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半島を出よ(下) の商品レビュー

4.2

124件のお客様レビュー

  1. 5つ

    52

  2. 4つ

    36

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

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2011/02/24

息をつかせぬ展開で、臨場感を持たせる文章はさすがだった。思わぬコリョの弱点やイシハラ軍団の心の機微など、上巻にはなかった登場人物らの人間らしさが垣間見ることができたので、感情移入できてグイグイ読まされた。 おもしろかった。

Posted byブクログ

2011/02/11

読みました下巻 ちゃんと終わりましたね すっきりしてるので 映画化しても2時間ぐらいで 収まるんじゃあないかしらん 24の様にマルチスクリーンな感じでいくとよさそ

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2011/07/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

経済破綻した日本にて北朝鮮軍が福岡を占拠。九州を封鎖するだけで、何も手を打てない日本政府を尻目に密かに立ち上がる社会からはみだして生きてきた少年たち。彼らは正義感などから立ち上がったわけではない。ただ自分の存在を確かめるために北朝鮮軍に挑んだ。「楽しいというのは仲間と大騒ぎしたり冗談を言い合ったりすることなどはないらしい。大切だと思える人と、ただ時間を過ごすことなのだそうだ。」という文章が印象に残る。 膨大な資料・取材によって、この作品はリアルを保っている。そうでなければ、ここまでの読後感を味わえなかっただろう。

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2010/12/31

北朝鮮軍に福岡を制圧され、さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。 「北朝鮮か中国が日本を攻撃したら自動的に米軍が反撃してくれるのだろうと何となくそう思い込んでいた。日本の代わりに米軍が戦ってくれるような錯覚があった。考えてみれば、そんなお人好しの国があるわけがない。」 ...

北朝鮮軍に福岡を制圧され、さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。 「北朝鮮か中国が日本を攻撃したら自動的に米軍が反撃してくれるのだろうと何となくそう思い込んでいた。日本の代わりに米軍が戦ってくれるような錯覚があった。考えてみれば、そんなお人好しの国があるわけがない。」 北朝鮮の後続部隊12万人が博多港に接近するなか、何もできにない日本政府。その一方で、世間一般でいう「普通」に生きられなかった少年達が決死の抵抗を開始。この少年たちそれぞれが爆薬、毒虫、ブーメラン、配管などのスペシャリストで北朝鮮軍を倒そうと画策する。 小説の中やけど平和ボケした日本人の姿をめっちゃリアルに感じる。主人公はいないが一人一人の登場人物の描写がリアルで、北朝鮮軍の登場人物も含めてそれぞれの人物の過去、考え方がおもしろい。日本人だけでなく北朝鮮軍も語り手になる。小説の中で頼りない日本政府、無能なメディアへの皮肉も書かれている。 あとがきによると取材はオフレコを条件に軍事作戦などのことを聞いたり、脱北者にも取材をしたらしい。小説に感じたリアリティーはこれか。参考文献の数もハンパなかった。本当にこんなこと、起こりえるんじゃないかと思えるような小説だった。

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2011/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上を読んでいた時、何を龍は書きたいんだろうと思っていた。春樹は、人間描写を丁寧に書くけど。 下を読んでわかった。コインロッカー・ベイビーズと同じように、「破壊」なんだ。 人間には、誰にでも「破壊」欲求があって、それを物語を通じて描いているだけなんだ。 春樹は、本当に私たちが経験しそうな感情を、本当にいそうな人間を通して(創り上げて)、私たちに伝えてくる。 龍は、それとは対照的に、ふだんあまり表面には登ってこない、大事な破壊欲求を、ほとんど現実世界に起きないであろう「物語」を通して、語ってくる。 龍は、だから人間の心情よりも、フィクションの世界をことこまかに描写することに長けていると思う。 それを考えると、何故数年前まで春樹<龍だったのかが、よくわからない。 =あたしは、今人間に興味がある。 追: >龍は、だから人間の心情よりも、フィクションの世界をことこまかに描写することに長けていると思う。 と書いたけど、この本は膨大な資料・インタビューを基につくられているから、ディテールが事細かく描かれているのは自然なこと。 日本政府の無能さは、現実そのままだと思う。 他の方がレビューに書いていたけど、震災後「ひとつになろう」「つながろう」というスローガンが街を埋め尽くすようになった。人々の心を安心させる目的のこのスローガンの裏には、一体何があるんだろう。何か(責任)から目をそらすためなのじゃないか。  追2: そう遠くない未来を設定したのはなぜだろう。 →起こりそうでないことであれば(非現実)、2100年などと設定してもいい。たぶん、こんなに近い未来を設定したのは、それだけ起きそうな確立が高い+臨場感を出すためだろう。前者は現実的な部分で、後者は、小説的部分で。

Posted byブクログ

2010/12/01

村上龍はじめて読んでみたのですが、丁度この本を読んでる途中で北朝鮮による韓国砲撃が起こったという事があって何かまともに読めなかったというか、もうちょっと非現実的なエンターテイメントとして接したい作品だった。

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2010/11/24

北朝鮮の精鋭部隊がひそかに日本に渡り、九州は福岡ドームから占拠が始まり…。 経済的に喘ぐ破産寸前の日本。ホームレスが町にあふれ、職も金もない。それだけでも現実的で嫌な始まりです。 北朝鮮との攻防はもちろん起きず、九州での治外法権を認めてしまった日本政府。ほとんど九州を切り離された...

