砂の器(下) の商品レビュー
ドラマでも話題になっ…
ドラマでも話題になったこの作品、是非読んでみてください!!
文庫OFF
良く練られたトリックですが、現実にあり得るのでしょうか…? 途中途中、話が複雑になってきたかな、と思った辺りで、他の人に説明する形でおさらいしてくれるのは有り難かったです。 会話や描写に時代を感じますね。
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一度読んであったものを、映画を見たあとに再読。 犯人を追い詰めていく様はスリリングだが、映画版ほどの情緒はなかった。 映画版とセットで楽しむと良いと思う。
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阻害された孤独な人物を主人公として、その深淵を覗いた、深く深刻な問題を含んだ小説 母との別れ、父との別れ、病気による差別、浮浪児としての孤独と恐怖、戦争、そして孤独、主人公の人生がどれだけ辛くて苦しいものだったのか、私の未熟な想像力では計り知れない。 戦後、浮浪児が恥ずべきもの...
阻害された孤独な人物を主人公として、その深淵を覗いた、深く深刻な問題を含んだ小説 母との別れ、父との別れ、病気による差別、浮浪児としての孤独と恐怖、戦争、そして孤独、主人公の人生がどれだけ辛くて苦しいものだったのか、私の未熟な想像力では計り知れない。 戦後、浮浪児が恥ずべきもの、差別されるものだったと妻にも言えず隠し通していた元浮浪児の方の手記を読んだことがある。 すごい時代、信じられない。秀雄には何重にも苦しいことの連続、自分のせいではない、まさに人生に翻弄される哀れさが、想像しただけで痛々しく刺さる。 秀雄の人生を軽くのぞく程度で、この小説は終わっている。秀雄についての文章はわずか数ページのみで、あとはひたすらに事件真相を追い求める話。出てくるのは偽りのわがえいりょうのみ。 その質量の差が、逆に強烈な読後感をもたらす。 自分のせいじゃないのに、この辛さはどうしようもない。誰に当たっても仕方がない。懸命に人生を生きて、立て直しをしていた秀雄は本当に強く逞しい。 巡査が、人の良く素晴らしい人物だと理解していれば、殺人まではしなかったんだろうな。 そしてこの人なら、絶対漏らさないだろうし。 驚愕、苦悶は言語で絶するものがあったと想像される。まさにこの表現通り、命をかけて人生の立て直しをしていただろうから… 人生なんて、ちょいとしたきっかけで運命が変わるということがよくわかりますよ どんなに努力しても、ほんの些細なかけ違いで崩れ落ちてしまう、まさに「砂の器」このタイトルにも深みがあり、唸らせられた。 過去に戻ったとして、やり直したい運命のかけ違いは、主人公にとってどこなんだろう ドラマ、映画も見たくなったなー
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めちゃくちゃよかった。今回この小説を読むにあたって、私の中で松本清張作品が生々しく感じる小説なのかということを考えながら読んでみた。思うに、一つは真相を追求するにあたって、探偵役(今作だと今西刑事)が「推理の失敗」を重ねているからだと思う。松本清張において「名探偵」はあまり登場しないように思われる。(勿論全てを読んでいるわけではないので必ずしもというわけではないだろうけど)しかし、推理を百発百中で的中させる名探偵がいないからこそ、「この推測も違った、こっちはどうだろう」と悩みながら真相を追い求めていくその過程が、作品にリアリティを産んでいるのかな、などと考えた。 また、解説にもあるが、事件解決後の事後の話を描いている作品はあまりないようにも思われる。だからこそ正義が勝ってよかったねという大団円のハッピーエンドではなく、あくまで切り取られた日常の一場面に過ぎない、と言っているように感じて、そこがまたリアリティを産んでいるようにも思われる。 松本清張といえば社会派。特に今回の作品は、個人的に他作品よりも色々と考えさせられることが多かった。それは、「ハンセン病(作中ではらい病)」が今作品のテーマの一つになっているからだと思う。 この作品は、ひた隠しにしている過去が暴かれようとしているところから話が始まる。令和を生きている私たちにとってハンセン病という病気は、良くも悪くも過去の話になってしまっているなと感じる。何より私自身がハンセン病についてあまり詳しく知っていない。だからこそ、当時この病がもたらした差別や偏見の怖さについて残念ながら深く理解することができなかった。ふと、数年まえのコロナ禍真っ盛りの時、コロナ感染者が誹謗中傷されたりしたり感染したことをひた隠しにしたりする動きがあったことを思い出した。それよりもうんと深い問題だと考えると、この作品の背景のハンセン病差別の問題の闇の深さが断片的にわかる。もっと深く知っていれば、もっともっと自分の心に訴えてくる作品になると思う。深く知らなかったこと、それが何より悔しいなと思う。
