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坂の上の雲 新装版(八) の商品レビュー

4.5

232件のお客様レビュー

  1. 5つ

    129

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

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2018/10/13

年末のNHKテレビ化の影響で、2回目の通読完了しました。面白いのですが、新聞連載の影響で、少々説明が何度もでてきてくどい感じがします。

Posted byブクログ

2018/10/08

全8巻の最終巻は、「敵艦見ユ」の章で始まり、日露戦争のクライマックスである日本海海戦へとなだれ込む。 半年を掛けて遥かバルト海から日本海まで廻航してきたバルチック艦隊は、それまでの巻で描写されていたように、司令官、戦術面、運用面、兵員の士気などあらゆる要素において勝てる要素はな...

全8巻の最終巻は、「敵艦見ユ」の章で始まり、日露戦争のクライマックスである日本海海戦へとなだれ込む。 半年を掛けて遥かバルト海から日本海まで廻航してきたバルチック艦隊は、それまでの巻で描写されていたように、司令官、戦術面、運用面、兵員の士気などあらゆる要素において勝てる要素はなかった。ただ、全滅するためにはるばる三大洋をまたいで来た悲劇の艦隊と言ってもいい。対する日本の連合艦隊は、40隻もの大艦隊がほぼ数席を残して全滅せしめるという完膚なきまでの勝利を収める。 日露戦争の勝敗を分けた要素は、大局的にはそれは日本にとって祖国防衛戦争であり、国民全体が運命を託したものであるのに対して、ロシアにとってもそれは、ロマノフ王室と取り巻きの貴族による利権拡大のための侵略戦争であり、人民や下級兵員は白けていたということであろう。また、描写されているように、極東に送られて来た兵員の少なからずが、ポーランドなどロシアによって無理やり属国とされている周辺国から豚を放り込むかの如くシベリア鉄道で半ば強制的に送られて来た者たちであり、日本兵員と士気において差があるのは必然であったからである。 こうした意識の乖離は、国政レベルだけではなく、戦略レベル、戦術rレベルに至るまで同一であり、軍隊としての規律や目的性などで著しく劣っていたのがロシア軍であった。一方、日本軍は率いる将官から一兵卒に至るまで、本戦争が国家の存亡を決めるものであるという大義が浸透していた。ロシアは敗戦により、その後ロシア革命へと向かい、国家は崩壊する。上に立つものが国家の大局を見失うと、国がどうなるか、日本が現在直面している問題が本書におけるロシアの問題と重なる。故司馬遼太郎氏からの21世紀日本へのメッセージとして受け止めなければならないであろう。

Posted byブクログ

2018/08/14

初めに、この本を手に取ったきっかけ 今年の冬に愛媛県松山市を観光しました。その際に、大街道駅近くの坂の上の雲ミュージアムで見た新聞連載のページの多さに度肝を抜かれました。そのため読んでみたいなと感じたことがきっかけになりました。 あとがきで司馬先生本人が以下のように書かれていま...

初めに、この本を手に取ったきっかけ 今年の冬に愛媛県松山市を観光しました。その際に、大街道駅近くの坂の上の雲ミュージアムで見た新聞連載のページの多さに度肝を抜かれました。そのため読んでみたいなと感じたことがきっかけになりました。 あとがきで司馬先生本人が以下のように書かれています。 「この作品は、小説であるか、じつに疑わしい。ひとつは事実に拘束されることが百パーセントにちかいからであり、いまひとつは、この作品の書き手ー私のことだがーはどうにもならない小説にならない主題をえらんでしまっている。」 【坂の上の雲全体を読み切った印象】 司馬遼太郎先生の「史記」(司馬遷)だと感じました。 この本は単なる歴史小説ではないと決してありません。その理由は、明治後期は現代から時代が近く、いい意味でも悪い意味でも資料(上のあとがき内の事実と呼ばれている部分)が集まってしまい、空想を張り巡らせる空間が少ないからだと思います。 本作品で100名以上もの人物が現実に近い状態で登場しました。彼らが彩った明治の時代から、日露戦争の勝利によって、昭和初期の暗い色をした日本へ変化していく理由が書かれているように感じました。

Posted byブクログ

2018/02/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

かなりの長編でしたが2~3ヶ月かけてやっと読み終わりました。 かなり細かい事実関係が作者の主観と共に述べられており とても読み応えがありました。 作中にも様々な人の書いた沢山の書物が引用されており どれだけ下調べをしたのかと思っていたらあとがきに準備に 5年もの歳月を費やしたと書いてあり納得しました。 司馬遼太郎氏は速読で知られたらしいですが読んだ文章を まとめ上げるのは相当苦労したのでしょうね。 また、あとがきでは坂の上の雲が新聞連載だったことを知って さらにびっくりしました。 ほぼ5年近くに渡って連載されたようで働き盛りである作者の40代を ほぼ全て費やしたということでした。 本当に重厚感のある小説で非常に楽しめました。 最後の8巻はまさに完勝といってよい日本海会戦で締めくくられており ほぼ日本側の思惑通り進む展開に非常に清々しく感じましたが ロシア側の描写もしっかりとされており単純な戦勝気分を味わう 小説でもなくバランスが取れていると感じました。 坂の上の雲が予想以上に面白かったので他の作品にも手を出して行こうと思います。

Posted byブクログ

2018/02/11

時間はかかったが、ついに完読。 常々、ビジネスは、「命を取られない戦」だと思う。 明治と違い、人の考え方も多様化する現在において、ひとつの目標を達成するために人を動かすことは難しい。 気合だけでは勝てない。勝てるストーリーを語り、入念な準備を行うことが必要なことを改めて認識させら...

