坂の上の雲 新装版(七) の商品レビュー
奉天会戦で薄氷を踏むかの如き勝利を得た日本であるが、それは日本軍の善戦もさることながら、露軍側、特にクロパトキンの稚拙な戦術眼、官僚的保身によるものであった。 バルチック艦隊はベトナム沖で第三艦隊との合流のため漂泊を続け、これまでと同様、船員の士気と体力を奪っていた。一方、日本...
奉天会戦で薄氷を踏むかの如き勝利を得た日本であるが、それは日本軍の善戦もさることながら、露軍側、特にクロパトキンの稚拙な戦術眼、官僚的保身によるものであった。 バルチック艦隊はベトナム沖で第三艦隊との合流のため漂泊を続け、これまでと同様、船員の士気と体力を奪っていた。一方、日本側ではバルチック艦隊の航路が太平洋側からまわるのか、対馬海峡を通るのかの議論で秋山真之と第絵本営は右往左往するも、東郷平八郎は対馬で一点張りをしていた。この一貫した態度が、東郷の以後の名声をより高めたと言われているらしい。そして、哨戒艦信濃より有名な「我敵艦見ユ」との通信が入る。いよいよ、日本海海戦というところで本巻は終わる。
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日露戦争の地上戦はいよいよ大詰めの奉天会戦。戦力で圧倒するロシア軍だが、総指揮官クロパトキンは石橋を叩いても叩いても渡らない臆病な男。彼は日本軍の戦力を過剰に見積もり、無意味な退却を指示するだけだった。一方、海上のバルチック艦隊長ロジェストヴェンスキーは情報を独占し、周囲の意見も...
日露戦争の地上戦はいよいよ大詰めの奉天会戦。戦力で圧倒するロシア軍だが、総指揮官クロパトキンは石橋を叩いても叩いても渡らない臆病な男。彼は日本軍の戦力を過剰に見積もり、無意味な退却を指示するだけだった。一方、海上のバルチック艦隊長ロジェストヴェンスキーは情報を独占し、周囲の意見も聴かないし、軍事会議も開かない。自分は死なないという根拠なき自身が彼を増長させる。 日本が日露戦争を勝利できたのは、このロシア陸海軍のトップ2人の無能さと、上司からの命令は絶対とするロシア官僚制度のおかげだ。 それはともかく、ついに舞台は日本海海戦へ。バルチック艦隊がやってくるのは対馬海峡か、太平洋周りか。日本軍、政府の意見が交錯する中、日本の連合艦隊司令官、東郷平八郎はズバリ言う。「それは、対馬海峡よ」。 ロジェストヴェンスキーと同じく根拠なき自信なのだが、あまりに説得力があるのは2人の器の違いなのか、作者の表現力なのか、読者には結果がわかっているせいなのか。次巻ではこの両国の艦隊長の違いが勝敗を決定づけるんだろう。
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奉天会戦と講和の画策、バルチック艦隊との戦いまでが描かれています。 大将には大将の器が必要だと感じる内容でした。 クロパトキンは敵の実情を正確に捉えることができず、ありもしない幻想により不安で押しつぶされました。 ロジェストヴェンスキーは己の才能を過信しているという点で大将の器でないことは明らかです。 秋山真之でさえもバルチック艦隊の進路について、己の選択が戦況を著しく変えてしまう緊張に押し潰され、正しい選択ができなくなっていました。 東郷のような大将になるには、相手(敵)の立場になって考えることが最も必要だと感じました。
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だいぶ終わりに近付いてきましたが なかなか日本の完全勝利というものが無く 全てが薄氷の上での勝利で特に今回の奉天会戦については ロシア軍がわざと負けたのではないかというほど 日本にとって明るい展開がありませんでした。 おそらくこの物語のクライマックスと思われる日本海会戦は 圧倒的な勝利として大団円を迎えるのだとは思うのですが この巻の終盤はそこへ向けての布石が段々と描かれてきて 次巻以降への期待を高めてくれました。
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奉天会戦におけるロシア軍クロパトキンのリーダーシップにフォーカスが当たっている。 乃木軍への過大評価があったり、嫉妬?による判断ミスの連発で勝機を逸すること数度。戦力で3倍以上と言われながら勝ち切れない。 海では、ロジェストウィンスキー率いるバルチック艦隊がいよいよ日本に近づく...
