坂の上の雲 新装版(六) の商品レビュー
日露戦争、旅順要塞陥落後。ロシア本国からアフリカ周りで極東を目指すバルチック艦隊の苦難と、明石大佐が暗躍する革命前夜のロシア情勢を描く。 草創期の明治政府、元勲たちの奇人をも使いこなす器量が光る。 ◆ロシア大使として諜報に従事し、革命勢力を支援した明石元二郎大佐について。 ...
日露戦争、旅順要塞陥落後。ロシア本国からアフリカ周りで極東を目指すバルチック艦隊の苦難と、明石大佐が暗躍する革命前夜のロシア情勢を描く。 草創期の明治政府、元勲たちの奇人をも使いこなす器量が光る。 ◆ロシア大使として諜報に従事し、革命勢力を支援した明石元二郎大佐について。 ○服装という感覚においてはまるで鈍感で、自分の姿というものを自分で統御するあたまがまるでなかった。 この点、好古もおなじだったが、好古よりもはるかにひどい。明石は生徒のころから陸軍大将になるまで一貫してそうであった。ポケットの底はみなやぶれていたし、ときどきボタンがちぎれており、軍服のところどころがやぶれていて、サーベルの鞘などはたいていさびていた。こういう人間は日露戦争後の士官学校にはとても入れなかったろうし、入れても学校生活についてゆけなかったであろう。明治初年の粗大な気分のなかでこそ、彼はかろうじて許された。 ◆戦争は外交の一形態である、との名言を地でいく分析。いわゆる司馬史観の昭和サゲですが、根性論に唾棄する姿勢は古き良きサヨ系知識人の香り。 ○もともと戦争というのは、 「勝つ」 ということを目的にする以上、勝つべき態勢をととのえるのが当然のことであり、ナポレオンもつねにそれをおこない、日本の織田信長もつねにそれをおこなった。ただ敵よりも二倍以上の兵力を集中するということが英雄的事業というものの内容の九割以上を占めるものであり、それを可能にするためには外交をもって敵をだまして時間かせぎをし、あるいは第三勢力に甘い餌をあたえて同盟へひきずりこむなどの政治的苦心をしなければならない。そのあと行われる戦闘というのは、単にその結果にすぎない。 こういう思想は、日本にあっては戦国期でこそ常識であったが、その後江戸期に至って衰弱し、勝つか負けるかというつめたい計算式よりも、むしろ壮烈さのほうを愛するという不健康な思想-将帥にとって-が発展した。
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歴史の教科書として読んでます。日露戦争はまだ常軌を逸するほどではないものの、陸軍はダメだったんだなーと。ここで勝ってしまうからその後に続いたのだろうか?7巻、8巻を読めばわかるかな
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また戻ってきましたー。ここからは最終巻まで一気に読むつもり。 秋山兄さんが少し出てきたかな。あとは明石さんのロシア革命と、マダガスカルの艦隊の話。 適材適所の判断て難しいよね。自分の適所はどこやろー?自分も周りの人も探り探りで、そのうち見つかるんだろうな。好きと得意は違うし、...
また戻ってきましたー。ここからは最終巻まで一気に読むつもり。 秋山兄さんが少し出てきたかな。あとは明石さんのロシア革命と、マダガスカルの艦隊の話。 適材適所の判断て難しいよね。自分の適所はどこやろー?自分も周りの人も探り探りで、そのうち見つかるんだろうな。好きと得意は違うし、苦手でも嫌いじゃないこともあるもんなー。時代、お金、人間関係、タイミング、ほんの少しの会話なんかによって、人の能力の生かすも殺すも全部決まる。日露戦争に関わる多くの人々の人生を、あと2巻でしっかり見ていこう。
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明石大佐の欧州情報戦。そこには帝政ロシアの圧政に苦しむ諸民族の姿があった。邪智暴虐の限りを尽くす帝政ロシアに猛然と弓矢を引いた極東の島国に諸民族は狂喜乱舞する。明石のもとにつぎつぎと支援の手が差し伸べられ、1917年のロシア革命の素地がこの時作られた。しかし、これが後に国際共産主...
明石大佐の欧州情報戦。そこには帝政ロシアの圧政に苦しむ諸民族の姿があった。邪智暴虐の限りを尽くす帝政ロシアに猛然と弓矢を引いた極東の島国に諸民族は狂喜乱舞する。明石のもとにつぎつぎと支援の手が差し伸べられ、1917年のロシア革命の素地がこの時作られた。しかし、これが後に国際共産主義ネットワークを形成し昭和日本を苦しめる端緒になるとは。
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なんでか全6巻だと勘違いしてて最終巻のつもりで読んでしまったけど明石のスパイ大作戦の巻でバルチック艦隊もやっと動いたところでした。久々に読むとブツブツ切れるのになじめず読みにくいなあと思ってたけど新聞連載だったなそういえば。
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戦争は戦場だけで戦うのではない。 スパイ活動によっても大きく戦局は変わりうる。 ということを学んだ6巻です。 明石さん。
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途中で腹立ちながら読んだ6巻。 ロシアもそうだけど、日本もグズグズっぷりが… いつの世も、人が人を動かしてるのには変わりないけど しかしまぁ、なんだかなと。。 専制君主制のロシア帝国と官僚達。 そのロシア帝国に革命を起こすという動きを持つ人々 フィンランドやポーランドも。 日本の...
途中で腹立ちながら読んだ6巻。 ロシアもそうだけど、日本もグズグズっぷりが… いつの世も、人が人を動かしてるのには変わりないけど しかしまぁ、なんだかなと。。 専制君主制のロシア帝国と官僚達。 そのロシア帝国に革命を起こすという動きを持つ人々 フィンランドやポーランドも。 日本の明石元二郎の情報網とか (この明石さん、すごくぶっ飛んでる。学校の授業で教えた方がいいレベルだと思う) 軍艦行進曲を奏でる軍楽隊や 乃木希典の参謀、小泉正也保が橋から落ちたとことか。 乃木希典もいろいろあるんだなぁとか。 ロジェストウェンスキーの堅物なとことか。 とにかく盛り沢山な内容。
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諜報活動が主な回。ロシア以外の国と仲良くなり、ロシアに意地悪をしてストレスを与えていくといった、裏舞台。
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