砂の器(下) の商品レビュー
ミステリー小説の古典にして名作。下巻では何故あの人が犯行を起こしてしまったのか?事件の奥にある戦後日本の重い影が見え隠れする。連載開始時が1960年、半世紀以上も前の作品とは思えないほど筆致が瑞々しい。
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この動機の切実さに作品のすべてがかかっていると言っても過言ではないと思うけれど、現代の人にこれがどれだけ理解できているのだろうか。 違うテーマとして幾度ドラマ化されても、これには敵わない。この作品だけは原作が大切にされ続けてほしいと願っています。
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下巻は、刑事の執念がものすごく感じられた巻だった。一気に読んでしまった。僅かな手がかりを頼りに捜査するのって、本当に雲を掴む話だろうから。にしても宮田、恵美子を殺した手口が、えぇ⁉︎ってなる。そんなんで殺したの?って。ただ最後、犯人が捕まるシーン、犯行の動機があっさり終わってしま...
下巻は、刑事の執念がものすごく感じられた巻だった。一気に読んでしまった。僅かな手がかりを頼りに捜査するのって、本当に雲を掴む話だろうから。にしても宮田、恵美子を殺した手口が、えぇ⁉︎ってなる。そんなんで殺したの?って。ただ最後、犯人が捕まるシーン、犯行の動機があっさり終わってしまったのでちょっとだけ、物足りないかなぁ?という感じ。
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からまっていた糸が少しずつほぐれていくように、少しずつ、少しずつ謎が明らかになっていく。すごく丁寧に考えられた作品だなと。過去を隠して栄光をつかもうとした若者。登ってきた年月は長かっただろうが堕ちていくのはあっという間で、社会の無常さを感じる。
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被害者の返り血を浴びた服を電車の窓から棄てた成瀬リエ子、彼女に思いを寄せていた新劇の俳優の宮田邦郎、さらに関川と交際していたバーの女給の三浦恵美子と、今西の捜査線上に浮かぶ重要人物が、次々に奇怪な死を遂げていきます。 その一方で今西は、被害者の三木謙一が殺害される前に伊勢神宮の...
被害者の返り血を浴びた服を電車の窓から棄てた成瀬リエ子、彼女に思いを寄せていた新劇の俳優の宮田邦郎、さらに関川と交際していたバーの女給の三浦恵美子と、今西の捜査線上に浮かぶ重要人物が、次々に奇怪な死を遂げていきます。 その一方で今西は、被害者の三木謙一が殺害される前に伊勢神宮の参拝に出かけており、その付近の映画館で何かを見たために、予定を変更して東京へと向かったことを突き止めます。 最後の、やや性急にも思える幕切れが、かえって印象的です。
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ドラマ版のほうがトリックに無理がなく人間ドラマに重点を置いていて面白い。 苦心惨憺して真相に辿りついたのに若手にチャンスを与える今西刑事の器のでかさに感動!
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有名である分、期待が先行して、思ってたより楽しめなかった。 中居くんのドラマはもう10年以上前かしら? あれは面白かった。どんどん追い込まれてく犯人がさ。 あれを先に見ていたから、原作はだいぶ印象が違うので驚いた。
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さすが松本清張。 何回も読んで、犯人がわかっていても、ページをめくるのが楽しみだった。 ハンセン氏病の父親との放浪の旅、そこからの脱出、そして成功。そこを思うと、胸が痛くなる。突然現れた過去を知る人物の登場にどれだけ、驚愕し絶望したか。 またその人物がなんといい人か。 なんとも言...
さすが松本清張。 何回も読んで、犯人がわかっていても、ページをめくるのが楽しみだった。 ハンセン氏病の父親との放浪の旅、そこからの脱出、そして成功。そこを思うと、胸が痛くなる。突然現れた過去を知る人物の登場にどれだけ、驚愕し絶望したか。 またその人物がなんといい人か。 なんとも言えない、気持ちになる殺人。 時代背景もいろんな意味を持っていて、現在では設定できない状況だと思う。またそこも興味深い。
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上巻程の勢いは無いものの面白さはある。松本清張の文章力は素晴らしい。ドラマと設定は違うが原作も面白い。松本清張の他作品も読んでみたい。
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大時代的なところがありますので、時代劇のつもりで読みました。 犯人の棲み家や生い立ちを突き詰めることで、事件の核心に迫っていきます。現代のミステリとはちょっと角度が違いますが、動機を明らかにすることが犯人の特定に直結していて、読後感はスッキリでした。
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