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刑事がミスリードされているように感じながら、まんまと犯行動機を想像し読み進める。読み易く全てにおいて納得のいく展開。今西刑事がまわり道する過程も無駄に感じず、犯人の過去が分かった場面は思わず唸らせられる。
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上下巻の感想です。 ミステリーの名作でググるとでてくる作品の一つ。 約60年前のものなので読めるか心配だったけど時代のギャップも楽しめて面白い。 例えば大阪への移動が夜行だったり、男女の上下関係、個人情報がダダ漏れ、2人で飲んで750円などなど、それに人々の付き合いも密だったんで...
上下巻の感想です。 ミステリーの名作でググるとでてくる作品の一つ。 約60年前のものなので読めるか心配だったけど時代のギャップも楽しめて面白い。 例えば大阪への移動が夜行だったり、男女の上下関係、個人情報がダダ漏れ、2人で飲んで750円などなど、それに人々の付き合いも密だったんですなと。 内容も前半は刑事と関係者が近所だったり、ちょっと強引だなと思ったりしたけど、これも時代背景かなと。 所々、他の本(当作品より後のもの)を連想させるものがあり、色々な作家に影響を与えてるのかなと思いました。
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想像してたよりも怖くなかったけど、ぞわっとする場面が何個かあって、刑事が徐々にヒントから解決に導いていく過程が読んでいてとても面白かった。 殺害された理由は想像してたものとはかなり違って驚いたけど、三木謙一さん、とても良いひとだったんだな。 たしかに、昭和の話だから、令和っ子の自...
想像してたよりも怖くなかったけど、ぞわっとする場面が何個かあって、刑事が徐々にヒントから解決に導いていく過程が読んでいてとても面白かった。 殺害された理由は想像してたものとはかなり違って驚いたけど、三木謙一さん、とても良いひとだったんだな。 たしかに、昭和の話だから、令和っ子の自分からするとあっさりとしてて実感が湧きづらい。けど当時の人だともっとぞわっと来るものがあったのかな
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上巻に続いて、14~15年振りの再読。 結末を知っているのに、夢中になって読んでしまった。さすが松本清張。 今では耳にすることのないハンセン病や、戦時中の戸籍の焼失。 当時としては読者側も実感をもって読めたんだろうけど、私に知識がないばかりに少しあっさりな感じもした。 できたら和賀英良側からの話も読んでみたかった。 しかし、超音波で殺人なんてガリレオみたいな話だったんだな。すっかり忘れていた。 また15年位経ったら再々読しよう。
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【おすすめポイント】映画やドラマにもなった有名な長編推理小説ですが、事件の大きな要素として感染症であるハンセン病が絡んできます。この病気や罹患者がどのように扱われてきたのか、どのような目で見られていたのか、一緒に展示している歴史の本も読んで考えてみてください。 【請求記号】910...
【おすすめポイント】映画やドラマにもなった有名な長編推理小説ですが、事件の大きな要素として感染症であるハンセン病が絡んできます。この病気や罹患者がどのように扱われてきたのか、どのような目で見られていたのか、一緒に展示している歴史の本も読んで考えてみてください。 【請求記号】910.26:Ma:2 【配置場所】1階新書庫右 【URL】https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28227631
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