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悪童日記 の商品レビュー

4.3

124件のお客様レビュー

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    61

  2. 4つ

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2026/04/04

久しぶりに、ページをめくる手が止まらない感覚になりました。やさしいテーマなんかではなく、第二次世界大戦中の東欧という生きづらい時代を描いた小説のはずなのに、主人公「ぼくら」の日々の営みから目が離せませんでした。 構成は、「ぼくら」の日記形式で全六十二章から成っていて、どの章も長...

久しぶりに、ページをめくる手が止まらない感覚になりました。やさしいテーマなんかではなく、第二次世界大戦中の東欧という生きづらい時代を描いた小説のはずなのに、主人公「ぼくら」の日々の営みから目が離せませんでした。 構成は、「ぼくら」の日記形式で全六十二章から成っていて、どの章も長くて四ページほどしかありません。文体も、「作文の内容は真実でなければならない」という決め事のもとで書かれているため、とても簡潔です。感情表現や、受け手によって意味が変わる漠然とした表現を使わず、あるがままを語っているのがこの作品の魅力です。 訳者あとがきで堀茂樹さんが、「戯曲のト書きにも似ている」と解説していました。ト書きは、誰が、どこで、どう動くかを淡々と説明するもので、嘘がありません。 そして、書かれていないからと言って感情がない訳ではなくて。「ぼくら」の行動からはちゃんと伝わってきます。「おばあちゃんの林檎」の終わりで「ぼくら」がおばあちゃんに向けていた眼差しが、胸に焼きついて離れません。 作者のアゴタ・クリストフは、まるでト書きのような飾り気のない言葉で一つひとつのエピソードを書きながら、それ以上何の説明もいらない人間の深みを描いてしまったのだと感じました。 本棚に残しておきたい作品です。

Posted byブクログ

2026/02/20

高校生のころ、ラジオ番組から『悪童日記』の朗読 が流れてきて、その後 高校の図書館で書籍を見つけ 没頭するようにして読みました。高校生だった私は、歴史を何にも知らなかったので、この作品を『物語』として読みました。 再読すると、当時と同じようにのめり込んでしまうのですが、今は、アゴ...

高校生のころ、ラジオ番組から『悪童日記』の朗読 が流れてきて、その後 高校の図書館で書籍を見つけ 没頭するようにして読みました。高校生だった私は、歴史を何にも知らなかったので、この作品を『物語』として読みました。 再読すると、当時と同じようにのめり込んでしまうのですが、今は、アゴタ・クリストフさんの『文盲』を読んだこともあり、歴史的背景を当時よりは知っていることもあるのでしょう、物語から受ける衝撃も違ったものになりました。 自分が子を育てる親となったこともあるのでしょう。 戦争により、アイデンティティを狂わせなくては生きていかれない子供たちについて、考えます。

Posted byブクログ

2026/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

かなり以前に読んだのだが、友人とこの本のことが話題になり再読。 多少は世界史の知識が付いた分、より理解ができた。 特定は避けられているが、舞台は第二次世界大戦中のオーストリア=ハンガリー帝国。 都会から疎開のために祖母の家で暮らすことになった双子が、生き延びるために痛みや感情までも、克服というか棄ててしまう。 彼らは恐ろしいほど残忍に見えるが、彼ら双子の周りの大人たちも残忍だ。 感情表現を一切排した、淡々とした描写がより戦争や人生の不条理さを浮かび上がらせる。 初回読んだ時と同様に、彼らの隣家に住む「兎っ子」と呼ばれる少女が痛々しい。同性だからだろうか。本当は目も見えるし、耳も聞こえるのに、見えない聞こえない振戻をした母親と暮らす彼女は、誰からも構われず疎まれ、犬との性行為くらいしか慰みがない。最後はソ連兵を自ら招き入れ、死ぬまで強姦される。それも喜んで。 初回は、衝撃的過ぎて続編を読まなかったが、今回は三部作読もうと思う。

Posted byブクログ

2025/12/26

もし戦争を経験することになったら、私は生き抜くためにどこまで今の自分が持つ倫理観や恐れを捨てられるのだろうか。信仰がない私は死後の世界を想像できないので、息子や娘にとにかく生き抜いて欲しいと願うけれど、この双子のような賢さを身につけて欲しいと思うだろうか。 「戦争を始めるのはいつ...

