悪童日記 の商品レビュー
「面白いよ」という評判をちらちら聞いたので読んでみました。女中を殺すあたりのくだりが好み。双子好きにはたまらんでしょうね。
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舞台はハンガリーとされている。 ドイツ軍の侵攻、貧困、犯罪、死、性行為、子どもの視点による出来事を日記のように書いている。 いや、子どもとは言ってはいけないかもしれない。並外れた、変わった人間である。 年は若いのに、聖書を読んだり、他言語を覚えたり、大人を打ち負かすくら...
舞台はハンガリーとされている。 ドイツ軍の侵攻、貧困、犯罪、死、性行為、子どもの視点による出来事を日記のように書いている。 いや、子どもとは言ってはいけないかもしれない。並外れた、変わった人間である。 年は若いのに、聖書を読んだり、他言語を覚えたり、大人を打ち負かすくらい弁舌達者だ。 彼らは鍛錬を重ねる。なぜお互いを叩き合うのか。なぜお互いに罵声を浴びせあうのか。なぜお互いの体を傷つけあうのか。 それは、そうされる人の気持ちをしるため。たとえそのような仕打ちを受けても、感じないくらい麻痺させたいため。 双子である兄弟どうしで鍛錬することによって、人間的に情緒的に成長していくものの、しかし、次第に悪童になるのは隠すことができない。 不安定な世の中だが、悪童になりすますことによって、時代を切り抜けていく。 一文が短文で鮮やか。2,3時間もあればすーっと一冊読める。この続きである作品「ふたりの証拠」をよまずにはいられなくなるだろう。
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高校のときに読んだな。 3部作を読まないと完結しないけど、一作一作が全然違う構成で不思議。 舞台になっている国の情勢に疎いから、知っていればもっと面白かったかな。
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ぜんぜんどうしようもないかんじなのになぜか読み終わった後さわやか。 なんか魔女と呼ばれる変な老女と住む人権の無い双子の話。
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ずっと前に流行ったから読んだもの。おばあちゃんちに預けられた双子が、残酷に独自の美学で育っていく話で、最後がやっぱりなって感じだったはず・・
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胸に残る衝撃。込められたアイロニー。 淡々と語られている行間に潜む人間の精神的グロさ。 単なる戦争批判の本ではなく。 単なる大人の愚かさだけもなく。 そして単なる精神論でもなく。 一回では「読み切れない」な、と。 一つの話に幾層もの「読み」があるので、奥が深いというか。 何度...
胸に残る衝撃。込められたアイロニー。 淡々と語られている行間に潜む人間の精神的グロさ。 単なる戦争批判の本ではなく。 単なる大人の愚かさだけもなく。 そして単なる精神論でもなく。 一回では「読み切れない」な、と。 一つの話に幾層もの「読み」があるので、奥が深いというか。 何度も読みたいと思わせる作品。
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読ませる書き手。主人公は双子の男の子。内容を一言で表すなら『生々しい』だろうか。自分にとって限りなくフィクションに近い舞台にも関わらずリアルさを感じる。日本じゃおめにかかれない本。
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あなたが「あなた」である理由はなんだろうか? 幼く美しい双子の「ぼくら」が、身の回りで起こったことを淡々と記していく物語。 鮮烈なまでに醜く、残酷な世の中が、透明な(これは「純真な」と同義語ではない)かれらの目を通して、余分な感情を除いた事実のとおり語られていく様は、この...
あなたが「あなた」である理由はなんだろうか? 幼く美しい双子の「ぼくら」が、身の回りで起こったことを淡々と記していく物語。 鮮烈なまでに醜く、残酷な世の中が、透明な(これは「純真な」と同義語ではない)かれらの目を通して、余分な感情を除いた事実のとおり語られていく様は、この作品の特異性を雄弁に示している。 しかしこの作品の真髄は、この一冊だけでなく、続編の「ふたりの証拠」と「第三の嘘」まで、すべて読み通したときに初めて得られるのだ。 最後の一文にすべては託されていて(後に作者のクリストフは続編を書くつもりはなかったと自ら言っているものの)、そこから紐解かれていく、なぞめいた続編、続々編は、読むものの「自分」という枠組みへの疑問を誘わずにはおかない。 そう、すべての「日記」、すべての「証拠」、そしてすべての「ぼくら」は、所詮「嘘」に過ぎないのである。 「君に存在価値はあるか そしてその根拠とはなんだ」(生活/syrup16g)
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まさに、奇跡の書だと思う。著者は、母国語で、この本を書いたのではない。いわゆる第二外国語で出版されている。その言語。そして、善悪の彼岸を飛び越える想像力。意志。絶賛に値する書だと思う。この悪童日記三部作を読んでいる最中、私は寝食を忘れた。
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10年ぐらい前に話題となった本。ダビンチの創刊号でモッくんが自慢げに持っていたような記憶が、、、関係ないですね。これ三部作なのですが、この一作目が、はじけています。無駄なモノを排除した淡々と無機質な日記形式の文章がサラサラと流れていきます。訳もキマッており読みやすい。設定や狙いど...
10年ぐらい前に話題となった本。ダビンチの創刊号でモッくんが自慢げに持っていたような記憶が、、、関係ないですね。これ三部作なのですが、この一作目が、はじけています。無駄なモノを排除した淡々と無機質な日記形式の文章がサラサラと流れていきます。訳もキマッており読みやすい。設定や狙いどころが安直。10年ひとむかし。
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