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坂の上の雲 新装版(八) の商品レビュー

4.5

232件のお客様レビュー

  1. 5つ

    129

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2023/12/24

第1巻から一気読み。面白いは面白いけど、理屈っぽいのと、漢字仮名の選択が今どきと違うので読みにくいのが難点。頭でっかちだったり視野狭窄になると、ろくなことにならないなぁ...とは分かっているけど、果たして当事者だったらどう振る舞えるだろうか。後世の学士さんたちが研究・解釈して、著...

第1巻から一気読み。面白いは面白いけど、理屈っぽいのと、漢字仮名の選択が今どきと違うので読みにくいのが難点。頭でっかちだったり視野狭窄になると、ろくなことにならないなぁ...とは分かっているけど、果たして当事者だったらどう振る舞えるだろうか。後世の学士さんたちが研究・解釈して、著者が小説という形に整えたから俯瞰できるけど、実際のところ天才のようには振る舞えないんだろうなぁ。

Posted byブクログ

2023/12/01

▼エンタメと考えれば、この小説は(日露戦争は)いろいろあっても最後が日本海海戦で圧勝して終わるので、溜飲が下げられて素晴らしい。その、苦しい辛い中で最後スッキリというヤクザ映画的な語り口がこれまた上手い。海戦でも、まずは三笠が被弾しまくる描写も延々とやる。その次にロシア側の(日本...

▼エンタメと考えれば、この小説は(日露戦争は)いろいろあっても最後が日本海海戦で圧勝して終わるので、溜飲が下げられて素晴らしい。その、苦しい辛い中で最後スッキリというヤクザ映画的な語り口がこれまた上手い。海戦でも、まずは三笠が被弾しまくる描写も延々とやる。その次にロシア側の(日本軍と比べ物にならない)被弾を描く。そういう順番構成とか。上手い。 ▼一つ勘違いしていたことがあって。ポーツマスの和平のあとで、日比谷焼き討ち事件がある。つまり民衆が「より戦争を、戦果を」と暴動を起こした。その戦慄の描写があって。そして、日本海海戦の完勝、その成果であるポーツマス条約。だがその中から昭和の戦争と完敗に向けた胎動が始まっている…というドロドロした思いが湧き上がって終わる。・・・と思っていたら、間違っていて、全然その描写は無かった。恐らく、同じ司馬遼太郎さんの「明治という国家」か、「昭和という国家」か、あるいは吉村昭さんの「ポーツマスの旗」か、どれかと記憶が混同していました。 ▼今、個人的な興味関心で、「第一次世界大戦とは」というテーマに向けた読書の旅を続けていて、実は「明治日本と帝国主義先行国家とのせめぎあい」を畫いた坂の上の雲は、このテーマの流れとしてもとても良かった。

Posted byブクログ

2023/11/27

日露戦争は日本の勝利と知っていたが、この本を読む事によって多くの両国の犠牲があった上でのことだと再認識させられる。 最後の章の、真之が子規庵に行った場面は海上での戦いとのコントラストを強く感じた。他愛ない日常も、戦争のもとでの日々も同じ人間の生活の一部なんだと思った。

Posted byブクログ

2023/11/13
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※このレビューにはネタバレを含みます

いよいよクライマックスで、この巻を読むためにここまで来たのだと思う。 日本海海戦がここまで圧勝とは知らなかったので、清々しさも感じた。 終わり方があっさりしているのは、この本についてはそれが良いと思った。それにしても超大作だった。

Posted byブクログ

2023/10/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「すでに述べた」を何度読んだことか。 数えながら読めばよかった。 なかなか辿りつかないバルチック艦隊がやっと来たと思ったら、こんな戦闘だったのか。 やっと終わった。

Posted byブクログ

2023/10/11

この8巻を読んで本当によかった。 明治の歴史という今日にも続く通奏低音をこんなにクリアに生き生きと感じる文章に出会えたことは幸せなことだと思う。 「坂の上の雲」自分も坂の上にある雲に向かって進むような楽天主義を心に持っていたい。

Posted byブクログ

2023/10/10

【全八巻の感想】 日露戦争史を通して国家とは、民族とは、日本人とは何かを深く掘り下げ追及している。 この戦勝こそが以降の日本軍を迷走させ、日本国を窮地に追い込んだ。 明治維新以降、西欧の帝国主義を模倣し、「国家」という概念を急速に醸成せざるを得なかった事情が我が国の精神と肉体との...

【全八巻の感想】 日露戦争史を通して国家とは、民族とは、日本人とは何かを深く掘り下げ追及している。 この戦勝こそが以降の日本軍を迷走させ、日本国を窮地に追い込んだ。 明治維新以降、西欧の帝国主義を模倣し、「国家」という概念を急速に醸成せざるを得なかった事情が我が国の精神と肉体とのあいだに巨大な齟齬を産んでしまったということが描かれている。 この作品は事実を小説化する限界と言っていいだろう。日本人に、また日本という国に関わるすべての人々にこの作品を強く勧めたいと思った。

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2023/09/30

全8巻読了。明治期の日露戦争という日本の国家にとって大きな分岐点となる出来事を秋山兄弟を中心とした活躍で大国ロシアを打ち破る様の描写が引き込まれる。戦争が良いことだとは思わないので勝ったとはいえ爽快な読後感とはいえないが、日本の頭脳がロシアに優った勝利でありその余韻には浸れる。ま...

全8巻読了。明治期の日露戦争という日本の国家にとって大きな分岐点となる出来事を秋山兄弟を中心とした活躍で大国ロシアを打ち破る様の描写が引き込まれる。戦争が良いことだとは思わないので勝ったとはいえ爽快な読後感とはいえないが、日本の頭脳がロシアに優った勝利でありその余韻には浸れる。またロシアにしても土地掠奪を主とした国家であり、その戦い方をしたがために高い頭脳を持った日本に敗れるべくして敗れたと言わざるを得ない。 以下、覚えておきたい一文。 ・「頭脳」とは、当然ながら天性のそれを指していない。考え方というほどの意味である。より正確にいえば、弱者の側に立った日本側が強者に勝つために、弱者の特権である考え抜くことを思いつきにせず、それをもって全艦隊を機能化した

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2023/02/11

秋山兄弟を中心として、日露戦争を描いた長編小説のフィナーレ。読むのに時間がかかったが、非常に面白い作品だった。やはり司馬遼太郎作品はここの人物の人となりや当時の状況を大量の資料をもとに丁寧に描写していて、第三者的な視点で描かれているため臨場感はそれほどないものの、当時の状況が生き...

秋山兄弟を中心として、日露戦争を描いた長編小説のフィナーレ。読むのに時間がかかったが、非常に面白い作品だった。やはり司馬遼太郎作品はここの人物の人となりや当時の状況を大量の資料をもとに丁寧に描写していて、第三者的な視点で描かれているため臨場感はそれほどないものの、当時の状況が生き生きと想像できて面白い

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2022/12/05

新生国家日本と巨大軍事国家ロシアの極東における攻防を描いた作品でしたが、始めから終わりまでその内容に釘づけになりました。本当に楽しく読めました。 また、いろいろな本を読んで今より広くて深い教養が身についた時に読み返してみたいです。 その時、この作品の中に新しい発見があることを楽し...

新生国家日本と巨大軍事国家ロシアの極東における攻防を描いた作品でしたが、始めから終わりまでその内容に釘づけになりました。本当に楽しく読めました。 また、いろいろな本を読んで今より広くて深い教養が身についた時に読み返してみたいです。 その時、この作品の中に新しい発見があることを楽しみにしています。

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