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キャッチャー・イン・ザ・ライ の商品レビュー

3.5

290件のお客様レビュー

  1. 5つ

    48

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

    93

  4. 2つ

    25

  5. 1つ

    14

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2016/11/08

私に似てる。ちょっとだけ。 だから、半分くらいまでは読むのが辛かった。 何もかもが調子外れでやるせない。 どこに行こうが見つけられるのは、自分の目に映るものだけ。 自分自身の世界より広い世界を、私たちは見つけられない。どこへ行こうと。それは私たちの傷ましさ、やるせなさの原因の一...

私に似てる。ちょっとだけ。 だから、半分くらいまでは読むのが辛かった。 何もかもが調子外れでやるせない。 どこに行こうが見つけられるのは、自分の目に映るものだけ。 自分自身の世界より広い世界を、私たちは見つけられない。どこへ行こうと。それは私たちの傷ましさ、やるせなさの原因の一つだ。 私たちの属する社会の価値観は、ちっとも永遠のものじゃない。だから、すっかり嫌気がさしてしまうこともある。実際、何の価値もないものだからね。 「僕」が満足に会話もできないのは、物陰に隠れて、自分の姿は見せずに相手を監視したまま、拡声器でがなり立てるようなことばかりしているからだ。 アリーが死んで、ガレージの窓をたたき割って、精神分析を受けたんだか受けなかったかは忘れたけど、そんなのはどうでもいい。 重要なのは、幼い弟が死んだ時、その悲しみをまともに表現することも、悲しみの存在を認識することさえ、どうやら許されなかったらしいことだ。 それは母親を守るためだったかもしれないし、当時は男性は悲しみを表面に出すのを許されない風潮があったからかもしれない。理由はどうでも良いんだけど。 本当にあるものをないものとして扱って、表面を取り繕うことばかり強要された子どもが、怒りと混乱を抱えて人生につまずくのは当然だ。 彼の弟が死んだのを、彼が心から悲しんでいるのを証明できるのは、強く握れなくなった彼の手だけ。 子どもの頃、弟が死んだ。僕は彼を愛していた。とてもとても深く。彼がもういないのが悲しい。心から。 それだけのことを言うのが、ひどく難しい時がある。どうかしてるね。

Posted byブクログ

2016/11/15

あぁ。こんなとこにも「やれやれ」とか言っちゃう「僕」はいるわけね…。 最初はなんだか癖のある口調で読みにくかったんだけど、途中からなんだか楽しくなってきた。 息子に近い年だからかな。 本当にしょうもないんだけど、かわいくなってきた。 完全に親目線で読む。 小6の息子もたまにホン...

あぁ。こんなとこにも「やれやれ」とか言っちゃう「僕」はいるわけね…。 最初はなんだか癖のある口調で読みにくかったんだけど、途中からなんだか楽しくなってきた。 息子に近い年だからかな。 本当にしょうもないんだけど、かわいくなってきた。 完全に親目線で読む。 小6の息子もたまにホントに意味不明な事言うんだけど、なんだか通じるとこあるのかも。 もちろんここまでひどくないけどね。 これ16歳で読んだら共感できたのかなぁ、 この子かなりこじらせてるけど、こういう子が案外常識的な大人になったりするんかもなぁ。

Posted byブクログ

2016/05/08

原著は、私が生まれる前の1951年に出版され、数々の風刺のきいた言葉が、10代の若者が味わう疎外感の本質をしっかりと捉えていると絶賛されたり、逆にスラングに満ちた語り口ゆえに禁書リストに名を連ねたりと、評判になりました。話は、16歳のホールデンが学校を放校された直後の生活を描き出...

