砂の器(下) の商品レビュー
映画化された作品を見ると、ハンセン病患者が主役のようにインパクトが大きかったが、原作はわりとサラッと触れられているだけだった。ハンセン病患者の置かれた立場については、この本が書かれた当時では常識であったのであろうが、現代の若者が読む場合には、当時の状況を一度調べてみることをお勧め...
映画化された作品を見ると、ハンセン病患者が主役のようにインパクトが大きかったが、原作はわりとサラッと触れられているだけだった。ハンセン病患者の置かれた立場については、この本が書かれた当時では常識であったのであろうが、現代の若者が読む場合には、当時の状況を一度調べてみることをお勧めしたい。久々に本当に面白い本を読んだ。 大満足。
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* 2017年2月5日 読了。 これもとってもおもしろかった。 最後の方まで真犯人がわからなかったし、トリックに驚いたというのはなかったけど、今西刑事がじわじわと、でも確実に真相に近づいていく様に夢中になれた。 -
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読み終わり。 あらかじめ犯人は分かっていましたので彼に関する描写を見ていると意外とはっきり人となりが分かる発言がちらほら。 今だとありえないんだろうなってトリック、戸籍のことも。かえって新鮮で面白かったです。また松本清張の作品を読んでいたいなと思いました。
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国鉄蒲田操車場で発見された遺体、身元不明、この男は誰か?なぜ殺されたのか?殺したのは誰か? ベテラン刑事が謎に挑む捜査過程は、つい引き込まれる。特に、地方まで足を運んで情報を掴むところにはスリルを感じる。 しかしながら、物語全体には陰の雰囲気が漂う。人間と社会の暗い部分がよく醸し...
国鉄蒲田操車場で発見された遺体、身元不明、この男は誰か?なぜ殺されたのか?殺したのは誰か? ベテラン刑事が謎に挑む捜査過程は、つい引き込まれる。特に、地方まで足を運んで情報を掴むところにはスリルを感じる。 しかしながら、物語全体には陰の雰囲気が漂う。人間と社会の暗い部分がよく醸し出されている。 驚きの殺害方法、動機、人間のエゴ、時代背景、それらを表現する言葉などどれも人を引き込む魅力に溢れた物語だと思う。 ぜひご一読ください。 文学の仕事とは何なのか?
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相変わらず錯綜する犯人像とあちこちに散らばる手がかり。スッキリ整理されていて頭の中で経緯がゴチャゴチャにならない。終末にむけてだんだん話が加速していくところがドキドキする。 最後もなるほどなと言った感じ。 適当に照会かけまくったり、そんな気がするだけで出張に出てみたり、あとは病...
相変わらず錯綜する犯人像とあちこちに散らばる手がかり。スッキリ整理されていて頭の中で経緯がゴチャゴチャにならない。終末にむけてだんだん話が加速していくところがドキドキする。 最後もなるほどなと言った感じ。 適当に照会かけまくったり、そんな気がするだけで出張に出てみたり、あとは病気の話が出てきたりと、当時の時代背景がよく分かる。今の推理小説もの(そういうジャンルなのかこの本は)からすると、さすがに古い。
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未明の蒲田操車場で見つかった惨殺死体。手掛かりは、被害者の東北訛りと〝カメダ〟という言葉だけだった。ベテラン刑事の執念の捜査は、社会の光と闇を巡りつつ、父がハンセン病であったがゆえに家も故郷も失い、別人になりすまさねばならなかった一人の新進音楽家へと向かっていく。緻密な構成と意表...
未明の蒲田操車場で見つかった惨殺死体。手掛かりは、被害者の東北訛りと〝カメダ〟という言葉だけだった。ベテラン刑事の執念の捜査は、社会の光と闇を巡りつつ、父がハンセン病であったがゆえに家も故郷も失い、別人になりすまさねばならなかった一人の新進音楽家へと向かっていく。緻密な構成と意表を突く展開に多彩な人間模様を盛り込みながら、心に空洞を抱える青年の悲運と凶行を通じ、戦後の日本という巨大な〝砂の器〟が逆照射されていく。
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相変わらず粗い…。重要参考人が都合よく次々刑事の前に現れ、極めつけはたまたま読んだ文章に証拠隠滅の様子が登場し、ありえん、ザ推理小説ってかんじ。連載の時は少しずつ面白おかしく進んだのかもしれないけど、一気に読むとなんだそりゃ?!と驚く。人の心に触れそうでどんどん読んでしまうけど読...
相変わらず粗い…。重要参考人が都合よく次々刑事の前に現れ、極めつけはたまたま読んだ文章に証拠隠滅の様子が登場し、ありえん、ザ推理小説ってかんじ。連載の時は少しずつ面白おかしく進んだのかもしれないけど、一気に読むとなんだそりゃ?!と驚く。人の心に触れそうでどんどん読んでしまうけど読み終わると意外と浅くてもっと丁寧に書けなかったのかしらと思ってしまう。だからいろいろな監督がかえってインスピレーション刺激されてうまく脚色加えて映画やドラマ化するのかな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
初めて読んだ松本清張の作品。冗長な部分はあるものの、全編に渡る描写と雰囲気の濃さに一気に読んだ。音を用いた殺人という凶器は腑に落ちなかったのだけど、その納得感の薄さを差し引いても面白く読めた。読者が今西と同じ目線に立って読めるようになっているからだろう。 レビューで「ハンセン氏病の差別について書かれていた」とあったが、ラスト近くにあっただけであまりその意図は感じられなかった。ただ、関川が恵美子との関係をひた隠しにするなど、一見華やかな人物の後ろ暗いところの隠し方など、ハンセン氏病に限らず「触れられたくないこと」に対する人間のやましさ、臆病さについてはよく書かれていると思う。
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最後までどんどん読んでしまったけれど、やっぱり夜中に読むには怖くなります。 この手の本は、明るいうちに。 刑事ってすごいですね。 執念です。 これだけの登場人物が出てきたのに、ごちゃごちゃしなかったのもすごいです。
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すでに古典となっている作家の作品なので、トリックの斬新さや構成の緻密さが他のミステリーと比べてどうなのかよく分かりませんが、今読んでも十分に面白い内容でした。 ただ、あまりにも偶然が多すぎて、その多さに読みながら笑ってしまった。物語を推進する上で偶然の発生は必要不可欠なのだろう...
すでに古典となっている作家の作品なので、トリックの斬新さや構成の緻密さが他のミステリーと比べてどうなのかよく分かりませんが、今読んでも十分に面白い内容でした。 ただ、あまりにも偶然が多すぎて、その多さに読みながら笑ってしまった。物語を推進する上で偶然の発生は必要不可欠なのだろうが、ゆえにやりすぎてしまうとご都合主義に陥ってしまう、そのバランスが難しいんだろうな...。
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