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死に至る病 の商品レビュー

3.5

74件のお客様レビュー

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2012/07/10

(1971.10.10読了)(1966.10.22購入) *解説目録より* 「死に至る病」とは絶望のことである。本書はキェルケゴールが絶望の暗黒面を心理学的に掘り下げつつ、人間というものの本質を激しく追及せるものであるが、繊細深刻をきわめる絶望者の心理描写の中には、多分に著者自身...

(1971.10.10読了)(1966.10.22購入) *解説目録より* 「死に至る病」とは絶望のことである。本書はキェルケゴールが絶望の暗黒面を心理学的に掘り下げつつ、人間というものの本質を激しく追及せるものであるが、繊細深刻をきわめる絶望者の心理描写の中には、多分に著者自身の自己分析と自己告白とが含まれている。ここに著者の哲学的思索の根本的特色がある。 【目次】 序 緒論 第一編 死に至る病とは絶望のことである。 一 絶望が死に至る病であるということ。 二 この病(絶望)の普遍性。 三 この病(絶望)の諸形態。 第二編 絶望は罪である。 A、絶望は罪である。 B、罪の継続。 訳註 解説

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2012/06/18

死に至る病とは絶望であるとキルケゴールは言う。 しかも、絶望しない人間はいないとも言う。 世間一般に言われる、願いが叶ったとか、よい人生だったとかの幸福を彼はことごとく否定する。 その追い詰められた状態から、何が幸福かを見いだせるのか。 その答えは、読み取ることができなか...

死に至る病とは絶望であるとキルケゴールは言う。 しかも、絶望しない人間はいないとも言う。 世間一般に言われる、願いが叶ったとか、よい人生だったとかの幸福を彼はことごとく否定する。 その追い詰められた状態から、何が幸福かを見いだせるのか。 その答えは、読み取ることができなかった。 ただ、自分の欲望を満たしたり、世間の言う幸福に追従したのでは、真の幸福に巡りあえないばかりか、絶望から抜け出すことすらできないということを理解した。 資本主義、契約社会の中では、一つの失敗が自らの人生を破滅に追い込む。 だから、いつも転落の恐怖に晒されながら、おそるおそる生きている自分がいる。 その姿は、幸福ではないという確信を持つに至った。

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2012/06/08

はっきり言ってものすごく難解。 これ研究してる人は骨が折れるだろうな・・・。 新約聖書の”ラザロの死”について冒頭で触れ、人間の3種類の絶望とその変容、神の前における在り方を説く。 どことなく心理学っぽい側面もあったり。

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2012/04/06

10年ぶりの再読。 冒頭わけわかんないけど、気にせず読み進めるとほんとおもしろい。 死に至る病=絶望(=罪)に対して、人が取りうるのは延々と続く撤退戦。この不可避的な撤退戦それ自体が絶望でもあり、この先に信仰が存在する。 続編的な「キリスト教の修練」では、「死に至る病」をさらに推...

10年ぶりの再読。 冒頭わけわかんないけど、気にせず読み進めるとほんとおもしろい。 死に至る病=絶望(=罪)に対して、人が取りうるのは延々と続く撤退戦。この不可避的な撤退戦それ自体が絶望でもあり、この先に信仰が存在する。 続編的な「キリスト教の修練」では、「死に至る病」をさらに推し進めて、キリスト者としての苛烈なまでの信仰を説いていてこれも刺激的。

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2012/01/06

死に至る病=絶望として、 キリスト教の観点から徹底して絶望を見つめる。 絶望が罪であるということ、 その罪がキリスト教にある原罪と関係があることなど、 深い考察が行き渡っている。 僕らが口にする絶望という言葉が、 どれだけ多面性を帯びているか、 それを知るだけで、暗闇に目が慣れて...

死に至る病=絶望として、 キリスト教の観点から徹底して絶望を見つめる。 絶望が罪であるということ、 その罪がキリスト教にある原罪と関係があることなど、 深い考察が行き渡っている。 僕らが口にする絶望という言葉が、 どれだけ多面性を帯びているか、 それを知るだけで、暗闇に目が慣れていくように、 絶望を冷静に見渡せるようになれるとも思う。

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2011/08/22

 いかに生きるか。絶対的な可能性という永遠者を見つめ、それに対する内なる永遠者(つまり自己)の声を聞き、その声に従って生きよ。それこそが神に近づく信仰者の道であり、真の生き方である。    絶望について書いたものでありながら、そこを端緒に人間とは何か?自己とは何か?生きる意味とは...

 いかに生きるか。絶対的な可能性という永遠者を見つめ、それに対する内なる永遠者(つまり自己)の声を聞き、その声に従って生きよ。それこそが神に近づく信仰者の道であり、真の生き方である。    絶望について書いたものでありながら、そこを端緒に人間とは何か?自己とは何か?生きる意味とは?といった疑問に答える道筋を丹念に示している。    信仰者キェルケゴールの著した全人類必読の啓蒙書。

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2011/07/16

大学1年の6月頃に読んでた気がする。 色々と付き合いや家庭の事が原因で4年間ほど湧いてた鬱な感じを、CLASHの「London Calling」のジャケットのギターのようにぶち壊してくれた。 バカみたいだったよ、長い間抱いてた思いが数時間で壊されちゃったんだもん。 今思い返すと、...

大学1年の6月頃に読んでた気がする。 色々と付き合いや家庭の事が原因で4年間ほど湧いてた鬱な感じを、CLASHの「London Calling」のジャケットのギターのようにぶち壊してくれた。 バカみたいだったよ、長い間抱いてた思いが数時間で壊されちゃったんだもん。 今思い返すと、この本がきっかけで実存主義哲学に興味が湧いたんだったな。 題名にたじろぐ人も居るかもしれないけれど、人の血が通ったとっても温かい本でした。

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2011/07/01

とにかく難解だった。 有限性と無限性、可能性と必然性をもとに絶望を定義しありするアプローチは面白いと感じたし、論理的に説明されていて読み込めば分からないことはなかった。 ただ、言葉遊びみたいに持論を述べたりするのでとにかく厄介。 最初に読んだときは絶望を禁じ得なかった。 あくまで...

とにかく難解だった。 有限性と無限性、可能性と必然性をもとに絶望を定義しありするアプローチは面白いと感じたし、論理的に説明されていて読み込めば分からないことはなかった。 ただ、言葉遊びみたいに持論を述べたりするのでとにかく厄介。 最初に読んだときは絶望を禁じ得なかった。 あくまでキリスト教が基盤になっているから、その辺の知識とか歴史的背景をもって知っていれば理解しやすかったかも。

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2011/05/30

難しかった。正直わからないことだらけ。でも、なんとなく好きだと思ったのは、彼の例外者の意識に共感してたからなんだろうな、と思った。キリスト者じゃないからそのまま当てはめるわけにもいかないのだけれど、絶望してたって大丈夫なんだと思う。信仰とは複雑なものですね。

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2011/03/22

 絶望とは、死に至る病である。ここでいう「絶望」とは、神の存在を確信していない自己を認めている状態のことである。キリスト教圏内ではない読者には違和感があるだろうから、自己疎外状態と置き換えて読むといいかもしれない。

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