決定版 日本のいちばん長い日 の商品レビュー
終戦と言えば玉音放送、堪え難きを堪え、忍び難しを忍び、という有名な文句と、それを聞いて項垂れる国民の映像が思い出される。 これを読んで、改めて自分の不勉強を思い知らされた。軍事と政治のせめぎ合い、若い軍人達の暴走、帝国陸軍の最後など、様々な見所があるが、一番は昭和天皇の大御心で...
終戦と言えば玉音放送、堪え難きを堪え、忍び難しを忍び、という有名な文句と、それを聞いて項垂れる国民の映像が思い出される。 これを読んで、改めて自分の不勉強を思い知らされた。軍事と政治のせめぎ合い、若い軍人達の暴走、帝国陸軍の最後など、様々な見所があるが、一番は昭和天皇の大御心であったなと。戦争に突き進んで、もはや取り返しがつかない状況で、ポツダム宣言の受諾、"敗戦"を決意することが、どれほど堪え難く忍び難いことだったろう。 読んでるだけでも1日で起きた事とは思えないくらい、この日が今の平和に繋がっているんだと思わずにはいられない。 必ず再読する一冊となった。
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重厚なノンフィクション。 玉音放送に纏わる、ポツダム宣言に纏わる、終戦に纏わる、関係者のせめぎ合い。 陸軍相、阿南惟幾の生き様、若い将校達の純粋な思いと暴走。 涙とともに。
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2度映画化された名作。 昭和20年8月15日。ポツダム宣言を受諾してすんなり無条件降伏をしたと思っていた。何故ならそういう風な報道しか観たことがなかったから。 まさかクーデターが起き、少し間違えば歴史が大転換するような大事件が起きたとは知らなかった。何故歴史の授業でやらないのか不...
2度映画化された名作。 昭和20年8月15日。ポツダム宣言を受諾してすんなり無条件降伏をしたと思っていた。何故ならそういう風な報道しか観たことがなかったから。 まさかクーデターが起き、少し間違えば歴史が大転換するような大事件が起きたとは知らなかった。何故歴史の授業でやらないのか不思議だが、これは明らかに5.15事件、2.26事件に並ぶ陸軍のクーデター未遂事件だ。 神州日本を信じ、直前まで徹底抗戦をしていた軍の青年将校の気持ちは分からないではないが、そういう教育を受けていない現代人にはその心情を完全に理解するのは不可能だろう。 そういう意味では教育というのは国家の根幹だと痛切に感じる作品だ。
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玉音放送までの24時間を書いたノンフィクション。 無条件降伏を不服とする陸軍の青年将校が、「最期まで戦い抜くべき」とクーデターを起こす。「戦争が終わる」こととは、「負けを認める」こと。満州事変から13年。勝利を信じて戦ってきた事が無になる虚しさ。先に死んでいった軍人や、空襲や貧困...
玉音放送までの24時間を書いたノンフィクション。 無条件降伏を不服とする陸軍の青年将校が、「最期まで戦い抜くべき」とクーデターを起こす。「戦争が終わる」こととは、「負けを認める」こと。満州事変から13年。勝利を信じて戦ってきた事が無になる虚しさ。先に死んでいった軍人や、空襲や貧困に苦しんだ民間人が報われないではないか、と思う気持ち。敗戦国となり国が乗っ取られてしまう事への恐怖。 勝ち筋が見えないにも関わらず諦められないことを、愚かだ、と思うのは簡単だけれど、それは戦後の世界しか知らない側からの勝手な意見なんだなと思った。到底想像できない当時の人の感覚がほんの少し分かった気がする。 栄誉の死とか、責任を取るために大臣が切腹とか…所々に武士精神が残っていることが印象的だった。
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再読、3度目? あの8月15日にクーデター未遂があった。 原爆落とされてもなおって、、、って今なら思うけど。当時は教育もそうじゃなかったから 一途で真面目な若者が、悲しくて命がけで思い込んだときに途中で方向転換することの難しさを思うと、教育は大事で恐ろしいな。 今の危ない世界情...
