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ナラタージュ の商品レビュー

3.8

612件のお客様レビュー

  1. 5つ

    196

  2. 4つ

    175

  3. 3つ

    149

  4. 2つ

    46

  5. 1つ

    16

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2013/01/21

始終ほのぐらくて閉塞感がある。 私の大好物です。 だから島本理生が好きなのです、私は。 この本は私個人的な見解として、あられもない祈りのための準備段階のように感じます。 ヤンデレの彼氏がいて、どうしても好きで好きでたまらない手の届かない年上の「あなた」がいる。この構図はまんまあ...

始終ほのぐらくて閉塞感がある。 私の大好物です。 だから島本理生が好きなのです、私は。 この本は私個人的な見解として、あられもない祈りのための準備段階のように感じます。 ヤンデレの彼氏がいて、どうしても好きで好きでたまらない手の届かない年上の「あなた」がいる。この構図はまんまあられもない祈りです。 ただ、あられもない祈りが激しい熱量をもってこちらに訴えかけてくるので読み手が海に飲まれてウボァーとなるのに対して、こちらはしとしとと降り続く雨の中ずっとたたずんでいるような、むしろ熱というよりはじわじわと体温を、さらわれてしまうような…そういう本だなと感じました。 正直なところ中盤まで読むのがかったるいですね。 長い。別に文章が下手じゃないから放り出すほどではないんですけど、なにもかもが描写されている感じがして、テンポが悪いというか、長い。 ながーくじわじわと状況説明をされている感じ。 中盤で葉山先生がキレたあたりではっとして、それからまたじわじわ…。 説明が多い分、親切なつくりにはなっていると思います。 ぶっちゃけ、話は面白くないですね。 なにもかも予想通りにことが進みますしね。 でも私は好きです。

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2012/09/12

ナラタージュ。 その意味は『映画などで、主人公が回想の形で、過去の出来事を物語ること』。 まさに作品そのものが、<私>が過去を語る形で進むナラタージュ、そしてそれだけではなくて泉が葉山先生をいつも思い出してしまう…という物語の中での現在進行形のナラタージュ。二つが意味されているよ...

ナラタージュ。 その意味は『映画などで、主人公が回想の形で、過去の出来事を物語ること』。 まさに作品そのものが、<私>が過去を語る形で進むナラタージュ、そしてそれだけではなくて泉が葉山先生をいつも思い出してしまう…という物語の中での現在進行形のナラタージュ。二つが意味されているように思えた。 一生涯、泉は葉山先生を忘れることは出来ないのだろう。 そしていつでも回想するのだ。 ナラタージュはずっと続いていく。 それは映画だけに限られたことではないのだから。

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2012/09/10

大好き!!冒頭の詩的な部分から終末のカフェのシーンの描写から透明感に満ち溢れていて、大好き。島本理生を知ると同時に、憧れるきっかけとなった作品。高校時代の切なく淡い恋を、とても繊細なタッチで描く。

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2012/09/10

読んだ事があった気がしたけど、実は初読みでした。 主人公・泉と、泉の高校時代の先生・葉山の、「本当の愛」というような物語。 個人的には、こういう先生のような男の人は、正直ムカつくし(笑)絶対自分では、たとえ最初に好意を持ったとしても、こんな風に好きにならないとおもうけど、こんな風...

読んだ事があった気がしたけど、実は初読みでした。 主人公・泉と、泉の高校時代の先生・葉山の、「本当の愛」というような物語。 個人的には、こういう先生のような男の人は、正直ムカつくし(笑)絶対自分では、たとえ最初に好意を持ったとしても、こんな風に好きにならないとおもうけど、こんな風に、ここまで狂おしくなるような恋愛ができるって、ある意味ではうらやましい気もした。 柚子ちゃんの手紙のところで、めちゃくちゃ泣いた。なんて苦しくて切ないのだろう。主人公よりも彼女に幸せが訪れて欲しいと切に思った。

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2012/08/29

心の描写が素晴らしかった。 著者が「ずっと心に残る恋なら、過去ですら終わったことではないのだと感じてもらえたらうれしいです。」と書いてたことが、深い言葉だと思いました。 主人公の女性の心境の変化が、切なくリアルに伝わってくる描写に感動しました。

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2012/08/20

心も、体も、魂までも焼き尽くすほどの恋。 吐息さえ熱くなるほどの、焦げるような熱情。 一生をかけても、忘れることなんてできない。 そんな恋が果たして幸せかと聞かれると、よくわからない。 でも、胸をぎゅっと掴まれて、痛くて痛くてたまらないのに目を逸らせなかった。

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2012/08/18

初めて読んだ作家さん。 これも大分前に読んだから内容わすれてしまったけど、 おもしろかったのを覚えてる。

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2012/08/05

この作家の本は初めて読みました。 一冊の中に様々な問題が含まれているというのになぜか読了後はもう一度読みたい、そしてどこかほっこりとした印象。 私の中では問題よりも泉と葉山先生の関係の終着点がとても好きな内容で、それを目当てに進めていたような感じ。

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2012/08/02

前半の穏やかな流れが好き。 作者の表現の細やかさ、言葉選びのセンスのよさも相俟って、瑞々しく、身を置くのが心地よい空間が広がる。作中を貫く、唯一の苦しみを除いては。 後半は穏やかさが急になくなって、重く、苦しくなる。読み手である私から物語の世界がすっと離れていく気がした。でも...

前半の穏やかな流れが好き。 作者の表現の細やかさ、言葉選びのセンスのよさも相俟って、瑞々しく、身を置くのが心地よい空間が広がる。作中を貫く、唯一の苦しみを除いては。 後半は穏やかさが急になくなって、重く、苦しくなる。読み手である私から物語の世界がすっと離れていく気がした。でも、泉、葉山先生の行く末を見届けたいという気持ちも同居する。 この苦しさ、なんだろう。と読後にぼんやり考えていると、ふたりの苦しみを疑似体験していたように思えてきた。 もう交わってはいけないし、交われない。でも、振りきることもできない。ずっと、平行線上を生きていくのだろう。泉と葉山先生は、側を走る二本の平行線。ただただ、苦しくて切ない。

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2012/07/29

恋愛小説のテーマとしてはどこかありきたりな感じがして、自分の日常からしたらあまりに非現実的で、感情移入して大泣き・・・なんてことにはなれなかった。 それでも気づくと真剣に入り込んでしまったのは、好きな人を思う登場人物たちの感情が、ものすごくリアルに丁寧に描かれていたからだと思...

恋愛小説のテーマとしてはどこかありきたりな感じがして、自分の日常からしたらあまりに非現実的で、感情移入して大泣き・・・なんてことにはなれなかった。 それでも気づくと真剣に入り込んでしまったのは、好きな人を思う登場人物たちの感情が、ものすごくリアルに丁寧に描かれていたからだと思う。

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