原著は、私が生まれる前の1951年に出版され、数々の風刺のきいた言葉が、10代の若者が味わう疎外感の本質をしっかりと捉えていると絶賛されたり、逆にスラングに満ちた語り口ゆえに禁書リストに名を連ねたりと、評判になりました。話は、16歳のホールデンが学校を放校された直後の生活を描き出したもので、それ以来、ホールデン・コーンフィールドは「反抗的な若者」の代名詞です。学生のころPBで読んだ記憶があります。今回あらためて読んでみて、懐かしいような、じれったいような、こそばゆい感じがしました。ちなみに私が持っている本は、調べたら1972年のペンギン版でした。

Posted byブクログ

2016/04/10

面白かった。もう少し若かったら、17歳の頃に読んだら共感できただろうか。いや、ここまで感受性が強かったかな。わたしの場合、「僕」ほどに脆くなくても、中学生のときに読んだら「君」と語られる自分を自然と投影できたかなって思いながら読みました。

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2016/03/17

野崎訳を読んだのがコールフィールドと同年代のころ あまりの読みずらさに途中で放棄してしまった それから数年後村上春樹訳で再挑戦しなんとか読み切ることができた 本作はコールフィールドによる自叙伝的な構成をとっており、筋らしい筋はなく起こった出来事を単純に羅列する形で進んでいくという...

野崎訳を読んだのがコールフィールドと同年代のころ あまりの読みずらさに途中で放棄してしまった それから数年後村上春樹訳で再挑戦しなんとか読み切ることができた 本作はコールフィールドによる自叙伝的な構成をとっており、筋らしい筋はなく起こった出来事を単純に羅列する形で進んでいくということを理解してからは読みやすくなった ライ麦畑でつかまえてを読もうと思ったきっかけは攻殻機動隊の笑い男や東のエデンなど神山健二氏による影響が大きい 主人公のコールフィールドは無計画であり無礼な振る舞いを繰り返す、お金にルーズで突拍子もないことを突然言い出すなど、まっとうな人間が本作を読めば彼にはうんざりさせられるだろう そのうえ彼は自身の不幸を嘆き、世の中のありとあらゆるものに対して不平をぶつけるのだからいよいよもって救いがたい しかしこのような彼の破滅的で衝動的な行動の数々は1950年代から60年にかけての時代において大いに共感を呼んだ そのことは同時代に映画『理由なき反抗』や『カッコーの巣の下で』などカウンターカルチャーが若者の間で流行したことからも明らかだ 現代においても多くの人に愛読され、課題図書に推薦されたり大人から「君くらいの年代の子が読むととてもおもしろいよ」などといって薦められる しかし本作を読んで「どこがおもしろいのかわからない」「つまらない」などといった意見が多くの若い人の間で生まれている 確かに現代のティーンエイジャーたちもコールフィールド同様に社会の欺瞞に対して抵抗を感じ、まわりのすべてを否定するような心情を持っていることに変わりはない。しかし半世紀以上前の異国の若者の行動に対して共感を覚える人は少ないだろう 歴史的な価値以外の共感であったり娯楽的な価値を見出すことは本作からは不可能であり、現代の若者が抱える鬱屈した心情の形成を巧みに表現したものとは言えない

