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坂の上の雲 新装版(六) の商品レビュー

3.9

136件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2015/11/04

諜報活動を行うことによって、ロシアの内情と、周辺諸国との関係性がみえてくる部分がおもしろかったです。 たくさん控えている兵士たちの、ロシア国内における位置づけ。不満。 小さな島国である日本が動いたことによって、刺激を受けた人々の存在。 戦争は、兵器で戦うだけでなく、外交や政治...

諜報活動を行うことによって、ロシアの内情と、周辺諸国との関係性がみえてくる部分がおもしろかったです。 たくさん控えている兵士たちの、ロシア国内における位置づけ。不満。 小さな島国である日本が動いたことによって、刺激を受けた人々の存在。 戦争は、兵器で戦うだけでなく、外交や政治が大きく影響していることを初めて知りました。 こういうエピソードを中高生の頃に興味を持って知っていたら、未来は変わるかもなぁ、と思いました。戦争回避のヒントも多く含まれているように思いました。

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2015/10/29

バルチック艦隊を通したロシア国内の腐敗 明石元二郎という間諜のやり遂げた歴史的インパクトに対する素人さ 奉天会戦の準備 歴史的大局で物事を見ると、ロシアの皇帝制度が負けるべくして負けたということだが、日本の当時の国力でよく戦ったなと思う。

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2015/10/09

ここまできて、またふとした疑問。これ、本当にそんなに面白いか?と。日露戦争が主題ってことは分かったし、これだけ詳細に描くに値するほど、歴史的価値が高いことも理解できてきた。求めるものが違うといわれればそれだけだけど、いわゆる小説を読むカタルシスが希薄に思えます。どちらかというと、...

ここまできて、またふとした疑問。これ、本当にそんなに面白いか?と。日露戦争が主題ってことは分かったし、これだけ詳細に描くに値するほど、歴史的価値が高いことも理解できてきた。求めるものが違うといわれればそれだけだけど、いわゆる小説を読むカタルシスが希薄に思えます。どちらかというと、「ローマ人の物語」あたりに近い感触を持っています。この中で、確かに人々は話し合い、動いているのだけど、データ開陳に裂かれている部分が少なからず、そのせいでどうしても堅苦しくなってしまう、という。勉強だと思って読む?もしくはあまりまとめて読むもんじゃないのかも、って感じてます。そういえば、上記「ローマ人~」も、最近ばったり止まってしまってるな~。

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2015/09/06

『もしそういう冷静な分析がおこなわれて国民にそれを知らしめるとすれば、日露戦争後に日本におこった神秘主義的国家観からきた日本軍隊の絶対的優越性といった迷信が発生せずに済んだ』実際に徴兵された司馬さんはここに最も憤っているのだと感じる。だからこその司馬さんの乃木観になるのかと。ただ...

『もしそういう冷静な分析がおこなわれて国民にそれを知らしめるとすれば、日露戦争後に日本におこった神秘主義的国家観からきた日本軍隊の絶対的優越性といった迷信が発生せずに済んだ』実際に徴兵された司馬さんはここに最も憤っているのだと感じる。だからこその司馬さんの乃木観になるのかと。ただ、日露戦争後の暴動をみても、国民の民意が後の日本を孤立させていったのも間違いないようだけれども。

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2015/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

第6巻。秋山好古が率いる騎兵隊をはじめとした陸軍の戦い。苦戦が続くが、敵側の組織内の乱れもあって、きわどく勝利をおさめる。一方でバルチック艦隊が遠路、日本へ向かうが、外交面での苦労や、兵たちの士気が必ずしも高くないこともあり、想定以上の日数がかかり、これがやがて日本に幸いする。また、ロシア本国では、帝政への不満がつのり、革命の気運が高まる。ここでは日本のスパイが水面下で暗躍していた。 終盤に向けて、盛り上がってきた感じです。

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2015/04/30

ロシア側の事情により日本軍が辛くも勝利した黒溝台会戦、マダガスカル島の小さな港に二カ月も足止めを食らいながらもインド洋を進み始めたバルチック艦隊、欧州で機運に上手く乗り間諜として駆け回る日本人・・・・といった内容が描かれていた。この巻も、読者を飽きさせない作りになっている。そして...

ロシア側の事情により日本軍が辛くも勝利した黒溝台会戦、マダガスカル島の小さな港に二カ月も足止めを食らいながらもインド洋を進み始めたバルチック艦隊、欧州で機運に上手く乗り間諜として駆け回る日本人・・・・といった内容が描かれていた。この巻も、読者を飽きさせない作りになっている。そして後半ではいよいよ日本が奉天会戦へと臨む描写が始まったので、急いで次の巻へ進みたいと思う。

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2015/03/17

 なんだか戦況がだんだんよく分からなくなってきました(苦笑)。戦況の話はなぜか頭にはいらないのに日・ロの政治体制とかの話や、ロシアの艦隊のグズグズっぷりの方がスッと頭に入るのは、 権力者のそうしたグズグズさの方が面白く感じる自分の性格の悪さのせいでしょうか。  この巻で面白かっ...

