砂の器(下) の商品レビュー
経歴カモフラージュや捜査撹乱の入念さが際立つ一方で、加害に至る動機やトリックはさすがに突飛で違和感がある。 しかしハンセン病差別や戦争を経た混乱等、この時代じゃないと描けない新鮮なテーマの中で動いてるという感。
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善人と誰もが認める、元警官・三木謙一を殺害したのは誰か? そして、劇団の女事務員はなぜ自殺したのか? 劇団員の男は自然死だったのか? 最後まで繋がらない… 警視庁捜査一課・今西は執念で、断片的な事実をひとつひとつ、明らかにし、繋いでいく… 今西の執念はすごい… 最後まで...
善人と誰もが認める、元警官・三木謙一を殺害したのは誰か? そして、劇団の女事務員はなぜ自殺したのか? 劇団員の男は自然死だったのか? 最後まで繋がらない… 警視庁捜査一課・今西は執念で、断片的な事実をひとつひとつ、明らかにし、繋いでいく… 今西の執念はすごい… 最後まで犯人に辿りつかない… もちろんドラマで知っているのだが… 本浦秀夫が、7才から歩んだ道は、我々が想像もできない壮絶なものであっただろう。 その過去を知る三木謙一。 彼は本浦秀夫の成長、成功を喜んでいただけだろうに… そんなに恐怖だったのだろうか… 本浦秀夫にとって、三木謙一は善人ではなかったのか… そんなはずはないはずだが… なぜ⁇
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2022.9.13 手がかりをこつこつ探し集めるところやじわじわ真相に向かっていく描写、人間関係とか、わくわくしながら面白く読み進められた。 が、最後が駆け足な気がするし、最後のネタばらしのために情報を隠しておいてるのか途中から詳細をぼかして語られるシーンが多くて(書いた手紙の内...
2022.9.13 手がかりをこつこつ探し集めるところやじわじわ真相に向かっていく描写、人間関係とか、わくわくしながら面白く読み進められた。 が、最後が駆け足な気がするし、最後のネタばらしのために情報を隠しておいてるのか途中から詳細をぼかして語られるシーンが多くて(書いた手紙の内容とか、急に本浦親子でてきたりとか)なんだかモヤモヤした。あと、ポケットマネーで休暇中に捜査したりとか、今西が勝手をしすぎじゃないかなとか思ったり、2人目と3人目の殺人方法もいまいちピンと来なかったり。可能なのかもしれないけど。あと関川がクズ
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一気に読みました。松本清張は初めてだったかもしれません。 下巻で一気に核心に迫っていくさまは、さすがと思いました。時代が変わっても面白さは色褪せていない!
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上巻はとても面白く、事件解決の手かがりを1つずつ発見していく展開に、また新進芸術家たちと彼らを取り巻く人間模様に引き込まれた。だが、下巻のラスト3分の1で感じたのは「そんなトリックは無理がある」。これだったら第3、第4の事件は必要なかったのでは? 前半が秀逸だっただけに、最後が...
上巻はとても面白く、事件解決の手かがりを1つずつ発見していく展開に、また新進芸術家たちと彼らを取り巻く人間模様に引き込まれた。だが、下巻のラスト3分の1で感じたのは「そんなトリックは無理がある」。これだったら第3、第4の事件は必要なかったのでは? 前半が秀逸だっただけに、最後がいただけなくて残念だった。星2つ。
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松本清張の名作ミステリー。なのだが、今読むと時代の臭いが濃すぎてなじめなかった。トリックもまあなんだか。テーマ的に読後感もすっきりしない。
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「松本清張」の『砂の器』を読みました。 先日、映画を観て、とても気に入ったので、、、 原作を読んでみたくなったんですよね。 上下巻に分かれていて、なかなかのボリューム感でしたが、どんどん先が読みたくなるような展開で苦痛なく読めました。 -----story---------...
