1,800円以上の注文で送料無料

坂の上の雲 新装版(八) の商品レビュー

4.5

232件のお客様レビュー

  1. 5つ

    129

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2021/09/23

ロシアとの戦争が幕を閉じた。 その後の主人公らの描写にえもいえない感情が沸いた。 読了した寂しさもある。 維新後の雰囲気を十二分に味わえた小説。

Posted byブクログ

2022/04/08

数年ぶりに通しで読み返した。 本作品全体に対する感想は既に書いているが、それとは別に日本海海戦の戦勝要因に絞って個人的なメモを記載。 論点の8割方は政略、戦略、戦術(それを支える技能含む)の3点に収斂する。 -政略の観点 国家として戦争の着地点を予め想定し用意していたかどうか...

数年ぶりに通しで読み返した。 本作品全体に対する感想は既に書いているが、それとは別に日本海海戦の戦勝要因に絞って個人的なメモを記載。 論点の8割方は政略、戦略、戦術(それを支える技能含む)の3点に収斂する。 -政略の観点 国家として戦争の着地点を予め想定し用意していたかどうかという点、また戦争の必然度合いの差が日露両国で大きく異なる。 講和をゴールとして定めて具体的なシナリオを描いていた日本に対して、ロシアはどこまで戦争を続けるのか、戦争をする理由は何か、明確でなかった。 また日本は国家存亡の危機を認識しており、生き残りをかけて戦争に臨んでいる一方、ロシアは国内の政情や帝国主義など様々な要素から戦争を求めており、結果として目的が不明確かつ戦争の必要性は相対的に低い。この差が政略の巧拙の差を生んでいる。 -戦略 この当時の海戦の常識と記述されている「海戦は軍艦同士の叩き合いの集合体」の考えのまま戦ったロシアと、寡兵であるが故に智慧を絞って艦隊運動に連動性や戦略的一貫性(七段の構えなど)を持たせた日本の差異が大きい。 また、そもそも大艦隊をバルト海から日本海へ回航させることでロシア側は大きなハンディキャップを負っているが、ロシア海軍全体としてそれへの適切な手当がなされていない。 -戦術/技能 海戦の決定打は結局のところ艦砲射撃による打撃だが、射撃に関する戦術と射撃の巧拙にも大きな差があった。 各砲台でバラバラに撃つのか、一軍艦の全砲台が統一指揮のもとで撃つのかという根本的な射撃法が命中率の差としてあらわれた。 また、有名な丁字戦法や乙字の艦隊運動に代表されるように、常に相手艦隊の頭をおさえるかたちを維持する企図を持ち続けたことと艦隊運動の巧さが、高い命中率と組み合わさることで日本側の一方的な成果に繋がっている。

Posted byブクログ

2021/09/07

大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。 長くかかったことだけを覚えている。 文庫本は実家にあるか、売却した。 そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。 秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はある...

大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。 長くかかったことだけを覚えている。 文庫本は実家にあるか、売却した。 そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。 秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。 読むのにとても時間がかかった。 その後3回目を読んだ。 バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。 いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7) ※売却済み

Posted byブクログ

2021/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

半年かけて最後まで読了。 やっときました日本海海戦。 日露戦争の勝利は、天祐と真之はのちに語ったけれども、維新から30何年。日本という国家を作り上げたものたちの気運のようなものもあったのではないか。 それを作り上げるくらい彼ら軍人たちには強さや誇りがあったように思う。 戦いが終わり日本に帰国した後、真之が子規の家を訪ねるシーンは、軍人になる前の真之を思い出させてグッときた。 本当に心から戦場に出たくて行く人などいるのだろうか。 海軍や陸軍がどのような戦い方をするかなどその辺りの知識はさっぱりわからぬ私であるが、心の動きや精神などが面白くて☆は5つ。

Posted byブクログ

2021/07/24

時間が取れなかったりして、途中で何度か放り出してしまい、結局読み終わるまで一年以上かかってしまった。 読み終わってすぐに横須賀の戦艦三笠を見に行った。レプリカの部分はあるが本物を見られたことには感激した。保存会の人々のおかげだ。 ついこの前までちょんまげを結っていた当時の日本人...

時間が取れなかったりして、途中で何度か放り出してしまい、結局読み終わるまで一年以上かかってしまった。 読み終わってすぐに横須賀の戦艦三笠を見に行った。レプリカの部分はあるが本物を見られたことには感激した。保存会の人々のおかげだ。 ついこの前までちょんまげを結っていた当時の日本人が、こんな大きな船をイギリスから調達して、しかもロシアのバルチック艦隊をぼぼ1日で全滅させたなんて、信じられない気持ちだった。 今で例えれば、いきなり地球に現れた宇宙人に不平等条約を結ばされたけど、別の星の異星人攻めてきそうだからあんたのUFOを売ってくれと言って大借金して譲ってもらい、そのUFOを巧みに操って異星人を全滅撃破したのと同じくらいのことだと思う。 明治の人はすごかった。西欧諸国との圧倒的な文明の差に諦めていない。このままではロシアの植民地になってしまうという危機感がそうさせたのか。 太平洋戦争の時の軍国主義なると、かなりいびつな方向に行ってしまったけど、明治の頃の人たちの考え方は自由で正しくて前向きで、眩しいくらいに感じるものがある。その源流は武士道なのか… そんなご先祖さま達の血を引いているんだと思うと、日本という国や日本人であること誇りに思うことができる。歴史を知るというのは意味があることなんだなと思いました。

