ナラタージュ の商品レビュー

島本理生(著者)

2014/12/16

あーなんかすごい本やった。
読み始めた時は、学生？先生と生徒？
なんやそれ安くさい恋愛小説手にとってしもた
と思ったけど
どんどん引き込まれた。
ずっと苦しくて工藤さんに幸せになってほしくて。
葉山先生はすごくずるいと思うけど、
工藤さんだってなかなかずるいと思う。
でも、このなんか超越した感じとか
実はすごく共感できるところもあったから。
葉山先生は、思いっきり裏切ってくれたから
工藤さんもはっきりとけじめがつけられたんやと思う。
でも工藤さんが感情を顕にして怒鳴った
（私の中では怒鳴ったイメージ）ところとか
どうしようもない気持ちになった。

あと、最後のカメラマンの話。
その瞬間に、まるで自分のことのように、
写真を半分に破って
ふわりと写真が風に吹かれて
川の方に消えていく情景が思い出されて、
ああ、こうきたか･･･と。

なんかもうたまらん本でした。

それでも少しでも共有しているみたいな気持ちになっていることは馬鹿みたいなんじゃなくて馬鹿やねん。
わかっとるわ。って感じやな。
クソ。

2014/10/29

恋愛小説で人生一度きりの恋！みたいな伏線の割には
話の後半まで主人公の内面描写が雑な話。
秘密の恋、初恋っていう痛々しさが感じられないし、
ここの場面って必要なの？？ってところが多すぎる。
余計なこと詰め込みすぎた感じで、初恋、不倫、いじめ、デートＤＶ、
父との確執？暴行事件、自殺と話題に出す割にいいかげんで、何なんだこの話は？？
主人公は不倫相手に都合よく捨てられたのにその思い出を美化してて
悲劇のヒロインタイプ…共感はできません。

2014/10/10

途中読むのを止めたりを繰り返したけど、
結局後半を一気に読み終えたときには
どうしようもなく、この本を好きになってた。

うまくいかない恋とか、
やりきれない想いとか、
胸の内で「わーわーわーーー！」
って言いながらページを繰った。
好き。

2014/09/17

二十歳くらいの時に当時付き合っていた彼女から薦められて読んだ。
その時の記憶は雨と雑木林。
それから10年くらい経って部屋の掃除をしていたらこの本がそのまま残っていて久しぶりに読み返してみた。

やはり昔の記憶とおり印象は雨。雨。
表紙も色も物語の中でも雨がかなり物語の雰囲気を作っていたし決して爽やかだけでない少しじっとりした陰をこの雨がうまく演出していると思う。
そして物語もとてもよかった。恋愛のヒリヒリする感情がすごく伝わってるし、自分にとって大学生という舞台は一番恋愛に対して共感することができた。
こんなに丁寧に小説を読んだのはとても久しぶりで、今読み終わった後の虚無感みたいなものを感じているがこの気持ちは自分にぴったりの本でしか味わえないものなのでとても満足。
自分と同い年の女性の作家さんが大学生の時に書いた小説だということを読み終わって知って、それも大学生のリアリティを持たせている理由なのだと納得できた。

恋愛小説でも爽やかで綺麗なものよりもこのくらい陰を感じられる小説の方が自分は多いに共感できると感じた。

2014/10/18

恋愛小説はあまり好きではない。

頭で理解していても心は止められないんだ。

壊してくださいっていうのはよくわかる。

ただ、この本は両想いだけど先生がずるかったってだけ。

要らない部分も若干多いけど、芥川賞候補になった感じの文章力です。

2014/08/07

生徒が先生に恋をする、そこまでは割とありきたりな話。高校の頃の葉山先生への思いを引きずりながらも高校から大学に進学し、大学生らしい恋愛をしていく主人公泉は、結局葉山先生を選んでしまい…。人間関係の描写がリアルで、現実味を帯びた悲しさを与える作品。終わり方が好きです。

2014/05/15

切ない。
辛い。
苦しい。

今まで読んだ小説の中で、
切なさレベルは確実に第１位。
そしてきれい。

服装の描写が細かくて好き。

2014/05/11

回想であり感傷。
心の襞を丁寧に追った描写で読ませる。
文章は洒落ているが、時折おかしなところがある。
主人公は結局は誰とも向き合わずに終わったんじゃないだろうか。
唯一小野君とのことだけは真実味があったが、これも後味悪い。

2014/05/07

うーん。文章があんまり上手じゃないな、という印象が強すぎて、ストーリーになかなか入り込めなかった。悲しい話。

2014/04/14

初めて読んで数年たってもすごく印象的な本で、年に一度は読み返してしまいます。
恋愛小説ですが、生きていくうえで、知っていると心が軽くなるようなセリフが所々に出てきます。