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ガリヴァー旅行紀 の商品レビュー

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71件のお客様レビュー

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当時のヨーロッパ社会…

当時のヨーロッパ社会を痛烈に諷刺した作品です。当時の時代背景がわかっていると一層楽しめます。

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まじめに読むとこども…

まじめに読むとこどものころから思っていた話とぜんぜん違って驚いた。

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筆鋒はほとんど諷刺の…

筆鋒はほとんど諷刺の枠をつき破り、ついには人間そのものに対する戦慄すべき呪詛へと行きつかずには止まない。

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ガリヴァーは様々な国…

ガリヴァーは様々な国を旅した。なんと日本にもその足を伸ばしていたのだ。一体日本のどこに?興味がわいた方、読んでみてください!

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童話とはまったく違い…

童話とはまったく違います。諧謔や風刺、皮肉に満ちた内容は童話版よりも遥かに面白い。

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2024/11/11

ジョナサン・スウィフトの『ガリバー旅行記』は、一見すると奇想天外な冒険譚に過ぎない。しかし本書の真価は、啓蒙主義が称揚する「理性」の限界を、その内側から暴き出した点にある。本書は旅行記の形式を借りた哲学的寓話であり、同時に、近代的主体の解体の書でもある。 著者は「異世界」との邂逅...

ジョナサン・スウィフトの『ガリバー旅行記』は、一見すると奇想天外な冒険譚に過ぎない。しかし本書の真価は、啓蒙主義が称揚する「理性」の限界を、その内側から暴き出した点にある。本書は旅行記の形式を借りた哲学的寓話であり、同時に、近代的主体の解体の書でもある。 著者は「異世界」との邂逅を通じて、人間理性の相対性を暴露していく。これは単なる風刺ではない。むしろ、フーコーが『狂気の歴史』で描き出した「理性による狂気の排除」の過程を、逆説的に照射する試みとして読むことができる。 本書の批判的構造は、以下の三層において展開される: 1.スケールの相対化による理性批判 ・小人国における「巨人の理性」の無力 ・巨人国における「人間的尺度」の虚妄 ・相対的視点の導入による絶対的理性の解体 2.理性の極限と狂気の臨界点 ・ラピュタにおける純粋理性の狂躁 ・馬の国における理性と獣性の転倒 ・「理性的存在」としての人間の虚構性 3.啓蒙的主体の解体過程 ・文明社会への幻滅 ・理性的人間観の破綻 ・帰還後の「狂気」の意味 特筆すべきは、著者による理性批判の方法論だ。それは理性の外部から行われるのではなく、理性それ自体の論理を極限まで推し進めることで、その自己崩壊を導き出す。この手法は、アドルノとホルクハイマーが『啓蒙の弁証法』で展開した批判的方法の先駆といえる。 さらに注目に値するのは、「旅」という形式の採用である。ガリバーの移動は地理的であると同時に存在論的でもある。各訪問地は「理性」の異なる様態を体現しており、その遍歴は啓蒙的主体の解体過程と重なり合う。 本書の現代的意義は、合理主義的世界観の限界を、その内側から描き出した点にある。特に最終章における「理性的な馬」と「獣的なヤフー」の対比は、人間中心主義的な理性概念への根源的な問いかけとして読むことができる。 ただし、著者の企図には一定の両義性も存在する。特に、理性批判と保守主義的な文明批判との関係については、より詳細な検討が必要だろう。また、「狂気」の復権が必ずしも解放には結びつかない可能性も考慮されねばならない。 それでもなお、本書は啓蒙思想研究に決定的な視座を提供する。特に、近代的主体の成立と崩壊を考察する上で、基礎的な範例となるだろう。理性の自己批判がいかなる地点に到達しうるか―その極限の一端を本書は示している。

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2023/06/21

図書館で借りた。 「ガリバー」「ガリヴァー旅行記」と聞いて、話の内容までパッと出てくる人はどれだけいるだろうか。巨人と小人の童話ものがたり、で記憶している人もいるのかもしれない。私は幼少の頃に、巨人がたくさんの小人に縛られている絵が幼心に痛々しく感じて、記憶の片隅に残っていた。 ...

図書館で借りた。 「ガリバー」「ガリヴァー旅行記」と聞いて、話の内容までパッと出てくる人はどれだけいるだろうか。巨人と小人の童話ものがたり、で記憶している人もいるのかもしれない。私は幼少の頃に、巨人がたくさんの小人に縛られている絵が幼心に痛々しく感じて、記憶の片隅に残っていた。 本作は童話ではない。社会風刺の小説だ。普通の人間が大海原を旅したら、小人の国にたどり着いたり、巨人の国や、空飛ぶ島に行っての大冒険…という側面はたしかにあるが、実態は1700年当時のイギリスを示唆している。異国・異文化に対する政策、宗教に対する政策、王族の判断…、風刺はピンとこないものも多いが、本作はそもそもフィクションなので、比較的分かりやすい。今にも繋がる、大人向けの風刺小説と感じた。 尚、作中に日本も登場する。ナンガサク称する長崎や、ヨーロッパ人に対して踏み絵を迫るなど、当時の時代背景の理解が深まる。 また、細かい発見がたくさんあった。 皆さんご存知宮崎駿の『天空の城ラピュタ』の「ラピュタ」は本書の空飛ぶ島から来ているし、小人を表す「リリパット」、またエンジニアなら知ってる「エンディアン」もこの本が由来。「ヤフー」もこの本では当たり前に登場し面食らった。それだけ影響力がある作品とも言える。 大人になってからこそ、読むのにオススメできる1冊。

