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半島を出よ(下) の商品レビュー

4.2

124件のお客様レビュー

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2012/10/03

「半島を出よ(下)」 さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。いまや九州は反乱軍の占領下となった。逮捕、拷問、粛清、裏切り、白昼の銃撃戦、被占領者の苦悩と危険な恋・・・。絶望と希望が交錯する中、若者たちの決死の抵抗が始まる。 個人的には上巻より激しい展開になるのかなぁと...

「半島を出よ(下)」 さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。いまや九州は反乱軍の占領下となった。逮捕、拷問、粛清、裏切り、白昼の銃撃戦、被占領者の苦悩と危険な恋・・・。絶望と希望が交錯する中、若者たちの決死の抵抗が始まる。 個人的には上巻より激しい展開になるのかなぁと思っていましたが、意外と落ち着いた部分が多かったように感じます。そして、一番気になったところはやっぱりテロ軍団に立ち向かう人々の動きとなるでしょうか。具体的な動きをここで言うと楽しみが減っちゃう気がしますので、イシハラグループは決死の思いを行動に乗せて動いていくとだけ言っておきますw 最後読み終わった感想は勿論面白かったんだけどもなんか消化不良な部分もあり、です。主人公達は様々な危険や死を乗り越えてテロ軍団に立ち向かいます。彼らの動きを見て、本当にここまでやり切るのか?という強い驚きを覚えました。そして彼らの決死の行為の結果が物語の最後にしっかりと出ます。 ですが、その点までの流れを個人的な目で読み、その結果迎えた結末を読むとなにかしっくりこなかった・・・そんな感じです。 しかし、自分でも適切な言葉は見つかりませんが、面白かったのは確かです。

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2012/09/23

今の日本の政治や、周辺諸国との外交環境を想起させる一冊。久々に手にとって再読したが、やはり読後感は「生ぬるい、腐った油が体の中に溜まっていく」ような不快感が残る、初読の際のそれと同じであった。

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2012/09/09

マイミクカトペより借読。 上下巻を合わせると900ページ超にもなる長編小説を、半年以上かかってようやく読了しました。 “さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。逮捕、拷問、粛清、白昼の銃撃戦、被占領者の苦悩と危険な恋。北朝鮮の後続部隊12万人が博多港に接近するなか、...

マイミクカトペより借読。 上下巻を合わせると900ページ超にもなる長編小説を、半年以上かかってようやく読了しました。 “さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。逮捕、拷問、粛清、白昼の銃撃戦、被占領者の苦悩と危険な恋。北朝鮮の後続部隊12万人が博多港に接近するなか、ある若者たちが決死の抵抗を開始した。現実を凌駕する想像力と、精密な描写で迫る聖戦のすべて。” phase two 05:2011年4月6日 死者の舟 phase two 06:2011年4月7日 赤坂の夜 phase two 07:2011年4月8日 退廃の発見 phase two 08:2011年4月9日 処刑式 phase two 09:2011年4月10日 「良い旅を」 phase two 10:2011年4月11日 通報者 phase two 11:2011年4月11日 美しい時間 phase two 12:2011年4月11日 天使の白い翼 epilogue 1:2011年4月14日 赤坂 epilogue 2:2014年5月5日 崎戸島 epilogue 3:2014年6月13日 姪浜 福岡が舞台で、ノンフィクションかと思えるような近未来の日本を描いた作品。 バイオレンス、北朝鮮、特殊部隊、外交政策、危機管理、列島占拠…。 その膨大な情報量に、読んでいて耳から溢れてきそう…。 登場人物の多さと巻末の参考資料リストに圧倒されます。 決して読みやすくはないけど、一読の価値のある作品です。 オススメだけど、内容が重たくて好みが分かれそうなので、☆☆☆☆。 表紙のカバーを外してみると…。 コリョ・ウォンジョングン・マンセェェェェェ コリョ・ウォンジョングン・チェゴォォォォォ コリョ・ウォンジョングン・イプテシキョジュセヨォォォォォ