時間はかかったが、ついに完読。 常々、ビジネスは、「命を取られない戦」だと思う。 明治と違い、人の考え方も多様化する現在において、ひとつの目標を達成するために人を動かすことは難しい。 気合だけでは勝てない。勝てるストーリーを語り、入念な準備を行うことが必要なことを改めて認識させられる。 また、部隊、チームの果たすべき使命も大切だと思った。 何をなすべきか、どういう役割を果たすべきか、つい、日常の忙しさに見失いがちだ。自らの行動、考えに気付かされる一冊となった。

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2018/01/18

終わった。 長かった。 しんどかった。 シリーズ中盤、暗く、寒く、一生懸命頑張らないと文字を追うのがつらくなってしまった。 戦争に関する映像や文書にはこれまでも接する事はあったのだが、「怖い」と感じる方が強くて今回の様に「何故?え?」と考えながら読み進めていったものはなかった。...

終わった。 長かった。 しんどかった。 シリーズ中盤、暗く、寒く、一生懸命頑張らないと文字を追うのがつらくなってしまった。 戦争に関する映像や文書にはこれまでも接する事はあったのだが、「怖い」と感じる方が強くて今回の様に「何故?え?」と考えながら読み進めていったものはなかった。 読了後直後の今は戦闘のイメージが強すぎて、3人の青年達の毎日が吹っ飛んでしまっているが、そこから始まっているだけに、何故?と思うことが強いのかもしれない。 自分の生まれた国の歩んだ歴史は少しでも知っておくべきだと改めて感じさせられた作品であった。

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2017/10/21

8巻まで読み終わり感じたのは、夫々のキャラクターが、超人という事では無く、今も日常的に近くにいそうな日本人なのではないかなと、そう言う人たちが戦場に行き生き死にを掛けてロシアと戦う。何のために?と言えば、外敵からの脅威と言えたのかもしれない。 あとがきに気になる部分があった。 ...

8巻まで読み終わり感じたのは、夫々のキャラクターが、超人という事では無く、今も日常的に近くにいそうな日本人なのではないかなと、そう言う人たちが戦場に行き生き死にを掛けてロシアと戦う。何のために?と言えば、外敵からの脅威と言えたのかもしれない。 あとがきに気になる部分があった。 「日本人は国民的気分のなかで戦争へ傾斜した。これら政府側の避戦論もしくは自重論者が結局は開戦の決議者になり、戦争の運営者になるのだが、かれらにとってやりやすかったのは、国民を戦争に駆りたてるための宣伝は、世論じたいが戦争にむかって奔馬のようになっていたため、いっさいする必要がなかったことであった。」 「国民的な気分」で、戦争に向かって、大量の死者を出し、大量の残された人を出した歴史を何度も何度も思い出す必要があるのではないかと思った。

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2017/09/28

長かったシリーズも日本海海戦を経てついに終焉。日露戦争の最大の見せ場である海戦での圧倒的勝利は、当時の日本の国力からすれば紛れもなく全力を尽くしたうえでもやはり奇跡としか言いようがない。 徹底的に考え抜いた戦略と、それを確実に実行する組織力、敗者への礼節など、先人が残した偉大な業...

長かったシリーズも日本海海戦を経てついに終焉。日露戦争の最大の見せ場である海戦での圧倒的勝利は、当時の日本の国力からすれば紛れもなく全力を尽くしたうえでもやはり奇跡としか言いようがない。 徹底的に考え抜いた戦略と、それを確実に実行する組織力、敗者への礼節など、先人が残した偉大な業績に心が熱くなりました。 最初のうちは明治の文学色が強い作品だったのに、いつの間にかすっかり日露戦争物語に変わるという離れ業を違和感なくやってのけたのは、時代の変化を俯瞰的に捉える司馬遼太郎氏の類稀なる才能だと思います。

Posted byブクログ

2017/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

バルチック艦隊襲来からの最終巻。 東郷平八郎の知恵と勇気を伴う沈着冷静な指揮や、一極指揮の砲撃法、奇跡的な運を重ねての勝利に胸がすく思い。 この戦争で勝った日本のその後の不幸には触れられており、とても説得力があるが、ロシア側のその後、ロシア革命についても少し触れてほしかった。 秋山兄弟のその後が語られつつあったりと終わるラストが印象的。 執筆時に存命だった関係者の当時の状況を肌で感じるような証言を織り交ぜ、史実に精緻な作品であり、とても貴重な作品であるといえる。 あとがき集となる解説はまさに歴史評論家です。 刊行当初は6巻ものだったあとがき6つを出版社の都合で8巻ものにしたたため、最後にまとめて収録するのはやめてほしかった。あとがきも本編の一部となる内容と感じる。

Posted byブクログ

2017/08/09

2017/08/09 長かった… 秋山兄弟と正岡子規のエピソードはとても興味深かったのだけれど、戦争の話になると正直私には難しかった。 でも司馬遼太郎の取材力は本当に本当にすごい。

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