Posted byブクログ

2024/08/21

フウイヌム(馬)の国。理性と徳をもつ馬の国。凶悪で不快な下等生物ヤフー(人間)。ヤフー(人間)は家畜として飼われている。ヤフー(人間)は、狡く(ずるく)、意地が悪く、陰険で、復讐心に富んだ連中。臆病であるため傲慢で、卑屈で残酷。嘘をつき、ごまかし、騙し、二枚舌を使う悪癖。▼ヤフー...

フウイヌム(馬)の国。理性と徳をもつ馬の国。凶悪で不快な下等生物ヤフー(人間)。ヤフー(人間)は家畜として飼われている。ヤフー(人間)は、狡く(ずるく)、意地が悪く、陰険で、復讐心に富んだ連中。臆病であるため傲慢で、卑屈で残酷。嘘をつき、ごまかし、騙し、二枚舌を使う悪癖。▼ヤフー(人間)は残酷で忌まわしい性質をもっているが、自らは理性の所有者だと称している。その理性は完全に腐敗堕落しきっていて、単なる獣性よりもさらに恐ろしい。p.348. 理性と徳をもつフウイヌム(馬)がすべての仲間を愛するのは自然に教わったからであり、理性の命令に従っているから。p.432。 空飛ぶ島ラピュータ。どのラピュータ人も右か左かに頭が傾いている。一方の眼は内側に向き、他方の眼は真っすぐに天に向いている。衣裳は太陽と月と星の意匠で飾られている。▼ラピュータ人は常に不安に襲われている。天体に異変が起きないか。太陽に地球が吸収されないか。彗星によって地球が破壊されないか。深い思索に沈潜(ちんせん)しがちで、思索に入ると自らものを言うことも、他人の言っている言葉に耳を傾けることもできない。 日本。首都エドで、皇帝に謁見。踏絵を免除してもらう。ナンガサクからオランダ人の船でアムステルダム経由で英に帰る。ジョナサン・スウィフト『ガリヴァー旅行記』1726 自分の生活の明るい面をより強く見、暗い面はあまり見ない。なくて困っているものよりも、現に享有しているものを考える。こうした考え方がしみじみとした深い慰めを私に与えてくれた。▼危険への恐れは、危険そのものよりも一万倍恐ろしい。▼今日、私たちは明日憎むことになるものを大事にしている。明日避けることになるものを探し求めている。明日恐れることになるものを欲している。ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』1719 感染者が出た家は完全に隔離された。その家からだれも出入りしないよう監視人(ウォッチマン)が置かれた。監視人は2人で、1人は昼、もう1人は夜を担当した。コーヒーハウスにはインチキ医者たちが徘徊し、インチキ薬の広告が数多く貼られた。ダニエル・デフォー『ペスト』1722 ※ペストは14世紀だけでなく、何度も発生している。

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2023/03/24

小人、巨人の国しか知らなかった。 風刺の物語の意味がわかった。 Yahooの語源も。 みずから体に悪いものをたくさん摂取して、健康を害してるか… 著者は本当に日本に来たことがあるのかな? 想像ですべてを書いたのだとしたら、天才か狂人。 300年前の物語とは思えない。映画化してほし...

小人、巨人の国しか知らなかった。 風刺の物語の意味がわかった。 Yahooの語源も。 みずから体に悪いものをたくさん摂取して、健康を害してるか… 著者は本当に日本に来たことがあるのかな? 想像ですべてを書いたのだとしたら、天才か狂人。 300年前の物語とは思えない。映画化してほしいな。

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2022/03/26

一度全て読めば、誰もが驚くだろう。 幼少期の頃に読んだガリバー旅行記のファンタジーな雰囲気とは一転、物語後半に進むにつれて、人間世界への疑問、皮肉、風刺へと変わっていく。 理性的な馬の国で見たものは衝撃的で、フウイヌムがいかに賢明な生き物かが分かる。 人間社会は欲にまみれ、利...

一度全て読めば、誰もが驚くだろう。 幼少期の頃に読んだガリバー旅行記のファンタジーな雰囲気とは一転、物語後半に進むにつれて、人間世界への疑問、皮肉、風刺へと変わっていく。 理性的な馬の国で見たものは衝撃的で、フウイヌムがいかに賢明な生き物かが分かる。 人間社会は欲にまみれ、利己的で、暴力が絶えない世界である。 しかし、人間に生まれた以上楽しむしかないよな。

Posted byブクログ