもいた。最後まで反逆のクーデターを企てていた若者たちがいたのだ。 この本の元の取材は1960年代に関係者に対して行われたようだが、著者の取材力とリサーチ力には舌を巻く。写真や記録がよく残っていた。 本書の構成上、写真が掲載されている章と、その人のことが書かれている箇所がずれていて、それがやや残念だった。また、軍人の階級になじみがないので、上下関係がわからず、一覧があればもっとよかった。 読み応えがあり、読後感がずっしりと重い。国家としてこういう経験を経て現在の日本があるのが感慨深い。昭和天皇の印象もかなり変わった。何も美化されておらず、淡々と厳格な時系列で描かれている。日本人なら読んで損はない一冊である。

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2024/10/18

終戦を迎える日を様々な資料をもとに、様々な角度から記録された書。恥ずかしながら、知らないことが多かった。 当時の人々が考え、行動した記録は貴重。 映画も見てみたい。

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2024/09/18

決定版は特に調査も十分にされていて、起きた事実を表現されている。毎年8月に読み直しをしたい一冊。この日に向けて動かれた方々に感謝の念を抱きつつ、戦争を知らない人も含めて日本人全員に読んで欲しい本。難しい表現もあるけど、中学生以上の課題図書にしてもらいたい。

Posted byブクログ

2024/09/14

第二次世界大戦時の日本なんてものは、ただ陸軍が暴走して無茶な戦争に突っ走っていって、原爆で諦めたという印象しか抱かなかったものですが、こうやって、視点をミクロにしていくと、それぞれがそれぞれの想いを持って行動した結果として、戦争と終戦があるんだなと実感します。 仮にこの時代に自分...

第二次世界大戦時の日本なんてものは、ただ陸軍が暴走して無茶な戦争に突っ走っていって、原爆で諦めたという印象しか抱かなかったものですが、こうやって、視点をミクロにしていくと、それぞれがそれぞれの想いを持って行動した結果として、戦争と終戦があるんだなと実感します。 仮にこの時代に自分がいたとして、勝ち目なんて絶対ないからさっさと辞めようなんて、言えないだろうと思います。 ただ、この時代と現代で違うことは、このような書籍や、教育を通じて戦争に対する反省が残っていることでしょう。同じ過ちを繰り返さないためにも、勉強と政治参加が大切だと思いました。 というか、結局それしかできることが思いつきませんでしたね。

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2024/09/08

八月十五日、玉音放送により日本の敗戦が知らされ長い戦争が終わった。 このことは小学校の授業から今まで知っていたことでしたがこの玉音放送に至るまでどのような動きがあったのかは全く知りませんでした。なかなか難しく読み進めるのが大変な時もありました。しかし戦争終結を受け入れ行動する人、...

八月十五日、玉音放送により日本の敗戦が知らされ長い戦争が終わった。 このことは小学校の授業から今まで知っていたことでしたがこの玉音放送に至るまでどのような動きがあったのかは全く知りませんでした。なかなか難しく読み進めるのが大変な時もありました。しかし戦争終結を受け入れ行動する人、敗戦を受け入れられずに抵抗するこの両者の言動が詳細に書かれており両者の気持ちが強く伝わる本だと思います。

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2024/09/17

五・一五事件や二・二六事件に比べて影が薄く、中高の授業でもあまり触れられた記憶のない八・一五事件(宮城事件)。 この事件を、証言ベースで時系列順に組み立て、読みやすい読み物にした労作である。 以前、星野之宜さんのコミック版を読んでいたので、登場人物のイメージがつきやすかった。 岡...

五・一五事件や二・二六事件に比べて影が薄く、中高の授業でもあまり触れられた記憶のない八・一五事件(宮城事件)。 この事件を、証言ベースで時系列順に組み立て、読みやすい読み物にした労作である。 以前、星野之宜さんのコミック版を読んでいたので、登場人物のイメージがつきやすかった。 岡本喜八監督の映画版も、DVDが地元の図書館に収蔵されているようなので、近いうちに観てみようと思う。 この事件を知った時、統帥権が天皇に帰属する体制の下で、事件の首謀者たちが天皇の「御聖断」に抗して叛乱を起こせたのはなぜか、という疑問を持ったのだが、それを端的に説明したのが、本書の「かれらにあっては、その天皇の一人にすぎぬ裕仁天皇より、国体が優先するのである。」という一節である。 これには、天皇を神の子孫と位置付ける宗教的な国家体制の末路という感慨を抱かざるをえないが、八・一五事件のような叛乱を生む土壌のあった陸軍も、軍事組織として「終わっている」状態であったといえよう。 玉音放送の内容は、文字に起こしたものを読んでもやや難解で、実際、玉音放送を聞いた多くの国民は、その意味を十全に理解できたわけではなかっただろう。 それでも、神様のように思っていた天皇から「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」という言葉が出てきたら、落涙は免れないであろうことは、容易に想像ができる。

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2024/08/31

終戦の日に何が起きたのか、知らなかったのでとても興味深く読んだ。天皇の玉音放送に至るドラマなども非常に興味深い。そして阿南陸相の人となりを正直よく知らなかったが、彼の覚悟が終戦の混乱を防いだと言ったら言い過ぎか。

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2024/08/31

あの頃の主義思想について今の安寧の地から語ることはできないが、人命の軽さには驚かされる。 たった1日、されど1日。日本の存続が危ぶまれ、明日、いや数秒先でさえも保証されない中で、日本という国がどう歩んでいくべきなのか、本気になって日本人が自国について想い考えた日だったのだろう。 ...

あの頃の主義思想について今の安寧の地から語ることはできないが、人命の軽さには驚かされる。 たった1日、されど1日。日本の存続が危ぶまれ、明日、いや数秒先でさえも保証されない中で、日本という国がどう歩んでいくべきなのか、本気になって日本人が自国について想い考えた日だったのだろう。 あれから80年が経とうとしている今、もう一度国民が本気で日本の現状と向き合い考えてみてはどうだろうか、そう思えた一冊。

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2024/08/20

ファンタジーとかミステリー小説が好きって言ったら会社のおじさんがこの本の他に自己啓発系、伝記、絵本を貸してくれた。嫌がらせかと思った。一応全部読んでおくけどやっぱりあんまり気が進まず。 しかし本に罪はない。

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2024/08/19

79年前の夏に思いを馳せつつ。映画は1967年の岡本喜八版、2015年の原田眞人版とも観賞済みも原作は未読だったので。内容について今更語るべきことはないが、半藤さんがライターとして一本立ちする際に名義を大宅壮一から戻して再刊行したという経緯は、恥ずかしながら初めて知った。エピロー...

79年前の夏に思いを馳せつつ。映画は1967年の岡本喜八版、2015年の原田眞人版とも観賞済みも原作は未読だったので。内容について今更語るべきことはないが、半藤さんがライターとして一本立ちする際に名義を大宅壮一から戻して再刊行したという経緯は、恥ずかしながら初めて知った。エピローグと、あとがきで取材対象者として名が列挙される、登場人物(関係者)の〝その後〟がとても感慨深い。

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