「松本清張」の『砂の器』を読みました。 先日、映画を観て、とても気に入ったので、、、 原作を読んでみたくなったんですよね。 上下巻に分かれていて、なかなかのボリューム感でしたが、どんどん先が読みたくなるような展開で苦痛なく読めました。 -----story------------- <上巻> 東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。 被害者の東北訛りと“カメダ”という言葉を唯一つの手がかりとした必死の捜査も空しく捜査本部は解散するが、老練刑事の「今西」は他の事件の合間をぬって執拗に事件を追う。 「今西」の寝食を忘れた捜査によって断片的だが貴重な事実が判明し始める。 だが彼の努力を嘲笑するかのように第二、第三の殺人事件が発生する……。 <下巻> 善良この上ない元巡査を殺害した犯人は誰か? そして前衛劇団の俳優と女事務員殺しの犯人は? 「今西」刑事は東北地方の聞込み先で見かけた“ヌーボー・グループ”なる新進芸術家たちの動静を興味半分で見守るうちに断片的な事実が次第に脈絡を持ち始めたことに気付く…… 新進芸術家として栄光の座につこうとする青年の暗い過去を追う刑事の艱難辛苦を描く本格的推理長編。 ----------------------- 映画版と重なる部分も多いのですが、、、 第二、第三の殺人事件が発生したり、自殺や事故にみせかけた犯行手口が使われていたりと… 映画版とは異なる設定になっている部分も多く、映画版よりもミステリー要素が強かったですね。 比べてみると、映画版は、どちらかというとヒューマンドラマ要素が強く、ミステリー要素は弱い感じです。 とういうか、、、 映画版は小説「砂の器」を素材としているものの、小説ではほんの少ししか触れられていない真犯人の生い立ちや苦しかった流浪(遍路)の日々をクローズアップする等、物語の構成に大きな変更が加えられているし、映画ならではの演出もしてあり、小説版とは別な物語って、印象を受けますね。 「今西」刑事の執念の捜査を丹念に描き、物語や背景に広がりのある小説版も好きですが、どっちかというと、映画版の方に軍配が上がるかなぁ。 音波を使った仕掛け… 黒板を爪でひっかく音が、ムッチャ嫌いな私には、物凄く効きそうです。 想像するだけで、嫌な思いになりますねぇ。
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さすが読み応えありの推理長編。 タイトルの意味を自分なりには解釈できたのかな。 出世欲、病気、戦争などさまざまな因が絡み合う展開、今西刑事の執念がじわじわと確証に近づくなか、意外なほど静かな結末の描写に、彼の少しの安堵を感じました。 私の「電子音楽」といったら、YMOなんです...
さすが読み応えありの推理長編。 タイトルの意味を自分なりには解釈できたのかな。 出世欲、病気、戦争などさまざまな因が絡み合う展開、今西刑事の執念がじわじわと確証に近づくなか、意外なほど静かな結末の描写に、彼の少しの安堵を感じました。 私の「電子音楽」といったら、YMOなんですけども。。。 彼らにも影響を与えた作品だったのかな、と思ったり。 推理小説のトリックからまた一つ勉強させていただきました。
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島崎藤村の破壊同様、人種差別の問題。 やはり、知られたくないと言う事が根底に 潜んでいる人間の性。。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
全国を飛び回り、断片的な手掛かりを1つの真実に結び付けていく刑事の根気強さには脱帽した。 途中、犯人の手掛かりを探しに、北陸の山村を訪ねる場面がある。私も幼少期に近くまで行ったことがあるが、山中温泉からさらに奥地であり、今はダムの底に沈んでいる場所だと思う。今回の悲劇が始まった山里の風景を思い浮かべた。 真実が明らかになり、結末を迎えるわけだが、読後には感動というよりも、空虚感が漂った。是非ともこの本を読んだ人、映画を見た方と会って議論したい気持ちになった。 恥ずかしながら、ハンセン病に関する知識が乏しく、改めてこの病気に関する差別の歴史と研究を学んでみたい。皮膚に異形の症状が現れるので、患者さんを初めて見た人は驚くのだろう。科学的根拠の無い差別が生じ、本人と関係者は本当に辛いことである。当然、時代とともに医療が進歩しているが、時代に関係なく差別をしてしまう「人間の業」を如実に描き、社会的問題を提起した名作だと思う。 ジブリの「もののけ姫」でも、「たたら場」で働くハンセン病患者の描写があり、そして舞台は奥出雲地域と思われる。地域の一致は偶然なのだが、連想してしまった。
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