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半島を出よ(下) の商品レビュー

4.2

124件のお客様レビュー

  1. 5つ

    52

  2. 4つ

    36

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2021/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後の参考文献の量を見ると、村上さんの知見、思いがこの本に込められているのだなとつくづく感じました。 日本と北朝鮮という異国同士のやりとりが繰り広げられるこの物語は、日本人というものを違う目線で改めて見ることができる物語であると思います。 人はさまざまな形での結束、絆を持っており、あらゆる立場や生い立ちからなる信念をもって、繋がっていることを感じずにはいられない話だなと思いました。 人間はみんな人間。

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2018/01/14

上下巻を二日間で読んだ。めでたしめでたしの結末となるけど肝心のイシハラ軍団が何故に行動するのかがよく分からないまま幕が下りた。そんな理屈など要らないで読め と言うことかな。余談だけど韓国語を学習している人には1粒で2度美味しいかも 笑。

Posted byブクログ

2016/05/16

下巻の最初の方に出てくる「退廃」についての考察、終わり近くになってリンクしていると思われる箇所があることに気づいてハッとした。 初回の読了時にはとにかくエグい描写が印象に残ったけど、再読時には最後のキム・ヒャンモクのエピソードがいつまでも心に残った。

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2016/03/24

先ずは長かったなあという印象。ただ、最近の北朝鮮の状況を見ていると、妙にリアルに感じてしまいました。日本政府は、何もできないんだろうなあ、アメリカは絶対に助けてはくれないだろうな。日本の経済が本当の意味で崩壊したら、日本の世界での位置は、どうなるんでしょうと考えてしまいました。

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2016/01/09

村上龍氏の大作「半島を出よ」の下巻です。今(2016.1)から10年以上も前に書かれた作品ですが、この様な事件が起きたらどうなるかについて、考えさせられた小説でした。 福岡ドームのプロ野球開幕戦で観客を拘束した状態で、その近くのホテルを接収して、市長に独立宣言をさせる、必要なお...

村上龍氏の大作「半島を出よ」の下巻です。今(2016.1)から10年以上も前に書かれた作品ですが、この様な事件が起きたらどうなるかについて、考えさせられた小説でした。 福岡ドームのプロ野球開幕戦で観客を拘束した状態で、その近くのホテルを接収して、市長に独立宣言をさせる、必要なお金は、不正蓄財をしていた人々を逮捕して彼らから拠出させる、よく考えられたストーリーでした。 飛行機でやってきた先発部隊に続いて、船でやってくる10万人以上の人が上陸したらどうなるかと、ハラハラしながら下巻を読み進めました。意外な展開で、日本は難を逃れることができた、というのも面白かったです。 この様な異常な状態で活躍する人は、歴史の例を見る通り、いわゆる「正規」では無い人達のようですね。これがパラダイム変換というものでしょうか、これから不透明な時代を生きていく私達にとっても参考になる小説だと思いました。 以下は気になったポイントです。 ・趣味に必要なのは、時間的・経済的・精神的余裕である(p63) ・住民票コードを納税者番号に転用、さらに民間利用が認められた後は、もう歯止めが利かなかった。税金の申告、証券取引、年金の一元化、健康保険や生命保険業務、銀行の名寄せ、仮名口座開設防止等、問題は、様々な個人情報がブドウの房のように住民票コードという11桁の番号の下にぶら下がっていること(p89) ・他の人からの助言に頼ってしまうと、自分で考えなくなる。まず最初に自分で考える。(p145) ・鳥の腸管は、インフルエンザにとって理想的な生息場所で、あっという間に増殖して糞とともに次の宿主に移る。そうやって新しい世代のインフルエンザウィルスは他の鳥が泳いでいる水に溶け込み、感染していない水鳥がその水を飲んで新しい宿主になる(p221) ・ニューヨークのテロが当時のブッシュ政権の自作自演だったという陰謀説の中心にあったのが、V字型成形爆破線、であった。プロの発破屋たちは、このことを話さなくなった(p251) ・超高層ビルの場合、軽量鉄骨の開発で、90年代位から中高層部分に鉄筋コンクリートを使うことは殆どなくなった。(p253) ・ボツリヌス菌の毒素は最も強い、青酸カリの約一千万倍、1グラムあれば1700万人を殺せる。ヤドクガエルの毒は青酸カリの5000倍の強さで、コブラやサリン、ウミヘビ、VXガス、ふぐ毒よりも強いが、中南米のジャングルから離れると、その毒は消えてしまう(p260) ・脳には脳関門というバリアがあって、変な化合物は通さない仕組みになっているが、覚醒剤と麻薬はらくらく通る。窒素を含んだアルカロイドという有機化合物で、脳内物質である、アドレナリン、セロトニン、アセチルコリンもアルカロイドなので。皮膚がはがれた傷口からの侵入が楽だろう(p311) ・儒教では、自殺は魏びしく禁止されている(p341) ・12万人の本隊を攻撃すれば本当に液化天然ガス基地はテロ攻撃を受けるのかという問いは一切なく、液化天然ガス基地がテロ攻撃を受けるので、高麗遠征軍(先発隊500人)を攻撃できない、という論理のすりかえを行った(p442) 2016年1月9日作成

