1,800円以上の注文で送料無料

悪童日記 の商品レビュー

4.3

116件のお客様レビュー

  1. 5つ

    56

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2009/10/04

双子が出てくるよっていわれて、図書館に借りに飛んでいった。タイトルからして、興味をそそられるのですが、中身も思い描いていた通り。双子の異質感というか特異性みたいなものと、彼らを取り巻く時代背景、生活環境、そのすべてが悲壮的なデフォルメも無くそのまま書き綴ってある。物凄く現実思考で...

双子が出てくるよっていわれて、図書館に借りに飛んでいった。タイトルからして、興味をそそられるのですが、中身も思い描いていた通り。双子の異質感というか特異性みたいなものと、彼らを取り巻く時代背景、生活環境、そのすべてが悲壮的なデフォルメも無くそのまま書き綴ってある。物凄く現実思考で、血も涙もないです。

Posted byブクログ

2009/10/04

戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃん のもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間 の醜さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらは それを克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはした たかに生き抜い...

戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃん のもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間 の醜さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらは それを克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはした たかに生き抜いていく。人間の真実をえぐる圧倒的筆力で読書界に感動 の嵐を巻き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝撃の処女作

Posted byブクログ

2012/02/19

Le Grand Cahier(大版帳面)〜(ドイツ)軍が進駐している(ブタペスト)町を逃れて祖母の住む農村に僕たち双子は疎開したが,近所の人は祖母を魔女と呼び,父は従軍記者としていないし,祖母は母を雌犬と呼ぶ。祖母は吝嗇で隣家の母子が困窮していても施しをしようとはしないし,僕た...

Le Grand Cahier(大版帳面)〜(ドイツ)軍が進駐している(ブタペスト)町を逃れて祖母の住む農村に僕たち双子は疎開したが,近所の人は祖母を魔女と呼び,父は従軍記者としていないし,祖母は母を雌犬と呼ぶ。祖母は吝嗇で隣家の母子が困窮していても施しをしようとはしないし,僕たちにも労働を求める。国境に近いから地雷を踏んだ兵士から武器を奪うし,隣家の女子を弄ぶ司祭を脅迫して金銭を得る。大判の帳面と鉛筆を手に入れ,双子だけの勉強会を行い,日記を作る。家にはドイツの将校が住まい,従卒も付いていて,ドイツ語も覚えたが,戦局が悪化しユダヤ人狩りが始まり,裕福な家庭から一人の女性も預かる。ドイツの負けが決定的になると,母が迎えに来るがドイツ将校とその間に出来た妹を連れてくるが,砲弾に直撃されて死亡してしまう。やがて解放(ソ連)軍が残虐の限りを尽くす。聾者と盲人を演じて,学校などへは行かない。祖母は脳溢血で倒れるが,次に発作を起こしたr毒殺するように双子に命じる。父が帰ってきたが,国境を越えて国外へ逃れるという。協力を装いながら,地雷を踏んだ父の死体を乗り越えて,一人は国外へ一人は祖母の家に住むことにする。〜うん,凄い小説だ。冷静に生き残る術を身につけていく双子。ハンガリーに生まれ,ドイツ・ソ連と支配者が替わりながら悲惨な暮らしを強いられる住民達。ジェノサイドにも冷徹な眼を向ける。困っている人には救いの手を伸ばすが,個人ができる限界を知っている。絶望に打ち拉がれている人の依頼があれば殺人も辞さない。大国の利害に揺さぶられる人々の暮らしは尋常ではない。宗教さえ救いにならない。いやはや,大した物語だ。

Posted byブクログ

2009/10/04

高校の図書室で見つけた。 目立たない本棚にひっそりと収まっていた姿とタイトルに引かれて読んでみた。 凄かった。 タイトルからは想像しなかった内容。語り口。 凄かったよ。 圧巻?って言うの?文章に押し倒される感じ。 淡々と行動だけを書き、感情表現は一切無い。主人公の双子も、隣の...

