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砂の器(下) の商品レビュー

3.8

173件のお客様レビュー

  1. 5つ

    37

  2. 4つ

    64

  3. 3つ

    52

  4. 2つ

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2022/05/18

松本清張の名作ミステリー。なのだが、今読むと時代の臭いが濃すぎてなじめなかった。トリックもまあなんだか。テーマ的に読後感もすっきりしない。

Posted byブクログ

2022/03/31

「松本清張」の『砂の器』を読みました。 先日、映画を観て、とても気に入ったので、、、 原作を読んでみたくなったんですよね。 上下巻に分かれていて、なかなかのボリューム感でしたが、どんどん先が読みたくなるような展開で苦痛なく読めました。 -----story---------...

「松本清張」の『砂の器』を読みました。 先日、映画を観て、とても気に入ったので、、、 原作を読んでみたくなったんですよね。 上下巻に分かれていて、なかなかのボリューム感でしたが、どんどん先が読みたくなるような展開で苦痛なく読めました。 -----story------------- <上巻> 東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。 被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の「今西」は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。 「今西」の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。 だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する……。 <下巻> 善良この上ない元巡査を殺害した犯人は誰か? そして前衛劇団の俳優と女事務員殺しの犯人は? 「今西」刑事は東北地方の聞込み先で見かけた“ヌーボー・グループ”なる新進芸術家たちの動静を興味半分で見守るうちに断片的な事実が次第に脈絡を持ち始めたことに気付く…… 新進芸術家として栄光の座につこうとする青年の暗い過去を追う刑事の艱難辛苦を描く本格的推理長編。 ----------------------- 映画版と重なる部分も多いのですが、、、 第二、第三の殺人事件が発生したり、自殺や事故にみせかけた犯行手口が使われていたりと… 映画版とは異なる設定になっている部分も多く、映画版よりもミステリー要素が強かったですね。 比べてみると、映画版は、どちらかというとヒューマンドラマ要素が強く、ミステリー要素は弱い感じです。 とういうか、、、 映画版は小説「砂の器」を素材としているものの、小説ではほんの少ししか触れられていない真犯人の生い立ちや苦しかった流浪(遍路)の日々をクローズアップする等、物語の構成に大きな変更が加えられているし、映画ならではの演出もしてあり、小説版とは別な物語って、印象を受けますね。 「今西」刑事の執念の捜査を丹念に描き、物語や背景に広がりのある小説版も好きですが、どっちかというと、映画版の方に軍配が上がるかなぁ。 音波を使った仕掛け… 黒板を爪でひっかく音が、ムッチャ嫌いな私には、物凄く効きそうです。 想像するだけで、嫌な思いになりますねぇ。

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2022/03/21

さすが読み応えありの推理長編。 タイトルの意味を自分なりには解釈できたのかな。 出世欲、病気、戦争などさまざまな因が絡み合う展開、今西刑事の執念がじわじわと確証に近づくなか、意外なほど静かな結末の描写に、彼の少しの安堵を感じました。 私の「電子音楽」といったら、YMOなんです...

さすが読み応えありの推理長編。 タイトルの意味を自分なりには解釈できたのかな。 出世欲、病気、戦争などさまざまな因が絡み合う展開、今西刑事の執念がじわじわと確証に近づくなか、意外なほど静かな結末の描写に、彼の少しの安堵を感じました。 私の「電子音楽」といったら、YMOなんですけども。。。 彼らにも影響を与えた作品だったのかな、と思ったり。 推理小説のトリックからまた一つ勉強させていただきました。

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2022/01/12

島崎藤村の破壊同様、人種差別の問題。 やはり、知られたくないと言う事が根底に 潜んでいる人間の性。。

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2021/12/19
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全国を飛び回り、断片的な手掛かりを1つの真実に結び付けていく刑事の根気強さには脱帽した。 途中、犯人の手掛かりを探しに、北陸の山村を訪ねる場面がある。私も幼少期に近くまで行ったことがあるが、山中温泉からさらに奥地であり、今はダムの底に沈んでいる場所だと思う。今回の悲劇が始まった山里の風景を思い浮かべた。 真実が明らかになり、結末を迎えるわけだが、読後には感動というよりも、空虚感が漂った。是非ともこの本を読んだ人、映画を見た方と会って議論したい気持ちになった。 恥ずかしながら、ハンセン病に関する知識が乏しく、改めてこの病気に関する差別の歴史と研究を学んでみたい。皮膚に異形の症状が現れるので、患者さんを初めて見た人は驚くのだろう。科学的根拠の無い差別が生じ、本人と関係者は本当に辛いことである。当然、時代とともに医療が進歩しているが、時代に関係なく差別をしてしまう「人間の業」を如実に描き、社会的問題を提起した名作だと思う。 ジブリの「もののけ姫」でも、「たたら場」で働くハンセン病患者の描写があり、そして舞台は奥出雲地域と思われる。地域の一致は偶然なのだが、連想してしまった。