Posted byブクログ

2021/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全巻を終えて 前半は、秋山好古,真之兄弟、正岡子規の3人の生い立ちの話。いずれ大物になる3人の幼少期の生活、いかにして軍人や詩人への道へ踏み込んだか。 中盤は日清戦争、ラスト5巻ほどは日露戦争。勝利に至った要因とは(国民国家、作戦能力、トップの器、運……)。自分がその時代に生まれ、共に戦っていた錯覚に陥るぐらい、詳細でありありとした情景が記されていた。特に、陸軍の旅順総攻撃、海軍の日本海海戦あたりはとても手に汗握る戦いであった。 40代くらいにこの本もっかい読みたいな、今とは異なる感動を得られそう。

Posted byブクログ

2021/07/03

全巻通しての感想 この物語に出てくる明治時代に生きた人たちが、我が国が滅亡するかもしれないという危機に瀕し、自分の国を守るため、必死に知恵を絞り、戦い、生きる姿に感動し、何度も涙が溢れました。 今の日本人はあまりに平和ボケしていると思います。日露戦争のように、戦争は一方がした...

全巻通しての感想 この物語に出てくる明治時代に生きた人たちが、我が国が滅亡するかもしれないという危機に瀕し、自分の国を守るため、必死に知恵を絞り、戦い、生きる姿に感動し、何度も涙が溢れました。 今の日本人はあまりに平和ボケしていると思います。日露戦争のように、戦争は一方がしたくなくても、もう一方が仕掛けてくれば、自国民を守るために始めざるを得ない。そのことを日本人は今一度思い出さなければならず、危機感を持たなければならない。今の世界情勢をみて、いろいろと考えさせるものがありました。 この作品は日本人の必読本であると思います。 今まで読んでいなかったことを後悔。学生時代に読んでいたら、日本社会に役立つことを人生の目的の一つとして、もっと学業等に励むことができたのでは、と思います。(今からでも頑張ろう。。。)若い子たちみんなに読んでほしいな。 日本のため尽力した先人たちに感謝し、日露戦争時のような強い美しい日本を取り戻すべく、日々出来ることを考え、行動していきたいと思います。

Posted byブクログ

2021/05/23

近代日本にとって日露戦争が最大のイベントであった。紙一重の偶然の積み重ねで戦勝的講和にもちこめたこと、敗北した場合に日本に降りかかったであろうこと、そして勝利の分析を怠ったことが昭和期の軍人官僚主義を招き、僅か40年後に国土が灰燼に期す敗戦を迎えたこと。 最終巻に収録されている...

近代日本にとって日露戦争が最大のイベントであった。紙一重の偶然の積み重ねで戦勝的講和にもちこめたこと、敗北した場合に日本に降りかかったであろうこと、そして勝利の分析を怠ったことが昭和期の軍人官僚主義を招き、僅か40年後に国土が灰燼に期す敗戦を迎えたこと。 最終巻に収録されている著者のあとがきは必読である。ドラマの冒頭に使われている「~このつまり百姓国家がもったこっけいなほどに楽天的な連中が、ヨーロッパにおけるもっともふるい大国の一つと対決し、どのようにふるまったかということを書こうと思っている。」 そして、解説の島田謹二氏がいうように「本作はその目標とする理想世界と、それにこめた作者のエネルギーと、その抱負の実現された成績と、広く日本人一般の目をひらいて、新しい知見で感動させた点で、作者の代表作の一つである。」 日本の歴史的、文化的遺産の重要な一つであるとの意見に全面的に同意である。

Posted byブクログ

2021/01/29

ふぅぅぅ~、二ヶ月かかって全8巻を読み終えた。 ずっと気になっていた大作だが、読了してみると、その重量からくる達成感が素直にうれしい。 日本が近代国家として走り始めた混沌とした明治という時代を、秋山兄弟と正岡子規、それを取り巻く群像を織り交ぜながら爽やかに描ききっている。 「国を...

ふぅぅぅ~、二ヶ月かかって全8巻を読み終えた。 ずっと気になっていた大作だが、読了してみると、その重量からくる達成感が素直にうれしい。 日本が近代国家として走り始めた混沌とした明治という時代を、秋山兄弟と正岡子規、それを取り巻く群像を織り交ぜながら爽やかに描ききっている。 「国を守る」という純粋な名分のもと、国民として国家のために戦争をしたという日露戦争の背景は、その後の天皇制崇拝と侵略行為の太平洋戦争に突入していく過程とは全く異なっていた、ということに改めて衝撃を受けた。明治という時代に、誇り高き“強い日本”を見出すことができるのだ。 北朝鮮のミサイル実験が大きな波紋を投げかけているが、この作品は、先人達が創ってきた日本という国を意識するにも、恰好の教材になるのではないだろうか。

Posted byブクログ

2021/01/04

バルチック艦隊が日本海に出没するところ〜日本海海戦終了まで 海戦終了後は、本作の一応の主人公である秋山兄弟のその後についてちょろっと触れてある程度。 どうせなら講和の話や日本海海戦の勝利が国内外にどう受け取られたかなど書かれてあるなお良しだった。 何にせよ読破できてよかったし、一...

バルチック艦隊が日本海に出没するところ〜日本海海戦終了まで 海戦終了後は、本作の一応の主人公である秋山兄弟のその後についてちょろっと触れてある程度。 どうせなら講和の話や日本海海戦の勝利が国内外にどう受け取られたかなど書かれてあるなお良しだった。 何にせよ読破できてよかったし、一度は読んでおくべき書。全編の感想としては文句なく星5つでした。

Posted byブクログ