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死に至る病 の商品レビュー

3.5

70件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    21

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2012/01/06

死に至る病=絶望として、 キリスト教の観点から徹底して絶望を見つめる。 絶望が罪であるということ、 その罪がキリスト教にある原罪と関係があることなど、 深い考察が行き渡っている。 僕らが口にする絶望という言葉が、 どれだけ多面性を帯びているか、 それを知るだけで、暗闇に目が慣れて...

死に至る病=絶望として、 キリスト教の観点から徹底して絶望を見つめる。 絶望が罪であるということ、 その罪がキリスト教にある原罪と関係があることなど、 深い考察が行き渡っている。 僕らが口にする絶望という言葉が、 どれだけ多面性を帯びているか、 それを知るだけで、暗闇に目が慣れていくように、 絶望を冷静に見渡せるようになれるとも思う。

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2011/08/22

 いかに生きるか。絶対的な可能性という永遠者を見つめ、それに対する内なる永遠者(つまり自己)の声を聞き、その声に従って生きよ。それこそが神に近づく信仰者の道であり、真の生き方である。    絶望について書いたものでありながら、そこを端緒に人間とは何か?自己とは何か?生きる意味とは...

 いかに生きるか。絶対的な可能性という永遠者を見つめ、それに対する内なる永遠者(つまり自己)の声を聞き、その声に従って生きよ。それこそが神に近づく信仰者の道であり、真の生き方である。    絶望について書いたものでありながら、そこを端緒に人間とは何か?自己とは何か?生きる意味とは?といった疑問に答える道筋を丹念に示している。    信仰者キェルケゴールの著した全人類必読の啓蒙書。

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2011/07/16

大学1年の6月頃に読んでた気がする。 色々と付き合いや家庭の事が原因で4年間ほど湧いてた鬱な感じを、CLASHの「London Calling」のジャケットのギターのようにぶち壊してくれた。 バカみたいだったよ、長い間抱いてた思いが数時間で壊されちゃったんだもん。 今思い返すと、...

大学1年の6月頃に読んでた気がする。 色々と付き合いや家庭の事が原因で4年間ほど湧いてた鬱な感じを、CLASHの「London Calling」のジャケットのギターのようにぶち壊してくれた。 バカみたいだったよ、長い間抱いてた思いが数時間で壊されちゃったんだもん。 今思い返すと、この本がきっかけで実存主義哲学に興味が湧いたんだったな。 題名にたじろぐ人も居るかもしれないけれど、人の血が通ったとっても温かい本でした。

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2011/07/01

とにかく難解だった。 有限性と無限性、可能性と必然性をもとに絶望を定義しありするアプローチは面白いと感じたし、論理的に説明されていて読み込めば分からないことはなかった。 ただ、言葉遊びみたいに持論を述べたりするのでとにかく厄介。 最初に読んだときは絶望を禁じ得なかった。 あくまで...

とにかく難解だった。 有限性と無限性、可能性と必然性をもとに絶望を定義しありするアプローチは面白いと感じたし、論理的に説明されていて読み込めば分からないことはなかった。 ただ、言葉遊びみたいに持論を述べたりするのでとにかく厄介。 最初に読んだときは絶望を禁じ得なかった。 あくまでキリスト教が基盤になっているから、その辺の知識とか歴史的背景をもって知っていれば理解しやすかったかも。

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2011/05/30

難しかった。正直わからないことだらけ。でも、なんとなく好きだと思ったのは、彼の例外者の意識に共感してたからなんだろうな、と思った。キリスト者じゃないからそのまま当てはめるわけにもいかないのだけれど、絶望してたって大丈夫なんだと思う。信仰とは複雑なものですね。

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2011/03/22

 絶望とは、死に至る病である。ここでいう「絶望」とは、神の存在を確信していない自己を認めている状態のことである。キリスト教圏内ではない読者には違和感があるだろうから、自己疎外状態と置き換えて読むといいかもしれない。

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2011/01/07

二十歳の時に出会い、最近ようやく読破しました。 何年かかっとんねんっていう。 想像以上に難解でした。 ただ完読できたときは嬉しいというか・・正直つかれました。 自分のなかで難しく考えてしまうのか、と思ったんですけど高校生の頃に読んだものとまた訳が少し変わっていました。 まぁ違う...

二十歳の時に出会い、最近ようやく読破しました。 何年かかっとんねんっていう。 想像以上に難解でした。 ただ完読できたときは嬉しいというか・・正直つかれました。 自分のなかで難しく考えてしまうのか、と思ったんですけど高校生の頃に読んだものとまた訳が少し変わっていました。 まぁ違う人なんで当然なんですけど。 結構有名な翻訳家らしいのですがあまり好きじゃなかったです。 内容的には皆さん触れてるとおり「絶望」だと思います。 宗教色が強いように感じます。 人は絶望する、しかもそれを認識すればするほど救えないとか。 そして絶望は罪、神を信仰とかもうね。って感じです。 哲学や宗教に興味がない人に説明するとしたら↑と精一杯(少し事実と湾曲してますが)です。 私はキェルケゴールの作品では不安の概念の方が好きです。

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2010/12/21

高校時代に購入、「1ページで1行分かればたいしたもんだ」と社会科教師に言われて、悔しがった思い出の本。絶望したから読むんだよ、さすがに2行くらいは分かるよ!…と思いつつ、読了できず。やっぱり先生の言うように、キリスト教がわからなければ読めないのかしら、とそのままにしてしまっていた...

高校時代に購入、「1ページで1行分かればたいしたもんだ」と社会科教師に言われて、悔しがった思い出の本。絶望したから読むんだよ、さすがに2行くらいは分かるよ!…と思いつつ、読了できず。やっぱり先生の言うように、キリスト教がわからなければ読めないのかしら、とそのままにしてしまっていたのを、現代仮名遣いで再購入。しかし、割と平和な日常のためか、現在積読中。

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2010/12/19

訳が固いので読みづらい。 ところどころに「弁証法」と訳されているけれども、キェルケゴール訳者で有名な桝田氏の解説をお借りすれば、キェルケゴールはヘーゲルへの対抗意識があるせいで、dialecticという語を意図的に多用し、この語の持つ意味に揺さぶりを掛けている場合がある。なので、...

訳が固いので読みづらい。 ところどころに「弁証法」と訳されているけれども、キェルケゴール訳者で有名な桝田氏の解説をお借りすれば、キェルケゴールはヘーゲルへの対抗意識があるせいで、dialecticという語を意図的に多用し、この語の持つ意味に揺さぶりを掛けている場合がある。なので、正確に「弁証法」と訳さない方が、日本語として意味を通しやすい場合があるようです。 この本は彼の神学だと思っていますが、それよりも個人的には心理描写や例えの方に目が向いてしまいます。

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2019/01/16

斎藤信治先生が一番よく取り上げておられた本だと思う。病気になった友人にこの本をお見舞いにあげたのは、上梓されたばかりの頃だったからだろうが、「死に至る病」は決して死ぬことはないのだから縁起がいいのだ、と強弁したという話は何度聞いても笑えたものである。 しかし、この本の本質をよく...

斎藤信治先生が一番よく取り上げておられた本だと思う。病気になった友人にこの本をお見舞いにあげたのは、上梓されたばかりの頃だったからだろうが、「死に至る病」は決して死ぬことはないのだから縁起がいいのだ、と強弁したという話は何度聞いても笑えたものである。 しかし、この本の本質をよく表しているし深いのではないか。その後「死に至る病」を斎藤流に解釈した話は聞かない。みんな浅いなあ。

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