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2015/12/15

村上龍の最高傑作。 凡庸な日常にいる凡庸な人間が、凡庸を破壊する出来事に遭遇する。その対応もまた凡庸だ。そこに、凡庸を突き破る傑出した非凡が登場する・・・ 上記テーゼは「希望の国のエクソダス」と通底しているように思われる。 福岡ドームの中にいる私は、どうするだろうか。傍観を決...

村上龍の最高傑作。 凡庸な日常にいる凡庸な人間が、凡庸を破壊する出来事に遭遇する。その対応もまた凡庸だ。そこに、凡庸を突き破る傑出した非凡が登場する・・・ 上記テーゼは「希望の国のエクソダス」と通底しているように思われる。 福岡ドームの中にいる私は、どうするだろうか。傍観を決め込むだろう。 だって、どうせ抵抗しても失敗する確率のほうが遥かに高いし、責任をとりたくないもの。リターンが少ない気もする。どうせ誰かがやってくれるだろう。 イシハラグループに憧れる自分もいる。

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2015/12/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長かった。。。今まで国家、警察、軍隊など国をあげて片付けようとして実現できなかったことを、「世間からずれてる」イシハラグループがたった数人でやっつけしまうという。。。ある意味、村上龍氏の日本に対する皮肉が込められとるんかな。 我が街、福岡の百道地区がめちゃくちゃになっとるやん!w

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2015/01/03

小説家も体を張って闘ってるんだ、と思った。村上龍という人を、この作品を読んで、いい人だな、と認識しました。 ラストの方の、耳の出てくる描写はびっくらこいた。

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2015/01/03

戦闘場面で心臓のバクバク感がはんぱ無かったです。本を読んでこんなにアドレナリンが出るものなのかと。手に汗握る興奮とはこういうことかも。

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2014/11/05

村上龍の『半島を出よ』上・下巻を読んだ。最近、仕事も忙しくて結構長く掛かった。 最近の北朝鮮の核実験やそれに対するアメリカ、中国、韓国と日本の対応を見ると、実際にこの物語のような事件、すなわち朝鮮半島統一に向けた北朝鮮の変遷のために軍の一部の分離のようなことが必要になる日が来る...

村上龍の『半島を出よ』上・下巻を読んだ。最近、仕事も忙しくて結構長く掛かった。 最近の北朝鮮の核実験やそれに対するアメリカ、中国、韓国と日本の対応を見ると、実際にこの物語のような事件、すなわち朝鮮半島統一に向けた北朝鮮の変遷のために軍の一部の分離のようなことが必要になる日が来るのかもしれない。 その時、日本の一部への侵攻が北朝鮮の国家主導もしくは軍の一部のクーデターとして起こる可能性もゼロではないのかもと思った。 この話の中には、さまざまな立場のグループが並列で登場してくる。話の展開は、一部前後しつつ進んでいく。最後は多少呆気なく終わってしまった印象もあるが、面白いストーリーであった。 登場するコリョ軍の一人一人の感覚と日本人の一人一人の感覚があまりにも離れていて、それが現実にもそうなんだろうなぁと思うと共に、その感覚の違いがストーリー全体に大きな影響力を与えているようだ。 2006年11月25日 読了。 結構、今もタイムリーな話題ですね。

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