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2012/08/15

そして、下巻。 救いはあったようななかったような。 結末として、ある程度のハッピーさはよかったと思うけど、でもここで描かれている「日本」ってある程度真実だと思うし。 背筋がぞっとする小説なのは変わらないですね。

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2012/08/12
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村上龍さんの長編小説です。 印象に残った部分を引用します。  ある日父親は、13歳のチョ・スリョンを連れてアパートの裏手の空き地に行き、残っていた蔵書を全部焼いた。そしてやせ細った顔で言った。スリョン、良い詩を書くことができる人間になりなさい。実際に詩を書かなくてもいい。ただ、いつでも書きたくなったときに良い詩を書ける人になりなさい。良い詩を書けるのは、自分の心の闇を見つめることができる人だ。強く美しいだけでは良い詩とは言えない。読む人の側に立った詩でなければ、本当の力はない。いいか、スリョン、読む人の側に立った詩を書くんだよ(P142)。  やっと父親が言った意味がわかった。生き延びろ。父親はそう言いたかったのだ。読む人間がお前の詩をどう解釈するか、徹底的に考え抜かなければならない。そして権力を出し抜いて、生き延びろ。父親はそう教えたのだ(P159)。  お前らは違う。お前らは別に寂しくないし、愛が欲しいわけじゃない。愛も含めてどんな社会的な約束事に対しても、そもそも最初から折り合いをつけられないんだ。だからお前らは誰にも好かれないが、誰にも騙されない。暴走族はすぐに多数派になびく。だがお前らは多数派のほうから拒絶されている。だからお前らは面白いんだ(P281)。  だが恐怖を自覚するのと、気づかないふりをしてごまかすのでは対処の仕方が違う。恐怖とその対象を認めなければ、恐怖に対応できないのだ(P392)。  

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2012/08/02

あとがきに、書けないけれども書かないと進まない、という思いで書き進んだとある。村上龍の様々な思想や警鐘が凝縮され絞り出された小説

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2012/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久々に手ごたえのある小説を読みました。 今の日本の「きれいごと主義」にイライラしている人はぜひ読んでみると良いと思います。 北朝鮮の軍隊が福岡を占拠する話だけど、ちゃんと現実味があるし、解決法だってあり得ないことじゃなかったです。 社会の評価のものさしは1つじゃないけど、絶対の正義もないんだな…と思いました。

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2012/03/02

内閣危機管理センターに詰めた河合や 罷免されて以降の山際官房副長官の抱いた危機感を、 リアル2011年にあてはめてみると、 薄らさむさを感じてしまう。 下巻ではサイドストーリーよりも とっとと進めて欲しい気もしたが、満足できる作品。

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2012/02/05

膨大な資料と取材と、そして村上龍氏の壮大な妄想によって生まれた小説だ。上下巻、かなりの厚みだがその長さを感じなかった。下巻後半、物語に終わりが見えて来たときには、ひたすら読み終わりたくないという気持ちになった。幸せな読書ができた。本を読んでいて読み終わりたくないと切実に思う瞬間は...

膨大な資料と取材と、そして村上龍氏の壮大な妄想によって生まれた小説だ。上下巻、かなりの厚みだがその長さを感じなかった。下巻後半、物語に終わりが見えて来たときには、ひたすら読み終わりたくないという気持ちになった。幸せな読書ができた。本を読んでいて読み終わりたくないと切実に思う瞬間は読書をしているときで一番幸せな瞬間だと思う。 本書に書かれた日本政府の対応や国民の姿、これはまさに3.11の震災時の様子に酷似していて、村上龍氏は未来を予知したかのよう。北朝鮮の反乱軍が福岡を占領する、という一見荒唐無稽な日本の危機は、2011年が過ぎた今、ひどく現実味を帯びていて怖い。

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2012/01/08

現代に生きる人に対して警鐘を鳴らしている本だと思います。 ちょっと現実離れしているのでは?と思ったりしましたが、その「現実とは違うんじゃない?」と思ってしまう時点で、筆者の「警鐘」の対象になるかと思います。 インザ・ミソスープを再読したくなりました。

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