対岸の彼女 の商品レビュー
同名映画の原作本!
第132回「直木賞」受賞作。ある一面で正反対の女性2人の、過去と今。交錯するふたつの視点で浮かびあがる「女の友情」。リアルに描かれる女性達の姿は、鋭くも暖かく心に触れて……考えさせられます。
yoko
2日ほどで一気に読んだ。 作者と同年代なので時代の空気感など、なんとなくわかるなと思うところが多かった。場面場面で、葵や小夜子本人目線になったり、葵の母親目線になったり、母であり妻である小夜子に感情移入したり、読んでいる間、心がいそがしかった。 ラストが良かった。 「私たちは何...
2日ほどで一気に読んだ。 作者と同年代なので時代の空気感など、なんとなくわかるなと思うところが多かった。場面場面で、葵や小夜子本人目線になったり、葵の母親目線になったり、母であり妻である小夜子に感情移入したり、読んでいる間、心がいそがしかった。 ラストが良かった。 「私たちは何のために歳を重ねるのだろうか。」 その言葉が心に残った。
Posted by
交互に進んでいく二人の女性の物語に完全に引き込まれてしまった。葵と小夜子が仲違いしたまま終わらないでよかったです。歳をとることと、出会い。ちょうど今考えていたことだったし、高校生活と社会の対比構造もすばらしく好みに合い、読みやすかった。
Posted by
直木賞受賞で話題になったときに一度読み、最近朱野帰子さんの『対岸の家事』という小説を読んだことで本書を思い出して再読しました。 2004年発行から約20年か…。なるほど時代を感じるなと思った。古臭いという意味ではないです。直木賞というのはその時代時代を表しているものなんだなぁっ...
直木賞受賞で話題になったときに一度読み、最近朱野帰子さんの『対岸の家事』という小説を読んだことで本書を思い出して再読しました。 2004年発行から約20年か…。なるほど時代を感じるなと思った。古臭いという意味ではないです。直木賞というのはその時代時代を表しているものなんだなぁって実感しました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
結婚や出産を全くせず、少し変わった学生生活を過ごした女社長と、結婚や出産を経験し、子育てで忙しながらも人に無理に合わせながら生きていく主人公の過去と現在を綴った物語だった。 女社長と主人公の過去と現在のエピソードが交互に描かれており、所々混乱しながら読んだ。 展開が遅く、少し読みづらい物語だったため何日もかけて読み終えた。 どんな人でも辛い過去があって、それを乗り越えて今生きているのだなと思った。
Posted by
専業主婦と、バリバリ仕事をする女社長の、対立の話かと思ってたが違った。自分を抑え、人の目をきにしながら、ひとりぼっちになる事に恐怖を感じながら、毎日を過ごしてきた専業主婦小夜子。一見、対象的に見える社長葵。小夜子の視点で語る「現在」と、葵の視点で語る「過去」が交互に進行していくん...
専業主婦と、バリバリ仕事をする女社長の、対立の話かと思ってたが違った。自分を抑え、人の目をきにしながら、ひとりぼっちになる事に恐怖を感じながら、毎日を過ごしてきた専業主婦小夜子。一見、対象的に見える社長葵。小夜子の視点で語る「現在」と、葵の視点で語る「過去」が交互に進行していくんだけど、葵の過去は、今の小夜子に重なる。人に合わせて、ひとりぼっちになるのを避けるより、自分のままでひとりでいる方が楽だと思う私には、あまり共感できなかった。ただナナコのその後が、とても気になります。
Posted by
自分の子どもの様子を見て、自分が子どもの時と重なる。 これは実際に経験したことはないけれど、だけれど容易に想像することができた。 結婚して出産した小夜子。 結婚も出産もしなかった葵。 ふたりの関係と、子ども時代が交互に描かれる。 自分とは違う人生を送った「対岸」の相手は、自分...
自分の子どもの様子を見て、自分が子どもの時と重なる。 これは実際に経験したことはないけれど、だけれど容易に想像することができた。 結婚して出産した小夜子。 結婚も出産もしなかった葵。 ふたりの関係と、子ども時代が交互に描かれる。 自分とは違う人生を送った「対岸」の相手は、自分とは違うものを持っていて「隣の芝は青い」状態で引き合う…のかと思っていたら、やはり他人の人生は「対岸」でしかないのだ。 周りの噂話やそのときの気分で勝手に相手の人生を想像する。妄想して決めつけて自分の中で完結する。 わかりあえそうなのに、なかなかわかりあえない。 それぞれ家庭に対して抱くそれぞれのモヤモヤがなんだか現実的だった。 それぞれ、いろいろあるものだ。 だけれど、人は人に出会って生きていく。 希望の光が差し始めた終わり方だったけれど、もうちょっと明るい気持ちになれる作品を読みたい気分だったのだと読後に感じた。
Posted by
なんのために歳を重ねたのか。 あの頃と同じように周りに合わせて、さして大切では無い相手との関係を途切れさせないように必死になって。こんな風に思う人が、世間にどれくらいいるのだろうか。評価されたく無いと言いながら、少しでもよく見られたいと願う自分がいて。 自分は、吹っ切れる瞬間が...
なんのために歳を重ねたのか。 あの頃と同じように周りに合わせて、さして大切では無い相手との関係を途切れさせないように必死になって。こんな風に思う人が、世間にどれくらいいるのだろうか。評価されたく無いと言いながら、少しでもよく見られたいと願う自分がいて。 自分は、吹っ切れる瞬間が訪れて、ずいぶん色々楽になった気がする。まぁやってみようや。何をそんなに怖がっていたんだろう。そんな風に思えるようになって、楽になった。
Posted by
何のために年を重ねるのか、私はどこへ行こうとしているのか。それを考えさせられた。 葵が海外の1人旅で現地の人に金をとられ、信じることが怖くなったとき、でも生き抜くために「えいっ」と思いきりよく、「私はこの世界を信じるんだ」と言い切った瞬間が好き。覚悟と共に、解放感も感じた。
Posted by
なんか良かった。うまく言葉に出来ないしチープになっちゃうけど。 青春も感じた、青春に捕らわれてる大人を感じた、社会を感じた、何より共感した。 自分も何かから脱出しようでも出来ないって、将来さらにひどくなるんじゃないかって。 中学受験に出てきそうな感じ。
Posted by