再読、3度目? あの8月15日にクーデター未遂があった。 原爆落とされてもなおって、、、って今なら思うけど。当時は教育もそうじゃなかったから 一途で真面目な若者が、悲しくて命がけで思い込んだときに途中で方向転換することの難しさを思うと、教育は大事で恐ろしいな。 今の危ない世界情勢の中で読むとまた恐ろしい。 対外的にはもちろん、内部でもこれだけ終わるのは大変だから、とにかく戦争を始めないように外交努力することが肝要なんだろうな。 しかし早くいまの戦争やめて欲しい。
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近年、国際情勢が緊張を増している。 日本政府は平和を追求しようとせず、中国、台湾の緊張を煽り、軍備を増強することでさらに周辺国を刺激する。 子どもの時は、日本は失敗した経験があるからもう戦争なんて馬鹿なことはしない、とある種安心していたが、今や戦争を経験した世代がほとんど鬼籍に入...
近年、国際情勢が緊張を増している。 日本政府は平和を追求しようとせず、中国、台湾の緊張を煽り、軍備を増強することでさらに周辺国を刺激する。 子どもの時は、日本は失敗した経験があるからもう戦争なんて馬鹿なことはしない、とある種安心していたが、今や戦争を経験した世代がほとんど鬼籍に入り、戦争を知らない指導者たちがまた戦争を起こしそうで恐ろしい。 そのような状況を思い、1945年8月14日から15日の24時間を、綿密な取材と証言から再現したこの本を読みたくなった。 終戦の日として知られる8月15日を迎えるにあたって、陸軍の一部が反乱を起こしたことなど、初めて知った出来事がたくさんあり、 ただの単語としてではなく終戦記念日が血肉を持った人の営みだと言うことが改めて感じられた。
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太平洋戦争の終戦の日。 その終戦を告げる天皇の玉音が放送されるまで、たった一日の出来事とは思えないほど、宮城で、陸海軍で、基地で、どんな人々が、どんな行動をとったのか。 そこに至る思いが、乱れて、終息していく。 その時に終戦を受け入れて走り回った人々が、その後日も含めて死へ向かっ...
太平洋戦争の終戦の日。 その終戦を告げる天皇の玉音が放送されるまで、たった一日の出来事とは思えないほど、宮城で、陸海軍で、基地で、どんな人々が、どんな行動をとったのか。 そこに至る思いが、乱れて、終息していく。 その時に終戦を受け入れて走り回った人々が、その後日も含めて死へ向かった人々が、玉音を聞いた人々が、「今」を作ったはずなんだがなあ…、と思う。
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2015年に映画にもなった、一冊。 1945年8月14正午から、8月15日正午までの間に起こった、玉音放送をめぐる事件を取材したノンフィクション。
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8月15日の終戦に至る24時間を、資料や証言に取材した様々なできごとを、時間軸に沿って描いたノンフィクション小説。人物の内心にまで踏み込んだ臨場感に溢れる個々のシーンはもちろん作者の想像したものではあるが、史実からは明確になっていないがおそらくこうだったと考えたという脚注もしっか...
8月15日の終戦に至る24時間を、資料や証言に取材した様々なできごとを、時間軸に沿って描いたノンフィクション小説。人物の内心にまで踏み込んだ臨場感に溢れる個々のシーンはもちろん作者の想像したものではあるが、史実からは明確になっていないがおそらくこうだったと考えたという脚注もしっかりと示されていて信頼できる歴史小説になっている。それにしても、一触即発の24時間。ほんの小さな偶然がつみ重なって今の日本になっているのだと思わされた。
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◆昭和20年8月15日、暑い夏の1日だった。◆ 昭和20年夏。広島、長崎への原爆投下、ソ連軍の侵攻等により、昭和天皇はいよいよ聖断を下して無条件降伏を受け入れます。しかし、一部の軍関係者は抵抗し、天皇に終戦の撤回を迫ります。玉音放送のテープをめぐる攻防も初めて知り、戦争を終わらせ...
◆昭和20年8月15日、暑い夏の1日だった。◆ 昭和20年夏。広島、長崎への原爆投下、ソ連軍の侵攻等により、昭和天皇はいよいよ聖断を下して無条件降伏を受け入れます。しかし、一部の軍関係者は抵抗し、天皇に終戦の撤回を迫ります。玉音放送のテープをめぐる攻防も初めて知り、戦争を終わらせることがいかに大変か分かりました。終戦の1日を綿密に描き、未来永劫、語り継がれなくてはならないノンフィクションの1冊だと思いました。
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