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半島を出よ(下) の商品レビュー

4.2

126件のお客様レビュー

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    52

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2012/02/05

膨大な資料と取材と、そして村上龍氏の壮大な妄想によって生まれた小説だ。上下巻、かなりの厚みだがその長さを感じなかった。下巻後半、物語に終わりが見えて来たときには、ひたすら読み終わりたくないという気持ちになった。幸せな読書ができた。本を読んでいて読み終わりたくないと切実に思う瞬間は...

膨大な資料と取材と、そして村上龍氏の壮大な妄想によって生まれた小説だ。上下巻、かなりの厚みだがその長さを感じなかった。下巻後半、物語に終わりが見えて来たときには、ひたすら読み終わりたくないという気持ちになった。幸せな読書ができた。本を読んでいて読み終わりたくないと切実に思う瞬間は読書をしているときで一番幸せな瞬間だと思う。 本書に書かれた日本政府の対応や国民の姿、これはまさに3.11の震災時の様子に酷似していて、村上龍氏は未来を予知したかのよう。北朝鮮の反乱軍が福岡を占領する、という一見荒唐無稽な日本の危機は、2011年が過ぎた今、ひどく現実味を帯びていて怖い。

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2012/01/08

現代に生きる人に対して警鐘を鳴らしている本だと思います。 ちょっと現実離れしているのでは?と思ったりしましたが、その「現実とは違うんじゃない?」と思ってしまう時点で、筆者の「警鐘」の対象になるかと思います。 インザ・ミソスープを再読したくなりました。

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2011/11/29

0311がなかった時に書かれた0311以後のお話。ディテールの書き込みはさすがだけど、残念ながらそこまで。想像力は現実を凌駕しないのかな。登場人物が多岐に渡り過ぎていて、時に散漫か?

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2011/11/06

様々な人物の視点(章)で物語が描かれる。 その中で、警察側(例えば、公園の作戦を担当したSAT)の人の章が無かったのが、 残念と言えば残念。 聞くところによると、村上氏の小説は、ホームレスなど社会から切り離されたような人が主人公的な位置になるらしい。 今回も結局は、そのような...

様々な人物の視点(章)で物語が描かれる。 その中で、警察側(例えば、公園の作戦を担当したSAT)の人の章が無かったのが、 残念と言えば残念。 聞くところによると、村上氏の小説は、ホームレスなど社会から切り離されたような人が主人公的な位置になるらしい。 今回も結局は、そのような人たちが物語を終結させた。 そういった意味では、やはり小説、フィクションの域なのかもしれない。

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2011/10/01

ディテールにとらわれ過ぎで、後半なんてダレダレなんだけど、近未来シミュレーション小説としては出色。日本政府の無力さ加減には背筋が凍る思い。

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2011/09/15

読み終わった!! という達成感が非常に強い本でした。上下巻セットだったからということもあるだろうけど。 上巻に比べて、比較的感情的な部分の多い下巻でした。読みやすかったです。 こうして見てみると、日本という国家の弱さがモロに出ていました。驚きの展開ではありますが、可能性が全く...

読み終わった!! という達成感が非常に強い本でした。上下巻セットだったからということもあるだろうけど。 上巻に比べて、比較的感情的な部分の多い下巻でした。読みやすかったです。 こうして見てみると、日本という国家の弱さがモロに出ていました。驚きの展開ではありますが、可能性が全く無いとは思えない、妙に現実的なお話。 まぁ…舞台が福岡っていうところがまたリアルさを生んでいるのですが。 そうしてまた今日もコリョの占拠したヤフードームへとバイトに行くわけですからね。 結局こういった形で決着がつくわけですが、最終的に自らの意思によって様々なモノゴトが決まっていく様が印象深い。今まで自分の意思だと思っていたことは、実は誰かの意思の真似事?だったのかもしれないんですね。登場人物各々が進むべき道を”自分で”決めているラストシーン、現在の私にとっては耳が痛いですが、忘れずに留めておきたいものになりました。

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2011/06/25

重かった。 途中、登場人物の過去振り返る所とか、苦しくなって読み飛ばし気味だったりもしたけど、読み切った。爽快感を味わいそうな事件があるけど、そこに至るまでの出来事や、犠牲や、日本政府と福岡、そして北朝鮮を考えるとなかなかすっきりはしなかった。

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2011/04/27

上巻できわめて丁寧な設定がなされていたので物語にのめりこんだ。 しかし、下巻はちょっと展開が早足だったかもしれない。登場人物の描写をもっと掘り下げて、3巻にしても十分読める、内容の濃い作品であった。 それにしてもラストのあっけなさは、この作品のありようを非常によく示すものと思...

上巻できわめて丁寧な設定がなされていたので物語にのめりこんだ。 しかし、下巻はちょっと展開が早足だったかもしれない。登場人物の描写をもっと掘り下げて、3巻にしても十分読める、内容の濃い作品であった。 それにしてもラストのあっけなさは、この作品のありようを非常によく示すものと思う。丹念に調べ上げられた資料に基づいた細かな事実についての解説と、小説としての登場人物描写に比べると、いかにもあっけないのである。しかし、これこそが本当の日常であり、時間の流れ方なのだと気付かされる。 クライマックスに向けての高揚感との対比が際立つ、見事な構成である。 国防とは何か、外交とは何か、そして身近な脅威である北朝鮮という国はどんなところなのか、巻末に示された膨大な資料をもとに書き下ろされた本書を通読することで、読者は俯瞰できると考える。まさに、ためになる小説であった。 また、ちょうど私が本書を読む機会を得たのは今回の大震災後からであったのだが、著者が示唆する、過去の事例や戦後の教育から推察される、国家的危機に対して日本の国民が示す反応や政府の撮りうる姿勢の描写は、見事であった。震災に対してあわてふためき、現地の実際を考える前に「つながろう」「ひとつになろう」といった意味の不明瞭なスローガンを掲げ、ブームのように募金に勤しむことしかできない国民性も、責任をかぶることを避けるため、あらゆることの決断が遅れる政府のありかたも、本書の記述にほぼ沿ったような形でまさに現在行われていることには、脱力せざるを得ないところであるが、ここまで日本人のメンタリティが抱える問題に切り込んだ著者の傑出した考察力、筆力、そして胆力は、いくら強調しても足りないほどのものである。

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2011/04/20

上巻を読み終えるめどが見えてきた頃には、間を空けずに下巻も続けて読みたいと思い図書館で借りて、通勤時間を利用し約1週間で読み終えました。 読み進むに連れてスピード感が増して、爆破シーンまでがクライマックスかと感じました。爆破後の展開は少し物足りなさを感じてしまいエンディングはごく...

上巻を読み終えるめどが見えてきた頃には、間を空けずに下巻も続けて読みたいと思い図書館で借りて、通勤時間を利用し約1週間で読み終えました。 読み進むに連れてスピード感が増して、爆破シーンまでがクライマックスかと感じました。爆破後の展開は少し物足りなさを感じてしまいエンディングはごくごく普通の小説のような終わり方に感じ拍子抜けした感じを受けました。 そんな感じを受けましたが、上下巻共に最後までとても面白く読むことが出来て読書の面白さを改めて教えてくれた作品でした。

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2011/04/08

なんだかんだで、もしかすると最も好きな本かもしれない。現実的と非現実的のバランスが良くできてる本だと思う。人名がちょっと難しいけど、それもまた良さなんだと思う。読んでいない人には是非読んでみてほしい1冊。

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