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死に至る病 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2003/04/15 |
JAN | 9784003363539 |
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死に至る病
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商品レビュー
3.6
71件のお客様レビュー
「死」について、キリ…
「死」について、キリスト教も絡んだ哲学書。難しいですが良書です。
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有神論的実存主義の祖…
有神論的実存主義の祖、キリケゴールの著書。正直に言えば思想も文章も難解です。しかも読むだけではなく実践する事を目的とした書です。困難。
文庫OFF
実存主義の創設者と言われる哲学者キェルケゴールの主著。 死に至る病とは、要するに絶望(死にたくても死ねない状態)のことで、これを解決するには信仰しかないとのこと。 読み始めて、早速このような難解な書を読むためにはどうすれば良いかという問題に直面したので、無理矢理にでも自分自身...
実存主義の創設者と言われる哲学者キェルケゴールの主著。 死に至る病とは、要するに絶望(死にたくても死ねない状態)のことで、これを解決するには信仰しかないとのこと。 読み始めて、早速このような難解な書を読むためにはどうすれば良いかという問題に直面したので、無理矢理にでも自分自身の問題に置き換えるという方法で読み進めた。 まずは第一編の以下の冒頭は「自己」に別の言葉を入れることで、読者各々の実存(生きるとはどういうことか)を取り出すことが可能だと思った。 「人間とは精神である。精神とは〇〇である。〇〇とは〇〇自身に関係するところの関係である」 (私は〇〇に「運命」や「笑い」を当てはめて読み進めてみた) また、絶望は以下の4パターンに区分されるとのことだが、自身はどれに当てはまるか考えながら読んだ。 ※念のためパターンを記載しますが、これだけでは意味不明。 ①無限性の絶望は有限性の欠乏に存する。 ②有限性の絶望は無限性の欠乏に存する。 ③可能性の絶望は必然性の欠乏に存する。 ④必然性の絶望は可能性の欠乏に存する。 私は③だったが、③は現実を生きておらず夢想ばかりしている人向けである。 夢想している人間が現実に戻ってくる時に現実に必然性を持ち合わせていなければ、生きることができず、また夢想へと向かうのである。 最後に最も重要だと思うことは、本著を書いた当のキェルケゴールが絶望していたということである。 彼の父親は子供達は若くして死ぬと信じており、キェルケゴールに「可愛そうな子よ、お前はやがて絶望のなかに陥る」と言い放ち、幼く柔らかい心に呪いをかけた。 (実際に7人兄弟の5人は早死にし、1人は精神病で入院した、キェルケゴールは街中で倒れ死ぬ) またキェルケゴールは突然に愛していたレギーネとの婚約を破棄し、レギーネは思い留まるように彼に泣きついたが、結果絶縁した。 そして怠慢なデンマーク教会に改革を求め、教会闘争中に道ばたで倒れて42歳で死んだ。 元来の自意識、父親の呪い、愛する人との絶縁、腐敗した教会。彼はこの絶望から救われたのだろうか。幸せだったのであろうか。 少なくとも彼は自殺していない。精神病で寝床に伏してもいない。(それは決して悪いことではないが) 彼は背後に存在する絶望を決して人生に連れて行こうとせずに、むしろ周り右して、信仰とその知性を持ってして絶望に突進しに行った。 その凄まじい程の衝突は意図せず、キリスト教から実存主義を生んだ。(キリストが意図せず、ユダヤ教からキリスト教を生んだように) ここで、ミラン・クンデラの小説「存在の耐えらない軽さ」の言葉を引用したい。 「悲しみは形態であり、幸福は内容であった」 「絶望は形態であり、幸福は内容であった」という現象もあり得るのではないか。そして、その幸福とは「生き抜いた幸せ」ではないだろうか。(キェルケゴールはそれを信仰と呼ぶだろう) 読者の私自身、物心ついた頃から現在に至るまで希死念慮と友達だが、そういう意味ではキェルケゴールは絶望の大先輩である。 しかし、私は知性も信仰もない。 どうすれば良いのだろうか。 ただ、確かに分かっていることは自分より遥かに絶望した人間が、この世界には間違いなく存在したということである。 それが分かっただけでも、だいぶ良い。 ★追記 本書には次のような文章が出てくる。 「罪は無知である。これが周知のようにソクラテス的な定義である。」 無知は罪?ソクラテス、こんなこと言っていたっけ?と調べてみると、案の定キェルケゴールのお手製だった。やってるな、キェルケゴール(笑)
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