高校の図書室で見つけた。 目立たない本棚にひっそりと収まっていた姿とタイトルに引かれて読んでみた。 凄かった。 タイトルからは想像しなかった内容。語り口。 凄かったよ。 圧巻?って言うの?文章に押し倒される感じ。 淡々と行動だけを書き、感情表現は一切無い。主人公の双子も、隣の女の子も、おばあさんも、双子の面倒を見た少女も、兵隊も、どの登場人物も刺激的すぎ。怖いくらいに。眩暈を覚えそうになったよ。 実は今の今まで読んだ事を忘れてた。でも、絶対もう一度読み直したい作品だと強く思った。 きっと今読めば、もう一度読めばとらえ方感じ方も違うだろうから。じっくり読み込みたい・・・ 悲しく辛くなるけど、読んでよかった。ホント良かった!!!

Posted byブクログ

2009/10/04

なんとなくずっと気になっているのだけれども、実際に本屋で手にとると「ま、今日はいいか」と思って買わずに、読まないままになってしまう巡り合わせの悪い本ってよくある。ここ数年「悪童日記」はずっと気になりつつも、そういう本のひとつだったのだけれど、ついに、期が熟したのか、「買って読むぞ...

なんとなくずっと気になっているのだけれども、実際に本屋で手にとると「ま、今日はいいか」と思って買わずに、読まないままになってしまう巡り合わせの悪い本ってよくある。ここ数年「悪童日記」はずっと気になりつつも、そういう本のひとつだったのだけれど、ついに、期が熟したのか、「買って読むぞ」ということになりました。 期待を裏切らない本でした。ものすごく痛いんだけど、独特のユーモアがあり、飽きずに一気に読んでしまった。主語の人称は「ぼくら」なんだけど、「ぼくら」はずっとシンクロしている。それが最後の最後。一瞬にしてふたりがふたつの道に分かれるというラストシーンはものすごく衝撃的かつ印象的。「おばあちゃんの林檎」のくだりも忘れがたい。 ただ、「悪童日記」という邦題は、「読んでみよう」という気にさせるタイトルだけれど、全部を読み終わってみると、ちょっとイメージが違う。「ぼくら」は悪童なのだろうか。(2000 Feb)

Posted byブクログ

2009/10/04

圧巻だ。。感情表現を一切排した表現方法で抽出される、戦時下の歪んだ世界と "ぼくら" の洞察力、行動力に衝撃を受ける。

Posted byブクログ

2009/10/04

双子の天才少年が見た非情の現実。 飛び切り残酷な現在の童話。 二作目『ふたりの証拠』 感情移入の全くない短いセンテンスで語られる恐ろしい話。 『第三の嘘』 双子の主人公の暴力的な暗黒世界。 果てしない悲しみを言葉すく何か足る。彼女がわれわれの精神の暖炉にもたらすのは、氷の蒔だ...

双子の天才少年が見た非情の現実。 飛び切り残酷な現在の童話。 二作目『ふたりの証拠』 感情移入の全くない短いセンテンスで語られる恐ろしい話。 『第三の嘘』 双子の主人公の暴力的な暗黒世界。 果てしない悲しみを言葉すく何か足る。彼女がわれわれの精神の暖炉にもたらすのは、氷の蒔だ。 …書評より抜粋。

Posted byブクログ

2009/10/04

不思議な感覚の小説でした。 出てくる人物の名前は一切わかりません。そして双子の行動、ときにやさしかったり、ときに残酷、でも嫌いになれない双子。

Posted byブクログ

2009/10/04

このアコダ・クリストフの書き方に影響を受けた一人です。 淡々と飾らない書き方に純粋さとリアリズムを綴り、読者を海の底に引きずりこむんですよ。 純真さゆえに残酷な双子が成長する物語。

Posted byブクログ

2009/10/04

仮想の戦争体験。結果として引回された場所は確保された安全圏内だったというような。しかし小説読みの喜びは満喫された。

Posted byブクログ