もし戦争を経験することになったら、私は生き抜くためにどこまで今の自分が持つ倫理観や恐れを捨てられるのだろうか。信仰がない私は死後の世界を想像できないので、息子や娘にとにかく生き抜いて欲しいと願うけれど、この双子のような賢さを身につけて欲しいと思うだろうか。 「戦争を始めるのはいつだって男」っていう描写があって、前に読んだ「青ひげ」にも全く同じことが書かれていた。女が強姦される流れも当たり前のこととして記されていた。男たちよ、マジでやめてくれと言いたくなったが、女にも軍国主義的な考えを持つ人がいるから、男だけに限定できるわけではないけれど。 とにかく権力や暴力が人を支配してしまうと、人はどこまででも残虐になれる。そうするしか生きる道がないからとも考えられる。それで得られるものってなんだよ。 戦争だけはやめてくれ。

Posted byブクログ

2025/09/01

だいぶ前に読んだ。 色んな小説を読んだ今となっては、思いや感想など全然変わるかもしれないが、当時の私にとっては、 最高の1番の一冊になった。 衝撃的で、スラスラ読めて読み終わるまで寝れないほど。 3部作の中ではこの悪童日記が1番最高だった。

Posted byブクログ

2025/08/21

ぼくらが見えてこなくて理解が難しい。 ぼくらは何を思って最後にそうなったのか、続きが気になる。 ただ、模写はあまり好きじゃないので、全部読み終えてこの作品が面白いと言えるかはまた別だと思う。 なお、感情を排して評価すると、非常に厳しい批評が多くなることはAIが証明している。 感情...

ぼくらが見えてこなくて理解が難しい。 ぼくらは何を思って最後にそうなったのか、続きが気になる。 ただ、模写はあまり好きじゃないので、全部読み終えてこの作品が面白いと言えるかはまた別だと思う。 なお、感情を排して評価すると、非常に厳しい批評が多くなることはAIが証明している。 感情を排したこの作品に、感情をもって評価をつけるのは、これもまた少しおかしな話なようにも思うが、感情を排して評価したとき、この作品は評価される作品なのかもまた疑問だ。(とはいえ、わざわざ感情を排して読書する練習を私はしない)

Posted byブクログ

2025/05/07

タイトルからしてどんな悪ガキの話しかと思ったが、戦時の中 時に残酷で他のガキどもより早く大人へと成長せざる得ないガキが魔女と呼ばれる婆さんの下、懸命に生き抜く姿を捉えるが、我が身が子奴らと同様に同じ世代でこの小説を手にしていたなら、どのように感じただろうか?

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2024/04/16

第二次世界大戦時下のナチスドイツ影響下のハンガリー田舎町が舞台。 タイトル通り、10歳前後の双子の悪童━もうホントに悪童!盗み恐喝、殺人まで!なんでもアリの2人━が自分たちの正義・ルールの中でしたたかに生き抜くお話。悪いのは戦争。この子たちは何も悪くないんだと思う。 悪童たちが...

第二次世界大戦時下のナチスドイツ影響下のハンガリー田舎町が舞台。 タイトル通り、10歳前後の双子の悪童━もうホントに悪童!盗み恐喝、殺人まで!なんでもアリの2人━が自分たちの正義・ルールの中でしたたかに生き抜くお話。悪いのは戦争。この子たちは何も悪くないんだと思う。 悪童たちが書く日記形式であり、また全ての感情表現を削って、事実のみを淡々と書いてるので、東欧の難しい世情をこちらも滅入ることなく読み進められる。 おばあちゃんもお母さんもお父さんも死んでしまった(殺してしまった)。双子の2人はこれからどう生き抜いていくのだろう。続編を読むのが待ち遠しい。

Posted byブクログ

2022/12/22

積読崩しの一環として。タイトルは知っていたが、こんな話だったとは……。今年の終り間近にとんでもない本に出会ってしまったかもしれない。最後に別の道を選んだふたりの続きが早く読みたい。(『二人の噓』も『第三の証拠』も幸いにして手元にあるのだ……)

Posted byブクログ

2023/01/18

淡々と非日常な、日々が続きます。 簡潔に日々を綴っていますが、起こる出来事は濃いです。 とても楽しく読めました。

Posted byブクログ