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2021/12/12
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この本を読んで初めて、かつて癩病と呼ばれた病気があり、その患者が差別を受けていたと知った。出版から60年経った今でも、この作品は癩病差別の現実を伝え続けている。それは小説としてものすごい功績である。 今西刑事の推理には時々納得できなかったが、彼のひたむきな努力にはとても心惹かれた。終盤、犯人の家を訪れるシーンでは、自分の鼓動が耳で聞こえるほど緊張した。

Posted byブクログ

2021/11/27
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ドラマ化や映画化されている小説なので読んでみました。超音波での殺人は今となってはとんでもトリックだし、戦争の際に戸籍が空襲で焼けたことによる名前の変更など現代ではなかなか成立しない話が沢山あります。また読んでいて唐突だったのが元浦千代吉が出てきたところ。繰り返し読みましたが、全くわかりませんでした。

Posted byブクログ

2021/09/10

ジェンダーフリーとか色々言われているけれど、いろんな意味で少しずつ時代は多様化を容認する形に変わってきていると実感した作品でした。 犯罪捜査だって、防犯カメラとか科学的な捜査とかでこの小説の時代とは全然違うし…。 良くも悪くも社会は変わっていくのだな。 この犯人は親が世間で忌み...

ジェンダーフリーとか色々言われているけれど、いろんな意味で少しずつ時代は多様化を容認する形に変わってきていると実感した作品でした。 犯罪捜査だって、防犯カメラとか科学的な捜査とかでこの小説の時代とは全然違うし…。 良くも悪くも社会は変わっていくのだな。 この犯人は親が世間で忌み嫌われた病であるという自分ではどうしようもないことで犯罪に手を染めてしまう。 今の世だって親や兄弟が犯罪者というだけで苦労する人もいるし、犯人の婚約者のように親の地位が高いことで苦労なく生きていく人もいる。 社会って平等じゃないよな…とも感じたお話でした。

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2021/07/23
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「砂の器」を読んだのは、多分中学の夏休み。 静岡の従兄弟の家で、その一部を読んだ記憶があるから、今頃の夏休みの頃だろう。  横溝正史に夢中になりながら、その解説で取り上げられる外国のミステリー作家の名前を覚えたり、国内の他の推理作家に少し興味を持ち始めていたのだと思う。 今回、読み返してみて、一番驚いたのは、自分の記憶力。 全くと言って良いほど、覚えていなかった。 もちろん、犯人は覚えていたが、ストーリーでは、冒頭の殺人のシーンと、若い女が電車の窓から切り刻んだシャツを捨てるシーン、それと何故か方言に関する専門書の記述の箇所。 それ以外は、まるで初めて読んだ作品のように読んだ。 確か、二度くらいテレビやDVDで映画も見た筈なのだが。 これを中学生で読んで、完全に面白いとは思えなかっただろう。 やはり、当たり前だが、読書にも個人差があり、当時は早過ぎたので、あまり夢中にならなかったのだと思う。 僕は、負け惜しみのようだが、若い頃の読書ばかり勧めるのは、どうなのだろうかと、最近思い始めた。 もちろん、活字離れと言われて久しいし、寂しいことだが、若い頃読んだ本をもう一度、或いは二度、三度読むということの方が大事だと思い始めたのだ。 この作品で、癩病のことを知り、後に北条民雄の「いのちの初夜」を読んだ。 癩病のことを知らなければ、手に取らなかったかもしれない。 超音波を使った殺人や、「亀田」と「亀嵩」の誤解、映画館での真相にたどり着くまでの経緯など、今読んでも面白いが、終わりの方が、何となく駆け足のように思えた。

Posted byブクログ

2021/02/06
  • ネタバレ

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犯人は絶対に関川だと思ってたので見事に騙された、、! 映画館の写真から犯人を結びつけたのはちょっと強引かなと、、そこがちょっと残念。 ただ、自然死に見せかけて殺害した方法や、戸籍改竄は素直にすごいと思った。 空襲で元の戸籍が焼けてしまったから、というのもその時代ならでは。 原作を読んだ後に映画も見た。 映画では和賀の過去が詳しく描かれており、原作でももっとその部分があればよかったなーと思う。 和賀のパーソナルな部分が見えないからこそ、関川が犯人のように見える仕組みなんだろうけど。 関川は関川でとんでもない奴。

Posted byブクログ