北朝鮮の精鋭部隊がひそかに日本に渡り、九州は福岡ドームから占拠が始まり…。 経済的に喘ぐ破産寸前の日本。ホームレスが町にあふれ、職も金もない。それだけでも現実的で嫌な始まりです。 北朝鮮との攻防はもちろん起きず、九州での治外法権を認めてしまった日本政府。ほとんど九州を切り離された状態で話は進んでいきます。 最終的に12万の兵士が到着するということになり、日本および九州は緊張状態に。 政府のバカさ加減は置いておき、その北朝鮮兵士たちにテロを目論む集団も出てきます。 最後のほうはどきどきしながら読みましたが、端役の市役所勤務の女性があの騒動の中どうなってしまったのか考えたとき、ため息が出ました。

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2010/11/03

現代社会に対しての問題定義というか、訴え的なものは確かにあったけど、自分にはあまり響くものが感じられなかった。 楽しみにしていただけに、落胆も最後に破壊されたビルの衝撃のように大きかったなぁ~ 読み切るのに凄く時間と体力と費やした上下巻2冊だった・・・ 「なべちゃんのエンジョイ...

現代社会に対しての問題定義というか、訴え的なものは確かにあったけど、自分にはあまり響くものが感じられなかった。 楽しみにしていただけに、落胆も最後に破壊されたビルの衝撃のように大きかったなぁ~ 読み切るのに凄く時間と体力と費やした上下巻2冊だった・・・ 「なべちゃんのエンジョイ田舎暮らし」 http://enjoyslowlife.blog.eonet.jp/

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2010/10/17

圧巻。だった。 2011年4月。 財政破綻、円暴落、失業率の上昇、アメリカの露骨な日本無視と再武装論に対する喝采。 国力の低下に見舞われた日本は不穏な空気に包まれ、政情は不安定、社会はすさんでいた。 そんな折、北朝鮮の反乱軍と称する特殊武装軍団が開幕戦最中の福岡ドームを突如...

圧巻。だった。 2011年4月。 財政破綻、円暴落、失業率の上昇、アメリカの露骨な日本無視と再武装論に対する喝采。 国力の低下に見舞われた日本は不穏な空気に包まれ、政情は不安定、社会はすさんでいた。 そんな折、北朝鮮の反乱軍と称する特殊武装軍団が開幕戦最中の福岡ドームを突如占拠する。彼ら「高麗遠征軍」は、後続の12万人の反乱軍と福岡市民の共生社会を要求する。 人質を盾に取られた日本政府は、東京や各都市に対するテロ攻撃を過度に警戒し、福岡閉鎖を決定する。対応は後手後手に回り、侵入者にどう対処するか、基本方針すら決まらないまま、時間ばかりが経っていく。 そんな時、誰も知らないところで、誰にも頼らず、誰にも指揮されず立ちあがったのは、普段、社会の日の目を見ることなき若者たちであった… 高麗遠征軍が突き付けたものは「暴力」。それはわれわれがいつの間にか忘れてしまっていて、想像することすら放棄している代物だ。 「あきらめというのは巨大な力に従うことを受け入れることで、巨大な力への抵抗を放棄することだ。力は暴力を内包し、暴力に支えられている。  長く平和に親しみ暴力に慣れていない人間は、非人間的な暴力を行使するのもいやだし、非人間的な暴力を行使されるのも嫌がる。」(本文より) この圧倒的な不条理にどう向き合うのか? 突然のことにわれわれは思考停止に陥るしかない。思考することを避け続けてきたのだから。 では、暴力に立ち向かう、とは・・・? 作中にはグロテスクな描写も含まれていて、気持ち悪くなる部分も多いけど、現実を凌駕する構想と、それでいて本当に起こってしまいそうな精巧な展開に引きつけられる。 特に下巻の戦いは、読書していて久々に「息をのむ」ものだった。 思想統制化に生きる北朝鮮の人間模様の描き方も、際立っている。 とにかく強烈な作品。

Posted byブクログ

2010/10/10

上巻に続き、緊迫した空気を描く コリョに見つかる? そんな不安を抱え、彼らはビル倒壊を目標に作業 そして、衝撃のラスト 廃藩置県のごとく、 廃県置藩に戻してもいいんじゃないかと思った

Posted byブクログ