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ガリヴァー旅行紀 の商品レビュー

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71件のお客様レビュー

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    21

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2014/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ガリバーが最初に到達した「小人国」は誰でも知っているだろうし、その後迷い込んだ「巨人国」までなら知っている人もいるかもしれない。 しかしその後「日本」や「ラピュタ」、そして「馬人国」まで行っている事を知っている人は少なかろう。 そして岩波文庫版では巻末にドッと注釈が載っているのだが、これほどまで風刺に満ちていると知っている人はほとんどいないのではないか。  その風刺は「小人国」あたりではまだ当時英国に実在したウォルポール内閣を皮肉る程度(この事により書かれた年代が実際の世界史と符合する)なのだが、「巨人国」ではとにかく女性の体臭や風貌を批判するような論調になる。 要約すると「どんな美人も巨大化すれば粗が目立ってとても直視できない」ということになる。  第三章に登場する「ラピュタ」は宮崎アニメのファンなら最も興味を引かれる所だろうが、その描写は案外淡白でがっかりさせられるかもしれない。 技術立国の人間は頭でっかちで日常の事が何もできないという風刺になっているのだろうが、本作で誰が見ても強烈な風刺を見て取れるのは最終章の「馬人国」だろう。 見た目は馬そのものなのだが理性的な思考と穏やかな性質で全てが賢者と言ってもよい馬人=フウイヌム族。 対して彼らが家畜として飼っているヤプーは派生作品に登場するおかげで有名かもしれないが、人類のパロディである。 「結局人類が一番野蛮であると言いたい」という解釈もあるが馬人を白人、ヤプーを有色人種として人種差別的考えを忍ばせている可能性もある。(逆かもしれんけど) 大人になってから読んでみると色々気付く事があるかもしれない。

Posted byブクログ

2014/10/25

一般的に知られているような「小人の国」の話すらおぼろげにしか覚えていなかったので、新鮮な気持ちで読めました。風刺小説だと言われると、なるほどなー、と思います。 それにしても、ラストがこうなるとは思わなかったよ。

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2014/07/12

17世紀英国、ジョナサン・スウィフトによる風刺小説。小人の国と巨人の国の話のみ、童話として知られている話だが、読んでみるとなかなか、時代を下っていても人間という現象の中に普遍的に潜む業のようなものが、子気味よく描かれていて、考えさせられもし、なかなか楽しかった。  ガリバーのバイ...

17世紀英国、ジョナサン・スウィフトによる風刺小説。小人の国と巨人の国の話のみ、童話として知られている話だが、読んでみるとなかなか、時代を下っていても人間という現象の中に普遍的に潜む業のようなものが、子気味よく描かれていて、考えさせられもし、なかなか楽しかった。  ガリバーのバイタリティーに驚かされるが、英国紳士という背景から、道徳的に筋の通った現実主義者で、力のある立場でも、弱い立場でも信条は変わらない。風刺小説でありながらも、これだけ読まれ続けるのは、そのいやらしさがナマナマしくもあるけれど、想像力豊かに彩のある表現の衣をまとっているから、物語然としながらもちくりと刺さる、空想だと断じきれない記憶があるからであろうか。楽しさとペーソスのバランス。年を経るごとに学びがあるものが、真の文学たりえよう。  しかし最後のフウイヌム国の話は、ヤーフに沼昭三のあれをそのまま彷彿させるものがあり、気持ちが悪かった。 14.7.12

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2013/08/31

「知らなかったけど、意外とちゃんと、いろんなところ旅してるんですよ」という参加者のコメント。 ということで、 知っているようでいて、意外と知らない本のようです。 これもおもしろそうですね!

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2013/05/30

リリパットの王宮が火事になった時に、小便で消火して出禁になったところで爆笑した。 童話では巨人国で終わっていたが、むしろそれ以後の方が大人はおもしろい。

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2013/05/15

著者の人間に対する屈折した感情が伝わる。ある意味純粋すぎて生きづらかっただろうと思う。 小人、巨人編もいいが最後のフウイヌム編が白眉。

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2013/03/03

政治・社会、そして人間への鋭い風刺が冴え渡り、私達にスウィフトに対するある種の異常性と恐怖の念を抱かせるのが本著「ガリバー旅行記」です。 ガリバー旅行記といえば、児童書として有名ですが、その実態はそんな生易しいものではなく、人間の負の部分、すなわち傲慢、嫉妬、強欲、虚偽、その他...

政治・社会、そして人間への鋭い風刺が冴え渡り、私達にスウィフトに対するある種の異常性と恐怖の念を抱かせるのが本著「ガリバー旅行記」です。 ガリバー旅行記といえば、児童書として有名ですが、その実態はそんな生易しいものではなく、人間の負の部分、すなわち傲慢、嫉妬、強欲、虚偽、その他あらゆる悪徳を鮮明に描き出し、最早ラディカルの域を超えて人間そのものを否定するに至るほどです。その背景には、スウィフトの生い立ちが大きく関係しているのは広く知られているところではないでしょうか(リリパットとブレフスキュや、ラピュータとバルニバービの関係が、スウィフトの時代の国際情勢の反映である点等)。 成人した今だからこそ客観的かつ冷静に理解することができましたが、あと数年読むのが早かったらどんな影響を与えられていたか分からないのが恐ろしいと感じると共に、古典的名著とされる所以を身をもって実感し、これからもずっと読み続けていくであろう一冊を発見する良い経験となりました。

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2013/02/25

思いっきりPPの影響で(笑)日本についてもあったのが驚きでしたーん。個人的にはするする読めなかった本、バルビバーニは頑張った(笑

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2013/02/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

かの有名なガリヴァー旅行記、ただし、子供の頃読んでいた巨人のほのぼのとした話ではない。 人間に対して非常に皮肉が効いた作品であった。 著者がどんどん狂っていくのがわかるのが怖い・・・ また、ガリヴァー旅行記というと、小人の国に漂流して自分が巨人化したという話しか読む前までは思っていなかったが、逆のパターンもあり、巨人の国に漂流し、自分が小人化したという話。 さらに、なんとあの「天空の城ラピュタ」のモデルも収録されている! 1700年代に原作があったとは知らなかった・・・ 最後は馬の国で、著者が完全に狂う。

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2013/01/18

http://blogs.dion.ne.jp/k_nakama/archives/10381856.html

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