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砂の器(下) の商品レビュー

3.8

173件のお客様レビュー

  1. 5つ

    37

  2. 4つ

    64

  3. 3つ

    52

  4. 2つ

    8

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2021/01/21

友達が持っていたので、借りて読んだ。最初の事件での方言を頼りに捜査するところから、謎が徐々に解けていき、非常に読みやすい作品だった。

Posted byブクログ

2021/01/12

トリックの精緻さ、捜査の進展の自然さ、謎解きの瞬間の快感、といった推理小説において一般的に求められる点において本作が特段優れているとは思いません。 しかし、私は間違いなく傑作だと思います。 一つの殺人事件の捜査という流れの中で、当時の社会の情勢、負の部分を、裏付けのある事実と淡...

トリックの精緻さ、捜査の進展の自然さ、謎解きの瞬間の快感、といった推理小説において一般的に求められる点において本作が特段優れているとは思いません。 しかし、私は間違いなく傑作だと思います。 一つの殺人事件の捜査という流れの中で、当時の社会の情勢、負の部分を、裏付けのある事実と淡々とした筆致によって克明に描き出し、終始リアリティーと重々しさのある世界観に読者を没頭させます。これは、筆力のみならず、幅広い博学知識と社会を冷静に鋭く評価できる洞察力、そして労を厭わない取材力がなければなせない技だと思います。 また、ハンセン病、戦争被害といった社会問題が当時どのような意味を持っていたのかということを考える上でも非常に参考になる作品でもあります。

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2020/11/15

最後のトリックは少し意外なものでしたが、昭和の時代背景も読み取れる話で、するすると読むことができました。

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2020/07/24

方言・思想・映画等、入念に調べたうえでプロット構成されている。東京から秋田、島根、大阪など、広域にまたがって物語が展開していくため、自分も主人公といっしょに出張している気分になった。 残念ながら、個人的には苦手な文体・表現方法だった。物語のキーとなる人物の背景に、作者の影がちらり...

方言・思想・映画等、入念に調べたうえでプロット構成されている。東京から秋田、島根、大阪など、広域にまたがって物語が展開していくため、自分も主人公といっしょに出張している気分になった。 残念ながら、個人的には苦手な文体・表現方法だった。物語のキーとなる人物の背景に、作者の影がちらりとみえてしまう。関係者の心情の揺れ動きなどはほとんど描写されず、謎解きに特化していた。(推理小説だから当たり前かもしれないが・・・。) 作品が書かれた時代が、自分が生きたことのない時代であったため、感覚的につかみづらい場面も。例えば、お金の価値や、通信に要する時間、大家さんの家にお茶に呼ばれることなど…。時代が異なれば、事件の展開スピードや転機となる行動、人のふるまい方なども異なることを体感した。

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2020/04/01

昭和の社会問題を背景に描く松本清張ミステリー。「砂の器」は、病気、戦争を背景にした作品。主人公の刑事が真面目に一歩ずつ犯人を追い詰めていく展開に、頁をめくる手が止まりませんでした。

Posted byブクログ

2020/03/01

評論家や小説家、美術家や音楽家など前衛新鋭と自称する若手芸術家の集団。一方、戦災による戸籍の焼失により過去をすり替え、のし上がってきた犯人。クラシック音楽のように幼少期からの英才教育とは無縁の電子音楽、パラボラを使う音波による前衛的とした音楽家を仕立てるあたりも戦後の昭和、高度経...

評論家や小説家、美術家や音楽家など前衛新鋭と自称する若手芸術家の集団。一方、戦災による戸籍の焼失により過去をすり替え、のし上がってきた犯人。クラシック音楽のように幼少期からの英才教育とは無縁の電子音楽、パラボラを使う音波による前衛的とした音楽家を仕立てるあたりも戦後の昭和、高度経済成長期を思わせつつも、戦後の暗い影を引きずった作品に仕上げているあたりが、清張のにくい演出。

Posted byブクログ

2019/10/23

割と最近、とはいっても10数年前に読んだんです。さすがに名作の誉れ高いし読んでおくべきだろうと。現代とはインテリの扱いが違っていて違和感が有ったのでそんなに入り込めなかったのが残念な気がしました。これは本の問題ではなくて受け取り手(僕)の問題だと思います。

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2019/07/15
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※このレビューにはネタバレを含みます

1.松本清張といえば、このシリーズという人も多いということで購入しました。 2.思ったとおりの手がかりが掴めずにいた今西だったが、家に帰って生活していると、ふと気づくことができた。それは、ヌーボー・グループとよばれる芸術家達のことである。興味半分でみていたところ、事件との関係性に気づいた。前半の手がかりが一気に繋がり、今西の捜査が加速していくのが後半です。 3.前半とは違い、散らばってた手がかりを一気に繋いで真相に導いたことで、疾走感のある後半でした。結論は、音波を使っての殺害という芸術家らしい殺害方法でした。 前半が丁寧に詰めて、後半はクライマックスに向けて一気に描いたので、速く感じました。そのため、今まで見てきたミステリーよりも主人公のはやる気持ちが伝わってきたところが楽しめた部分でした。

Posted byブクログ

2019/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なかなか繋がらなかった意図がラストに向けて一気に繋がっていく。前半の伏線が見事に回収される。 当初から、どちらかが犯人だなと思わせて、やはり意外な方が犯人。あえてミスリードを誘う。 映画やドラマなら配役で犯人が、すぐわかってしまう。原作も映画も初めてだったので最後まで楽しめて良かった。 まだよくわからない点もあるので、もう一度読もう。

Posted byブクログ

2019/05/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【ネタバレあり】 下巻。 トリックが科学的なものだったのでちょっとびっくりした。 本浦千代吉の名前が突然出てきたりとか、関川と恵美子の関係にいつ気付いたのかとか、疑問に感じるところも結構あったけど、それよりも今西刑事の地道な捜査が実を結んだという達成感の方が強かった。手掛かり求めて西へ東へ奔走したのは無駄ではなかったのだなぁ。旅情ミステリの感もあり、楽しめました。 戦後昭和の世相を映した名作だと思う。

Posted byブクログ