奉天会戦におけるロシア軍クロパトキンのリーダーシップにフォーカスが当たっている。 乃木軍への過大評価があったり、嫉妬?による判断ミスの連発で勝機を逸すること数度。戦力で3倍以上と言われながら勝ち切れない。 海では、ロジェストウィンスキー率いるバルチック艦隊がいよいよ日本に近づく。当時は、航空機はなく航路の読みに憔悴する秋山真之。バルチック艦隊撃破の戦略を考え、相手の動きが読みと違えば、戦略は意味を成さず、戦争で疲弊している国自体が滅んでしまうと思えば、まさに戦わずしても命を削られるのだろう。 前線とは別に講和への動きもあるが、間を取り持つアメリカ大統領と大学の時の学友だったとか、そんな人間的な繋がりが役に立つなんて、戦場で殺し合いしてる人たちって何なのか?と、国は違えど同じ人間なのに… 次は、最終巻。 秋山好古は、あまりフィーチャーされてなかったが、もう出てこないのかな?
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奉天での会戦からバルチック艦隊が日本海ち差し掛かるまでの7巻。クロパトキンの愚策により日本か辛勝する描写は克明で説得力がある。数々の幸運が今日の日本を救ったのであり、そうでなければロシアに取り込まれたであろうことを考えると感謝の念にかられる。 バルチック艦隊のロジェストウェンスキ...
奉天での会戦からバルチック艦隊が日本海ち差し掛かるまでの7巻。クロパトキンの愚策により日本か辛勝する描写は克明で説得力がある。数々の幸運が今日の日本を救ったのであり、そうでなければロシアに取り込まれたであろうことを考えると感謝の念にかられる。 バルチック艦隊のロジェストウェンスキーがいよいよ到来し期待が高まる最終巻。
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陸戦もいよいよ大詰めに。 日本軍の強さではなく、ロシア軍の、しかもたった1人の将校の精神的弱さによって薄氷を踏む勝利があったとは知りませんでした。 これから始まる海戦も同じような雰囲気を感じます。
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やっと、読み終えた。 日露戦争がどれだけの奇跡のもとで勝てたかということが、本当によくわかる。 ほんまに谷と谷の間を綱渡りしとるみたい。 それくらい危うかったんやということを、当時の人ら(国民)がわかっていたなら... 坂ノ上の雲を当時に送ってあげたいくらいや... 日本人の悪い...
やっと、読み終えた。 日露戦争がどれだけの奇跡のもとで勝てたかということが、本当によくわかる。 ほんまに谷と谷の間を綱渡りしとるみたい。 それくらい危うかったんやということを、当時の人ら(国民)がわかっていたなら... 坂ノ上の雲を当時に送ってあげたいくらいや... 日本人の悪い癖なんかもしれない。 今も、戦争と関係なくても、同じことが言えるかもしれへん。 日本はたかが数十年で今のような国家となっただけで、どれだけ不安定な状況にあるか。 調子のったあかんし、高望みしたかあん。 ←外交に関して やないと、叩かれたらしまいや。 ほんまにそう思います。
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奉天会戦。決着!クロパトキンいよいよ大詰めなのに…総司令の性格を計算しつくした日本陸軍の勝利。そして、後半はバルチック艦隊がいよいよ対馬沖に出現。 信濃丸よりの打電はあまりにも有名。 我敵艦見ゆ!
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奉天付近で陣を構えるロシア軍に対し、日本陸軍が大攻勢をかける。しかし、兵力・火力・装備においてロシアが圧倒的に勝り、日本は大苦戦を強いられる。 ロシア軍の不可解な作戦によって、辛くも奉天会戦で勝利をおさめた日本軍。「事実は小説より奇なり」ということわざがぴったりの展開だ。
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