 なんだか戦況がだんだんよく分からなくなってきました(苦笑)。戦況の話はなぜか頭にはいらないのに日・ロの政治体制とかの話や、ロシアの艦隊のグズグズっぷりの方がスッと頭に入るのは、 権力者のそうしたグズグズさの方が面白く感じる自分の性格の悪さのせいでしょうか。  この巻で面白かったのは諜報員の明石源次郎。  諜報員なのに偽名を使わず時に体当たりでスパイ活動をする何とも型破りな人物。その活動の根底にあったのが作者の語るように、国のために死んだとしてもスパイだと名前が残らないことに対する抵抗だったのかは分かりませんが、もしそうならなんだかとても人間臭い人物だな、と思いました。  ロシアの革命の機運や欧米の動きも書かれていて、それもまた興味深く面白かったです。読めば読むほど日本が日露戦争で負けなかったのは、当時のロシアの国内混乱や革命気運のおかげだったのだな、としみじみと感じます。  司馬遼太郎が作中で日露戦争後、日本がロシアの敗因を分析していれば、神風の信仰もなくその後の無理な太平洋戦争に突き進むこともなかっただろう、と書いているのですが、 それが非常に的を得ているな、と感じました。大国ロシアに対して奇跡的に負けなかったのもきっと、奇跡なんかではなく様々な要因が積み重なった必然で、それを見誤ると大変なことになるのは、国家でも個人でもきっとあまり変わりはないのでしょうね。

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2015/01/29

怒涛の展開で奉天会戦へ進んでいく。 日露戦争は、お互い国内に問題を抱えながらギリギリのところで起こったものだったと分かった。 武力での戦いの裏で、政治的な争いがあったということが興味深いと思った。

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2014/12/06

この巻まで読んで分かったことは、日露戦争は、第一次世界大戦前に勃発した戦争のうち、最大規模相当のものだったということ。まさに、日本民族としての決戦意思が高かったことが伺える。 この巻は、五溝台の激戦から始まり、奉天会戦の手前まで。ヨーロッパで暗躍していた人物が居るということは全く...

この巻まで読んで分かったことは、日露戦争は、第一次世界大戦前に勃発した戦争のうち、最大規模相当のものだったということ。まさに、日本民族としての決戦意思が高かったことが伺える。 この巻は、五溝台の激戦から始まり、奉天会戦の手前まで。ヨーロッパで暗躍していた人物が居るということは全く知らなかった。 それにしても、バルチック艦隊は気の毒の一言に尽きる...。

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2014/11/23

日露戦争、旅順要塞陥落後。ロシア本国からアフリカ周りで極東を目指すバルチック艦隊の苦難と、明石大佐が暗躍する革命前夜のロシア情勢を描く。 草創期の明治政府、元勲たちの奇人をも使いこなす器量が光る。 ◆ロシア大使として諜報に従事し、革命勢力を支援した明石元二郎大佐について。 ...

日露戦争、旅順要塞陥落後。ロシア本国からアフリカ周りで極東を目指すバルチック艦隊の苦難と、明石大佐が暗躍する革命前夜のロシア情勢を描く。 草創期の明治政府、元勲たちの奇人をも使いこなす器量が光る。 ◆ロシア大使として諜報に従事し、革命勢力を支援した明石元二郎大佐について。 ○服装という感覚においてはまるで鈍感で、自分の姿というものを自分で統御するあたまがまるでなかった。 この点、好古もおなじだったが、好古よりもはるかにひどい。明石は生徒のころから陸軍大将になるまで一貫してそうであった。ポケットの底はみなやぶれていたし、ときどきボタンがちぎれており、軍服のところどころがやぶれていて、サーベルの鞘などはたいていさびていた。こういう人間は日露戦争後の士官学校にはとても入れなかったろうし、入れても学校生活についてゆけなかったであろう。明治初年の粗大な気分のなかでこそ、彼はかろうじて許された。 ◆戦争は外交の一形態である、との名言を地でいく分析。いわゆる司馬史観の昭和サゲですが、根性論に唾棄する姿勢は古き良きサヨ系知識人の香り。 ○もともと戦争というのは、 「勝つ」 ということを目的にする以上、勝つべき態勢をととのえるのが当然のことであり、ナポレオンもつねにそれをおこない、日本の織田信長もつねにそれをおこなった。ただ敵よりも二倍以上の兵力を集中するということが英雄的事業というものの内容の九割以上を占めるものであり、それを可能にするためには外交をもって敵をだまして時間かせぎをし、あるいは第三勢力に甘い餌をあたえて同盟へひきずりこむなどの政治的苦心をしなければならない。そのあと行われる戦闘というのは、単にその結果にすぎない。 こういう思想は、日本にあっては戦国期でこそ常識であったが、その後江戸期に至って衰弱し、勝つか負けるかというつめたい計算式よりも、むしろ壮烈さのほうを愛するという不健康な思想-将帥にとって-が発展した。

Posted byブクログ