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2016/02/16

1602 村上春樹訳でもトライ。野崎訳より口調が丁寧な感じ。野崎訳の方が時代に合わせた雰囲気があった様な気がしました。

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2016/01/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アメリカのプレップスクールを成績不振により放校された主人公ホールデンが、ニューヨークの実家に戻るまでの3日間を描いた物語。17歳の主人公が1年前の12月を振り返るという形式をとっている。 素晴らしい名作という前評判を踏まえて読んでみたものの、途中までは非常に退屈な物語としか感じられなかった。ホールデンが様々なトラブルに見舞われても、無軌道な行動による自業自得としか思えなかった。それこそ主人公と同じ年代で読んでいればよく理解できたのかもしれない。 自宅に戻って妹と会ったあたりから流れが大きく変わったように感じた。主人公の精神状態、葛藤がストンと落ちてきた。世の中のほとんどが嘘まみれでインチキだと考えているけれども、でもどうしようもない。気を許せる他人もほとんどいない。 それまでによくわからなかったもやもやしたものが、フィービー(ホールデンの妹)、ミスタアントリーニ(ホールデンの昔の恩師)との会話で非常にわかりやすく整理される。それまではちょっと我慢が必要だった。「キャッチャーインザライ つまらない」で検索したほど。 特に、ミスタアントリーニの「君が世の中に対して感じている戸惑いや憤りは、君一人が感じたことではない」、「学校教育により自らの知力のサイズを把握し、どんな思考を身にまとうかを明らかにする」あたりは含蓄に富む。 回転木馬に乗る妹を見ながら涙したあたりで、やっとこの作品の名作たる理由を体得できた。それまで嘘まみれでインチキなものばかりに触れてきたホールデンが、初めて手に触れられた「無垢」であり「本物」を感じられた瞬間なんだと。 ニューヨークに戻るまでは退屈というかイライラしたものの、それ以降を理解するためには重要な要素なんだろう。 あと10年後に読み直すのもいいかもしれない。

Posted byブクログ

2016/01/06

名作ということで購入したものの積読状態になっていた一冊。 ひどい本だった。 主人公の主観的な思い出話・空想に尽き、 まったく物語は進行しないわ、メッセージ性もわからないわ、 中身のない・感じるもののない一冊だった。 「思春期特有の心情を的確にうんたらかんたら・・・」 と言うべ...

名作ということで購入したものの積読状態になっていた一冊。 ひどい本だった。 主人公の主観的な思い出話・空想に尽き、 まったく物語は進行しないわ、メッセージ性もわからないわ、 中身のない・感じるもののない一冊だった。 「思春期特有の心情を的確にうんたらかんたら・・・」 と言うべき一冊なのかもしれないが、内容がひどすぎる。 最後に何かあるに違いない、と頑張って読み進めるも、結局何もない。 意外なことになぜか読後感は悪くないが、 もう読み返すことはないだろう。

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2015/12/13

始まりの30ページとお終いから30ページだけで よかったのかもって感じ。 正直、読むのが辛かった。 ホールデンの気持ちにいらいらしたし… たぶん、ホールデンのことはたぶん嫌いだし。 でも、自分のある一部分を語られている気もした。 だから、読み進めたくないのかなぁ~...

始まりの30ページとお終いから30ページだけで よかったのかもって感じ。 正直、読むのが辛かった。 ホールデンの気持ちにいらいらしたし… たぶん、ホールデンのことはたぶん嫌いだし。 でも、自分のある一部分を語られている気もした。 だから、読み進めたくないのかなぁ~ って思ったりも。 なんか、ちょっと遠回しに説教たれられている感じ。

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2015/11/12

とうとう読んだー。 村上春樹の訳は、とっても読みやすくわかりやすく、すーっと頭に入ってくるので好き。 精神的かなーーり問題のある主人公の語り口調で、淡々と一定のスローリズムなのに、読み始めると何だか次のページには何が書かれてるのか気になって、いつの間にか読み終わってた感じ。 き...

とうとう読んだー。 村上春樹の訳は、とっても読みやすくわかりやすく、すーっと頭に入ってくるので好き。 精神的かなーーり問題のある主人公の語り口調で、淡々と一定のスローリズムなのに、読み始めると何だか次のページには何が書かれてるのか気になって、いつの間にか読み終わってた感じ。 きっと原書だとそうはいかなかったかも。。。 このホールデンは、思春期の狭間でかなり不安定な精神状態であるけど、きっとそれは今の子でもそういう状態になって揺れ動いてる子もいると思う。 彼は、何でも思い立ったらすぐ行動をとってしまうから、読んでてハラハラしちゃう。 それでも、途中で会った尼さんたちに10ドル寄付した後、もっと寄付すれば良かったと後悔するんだよね。 ホールデンのお金を散々使いちらして、それでも将来は地味で質素な生活を送りたいと思う気持ちは矛盾してるようだけど、そんな彼の気持ちが何となく分かるような気がした。 彼が、この後の人生どう生きていくのか興味ある。

Posted byブクログ