キャッチャー・イン・ザ・ライ の商品レビュー
[作品] 原題「The Catcher in the Rye」1951発表 J・D・サリンジャー著 白水社。 2003年出版。 村上春樹 訳 [あらすじ] 第二次大戦後まもなくのアメリカが舞台。主人公で16歳の少年、ホールデン・コールフィールドは成績不振により在学中のボー...
[作品] 原題「The Catcher in the Rye」1951発表 J・D・サリンジャー著 白水社。 2003年出版。 村上春樹 訳 [あらすじ] 第二次大戦後まもなくのアメリカが舞台。主人公で16歳の少年、ホールデン・コールフィールドは成績不振により在学中のボーディングスクールを退学させられることとなる。そのことをきっかけにホールデンは学生寮を飛び出し、一人で実家のあるニューヨークへと旅に出る。 [感想] アメリカ文学の最高傑作として語られることの多い本作、今回読んだのは世界的人気を誇る小説家 村上春樹 による翻訳版。おそらく日本で最もポピュラーと思われる野崎版は読んだので、ストーリーそのものを読むのは二度目。 村上版、野崎版、二つを比べると村上版は野崎版にくらべて、全体的に砕けていて明るい印象を受け、主人公ホールデンのキャラクターは村上版の方が若干等身大の少年に近い気がした。村上版の方が読みやすく感じたのは、物語を読むのが二回目だったからだろうか?
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「僕が本当にノックアウトされる本というのは、読み終わったときに、それを書いた作家が僕の大親友で、いつでも好きなときにちょっと電話をかけて話せるような感じだといいのにな、って思わせてくれるような本なんだ」 (本文引用) まさにこの本は私にとってそういう本であった。 3日間という短...
「僕が本当にノックアウトされる本というのは、読み終わったときに、それを書いた作家が僕の大親友で、いつでも好きなときにちょっと電話をかけて話せるような感じだといいのにな、って思わせてくれるような本なんだ」 (本文引用) まさにこの本は私にとってそういう本であった。 3日間という短期間の話しで、特に起承転結があるという わけでもなく、ただ主人公がダラダラといろんな人に出会い、文句を言っている物語なのだが、不思議と惹きつけられてしまう。 ホールデンのもつ、世界や俗物に対する否定的な考えには 、同じティーンエイジャーとして共感する部分も多かった。 学校を退学しまくり、喧嘩をすればボコボコにされ、女の人に手を出す勇気もなく、こんな弱いヒーローが今までいただろうか。いや、いないだろう。しかし、この物語を読み終えた時まんまと彼のことが大好きになってしまった私は、ホールデンと良い友達になれる気がする。 物語全体から感じとれる、サリンジャーの無垢性、イノセンスの追求、そしてどこまでが本当の話しだろうかという不確か性(この物語はホールデンの回想であるため)は、読者に多くのことを語りかけてくるように思う。 それにしても、こんなにおもしろい本にこの年齢で出会えたことを嬉しく思う。
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村上春樹 訳だったので、2度目の読了。やはり訳によって、まったく変わりますね。大好きな本になりました。
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村上春樹訳は読みやすいような気もする。赤頭巾ちゃん気をつけてが似ているというのも分かったような気がした。妹が赤頭巾ちゃんなんだな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
村上春樹訳の『ライ麦畑』。前半、失礼にも程があるホールデンの言動で笑いが止まらなくなった。 何もかんもに反抗して、中二的なんだけどやっぱり社会に認められたい、ホールデンのあがきに共感半分、批判半分。 高校の頃にも読みたかった。また年をとったときには感想も変わるはず。 前半のホールデン悪口無双だけでも十分読む価値がある作品。ただ後半少し冗長に感じてしまった。
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話はわき道にそれてもええんやでぇ。 続きはブログで http://nekura-tohsan.blogspot.jp/2013/03/the-catcher-in-rye.html
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初めて手に取った中学だか高校のときには、 主人公のホールデンに感情移入できず、途中で読むのを止めたはずです。 村上春樹訳で出版された時に購入するも、積んだままになっていました。 機が熟したのか何なのか、自然と手が伸びて読み始めると、 気づけば、ホールデンの話す世界にどっ...
初めて手に取った中学だか高校のときには、 主人公のホールデンに感情移入できず、途中で読むのを止めたはずです。 村上春樹訳で出版された時に購入するも、積んだままになっていました。 機が熟したのか何なのか、自然と手が伸びて読み始めると、 気づけば、ホールデンの話す世界にどっぷりつかっていて、 斜に構えたホールデンの物の見方、語り口に、 思わず声に出して笑いながら読んでしまっていました。 誰もが通過儀礼的に経験する、思春期の課題やら葛藤やら、 当事者であった10代の頃に読んだときには、 近親憎悪的な感情からか、自分の内面を直視するようで、 見るに堪えなかったような気がします。 ホールデンの言葉がこれほど心に沁み入ってきたのは、 過ぎ去った青春時代への憧憬なのか、 そんな時代を懐かしく思えるようになった今だからなのか。 そんな時代の心を今のぞくのは、 ある意味危うい行為でもあり、 原点を振り返る貴重な経験でもありました。
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高校を放校になりニューヨークに旅した主人公ホールデンが、一年後に君に向かって回想するスタイルで文が綴られる。だれに語っているのかが、仕掛けになっている。 ずっと周りの人間や状況に皮肉な悪態をつき続ける。そこここに、滅入った、という言葉がある。うつ病っぽい中二病の話。 社会の欺瞞...
高校を放校になりニューヨークに旅した主人公ホールデンが、一年後に君に向かって回想するスタイルで文が綴られる。だれに語っているのかが、仕掛けになっている。 ずっと周りの人間や状況に皮肉な悪態をつき続ける。そこここに、滅入った、という言葉がある。うつ病っぽい中二病の話。 社会の欺瞞をあばくとか、そんな大仰な感じでもない気がする。
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あまりにも有名な野崎孝訳「ライ麦畑でつかまえて」 村上春樹が訳すとこんな感じになるのかと思いながら読み進めました。 かなり印象が違って感じるのは、訳のせいか、はたまた歳をとったせいか… やはり以前読んだときほど、ホールデンが好きになれませんでした…(´・ω・`) ただやは...
あまりにも有名な野崎孝訳「ライ麦畑でつかまえて」 村上春樹が訳すとこんな感じになるのかと思いながら読み進めました。 かなり印象が違って感じるのは、訳のせいか、はたまた歳をとったせいか… やはり以前読んだときほど、ホールデンが好きになれませんでした…(´・ω・`) ただやはり、名作であることは間違いないと思います。 村上春樹と翻訳家の柴田元幸の対話をまとめた、「翻訳夜話2サリンジャー戦記」と一緒に読むとさらに面白いです!!
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海外文学のイメージとして ・起承転結の概念がない ・ディテールは異常に凝っている ・必ず誰かしら統合失調症 というのがあったんですけど、このイメージど真ん中の作品でした(笑) 翻訳授業の一環で読んだから、翻訳という面からはそれなりにおもしろかったんですけど、有って無いようなだ...
海外文学のイメージとして ・起承転結の概念がない ・ディテールは異常に凝っている ・必ず誰かしら統合失調症 というのがあったんですけど、このイメージど真ん中の作品でした(笑) 翻訳授業の一環で読んだから、翻訳という面からはそれなりにおもしろかったんですけど、有って無いようなだらだらしたストーリーはやっぱ苦手です。 最後の段落はちょっと考えさせられたけど…このために300ページかけるほどか?というのが正直な感想。
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