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西瓜糖の日々 の商品レビュー

4

115件のお客様レビュー

  1. 5つ

    30

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2011/10/12

優しい無関心、不穏な平穏、という印象を受けました。 何回も読み直したい、というより、常に携帯していたい気持ちにさせられた本でした。

Posted byブクログ

2010/10/18

西瓜糖という薄く濁ってほの甘い静謐なものでかたち造られた「アイデス」という世界と対極であるかのようにみえる「失われた世界」の根源は同じ自我の喪失でつながっているように思われる。死んでいるものを好むものも死んだものを尊ぶものも、隣り合わせの鏡のようなものだ。 虎の時代に虎によって両...

西瓜糖という薄く濁ってほの甘い静謐なものでかたち造られた「アイデス」という世界と対極であるかのようにみえる「失われた世界」の根源は同じ自我の喪失でつながっているように思われる。死んでいるものを好むものも死んだものを尊ぶものも、隣り合わせの鏡のようなものだ。 虎の時代に虎によって両親を食い殺されたおとこは、虎をけっして怨んではいない。生きていううえでのある一出来事だと考えている。現にアイデスの人々によって虎の時代は終わってらせてしまっているのだった。 最後の虎を葬った場所に鱒の孵卵所を作っている。まるで鱒達に全てを見届けてもらうように。 失われた世界の住人が孵卵所で流血自殺するシーンも、西瓜糖のような詩的な文章で彩られている。物語のキャッチャーさもさることばがら翻訳の素晴らしさも味わさせてくれる。

Posted byブクログ

2010/10/16

iDEATHは西瓜糖でできている。 この物語は西瓜糖の甘い匂いがする。 虎たち、七色に輝く太陽と七色の西瓜、鱒、忘れられた世界。 アイデスは死者の世界ではなく、ユートピアのような世界なのだろう。 しかしそれは危うく儚い。アイデスのものは西瓜糖と松と石でできているから。

Posted byブクログ

2010/10/04

初めてのブローティガンを読んだ。 この物語にはアイデスiDEATHという『死』を思わせる世界がある。 始め、穏やかで平和な話だと思って読んでいたけど、終盤は色んな人が死んでいった。 〈忘れられた世界〉は不思議な世界だった。

Posted byブクログ

2010/09/01

昔々 人に薦められて読んだ本。 甘ったるい匂いがページの間から 漂ってきます。 読み終わった後、思わず自分の分を購入しました。 買って人にプレゼントしたり、 実家用を購入したりと 何冊も購入してしまっています。 なんだか寂しい雰囲気をもった幻想小説が好きな方には 絶対オススメ。...

昔々 人に薦められて読んだ本。 甘ったるい匂いがページの間から 漂ってきます。 読み終わった後、思わず自分の分を購入しました。 買って人にプレゼントしたり、 実家用を購入したりと 何冊も購入してしまっています。 なんだか寂しい雰囲気をもった幻想小説が好きな方には 絶対オススメ。 高橋源一郎 が好きな人にもオススメ。 出だしの 名前 の部分だけでも 立ち読みでいいから読んでみてください。 そこで何か感じるものがあれば 読んで損なしです。

Posted byブクログ

2010/06/19

甘い匂いと血の匂いがまざりあう。とろりとしたランタンの光がまぶたに浮かぶ。この美しく脆く閉鎖的な世界はとても好きですが、この世界から消えていってしまったものたちのほうが好きかも知れません(虎、少女・・)

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2010/04/29

山口洋さんのブログを読んで購入。そして、僕の愛読書になった。ひょっとすると、「アメリカの鱒釣り」よりも好きかもしれない。特に初期の村上春樹が好きな人ならば、間違いなく好きになるでしょう。僕も西瓜糖の世界の人間になりたい。ちなみに僕個人のこの本のBGMは、HEATWAVEの「Tom...

山口洋さんのブログを読んで購入。そして、僕の愛読書になった。ひょっとすると、「アメリカの鱒釣り」よりも好きかもしれない。特に初期の村上春樹が好きな人ならば、間違いなく好きになるでしょう。僕も西瓜糖の世界の人間になりたい。ちなみに僕個人のこの本のBGMは、HEATWAVEの「Tomorrow」静かな森の入り口で僕も君を待っている。

Posted byブクログ

2010/02/28

黒い影のさす素敵な世界。 甘い西瓜糖の香りがいつだってたちこめていて、情愛もあれば自然にだって溢れてる。 そして、暴力の再来… 西瓜糖の日々は、まだずっと続いていく。 私たちが求める理想郷について、考えようと思えばいくらでも考えられる作品。

Posted byブクログ

2010/02/09

ページをめくるたび、シャリン、シャリンと音が聞こえてくる気がする。 ブローディガンの、美しくてふしぎで、詩的な小説。 主人公の(名前を持たない)男性が、一人称で静かに語りかけてくる物語。 ひとつのストーリーがこまかな章に分かれて連なっていく。 その架空の舞台は、すべてが西瓜糖とい...

ページをめくるたび、シャリン、シャリンと音が聞こえてくる気がする。 ブローディガンの、美しくてふしぎで、詩的な小説。 主人公の(名前を持たない)男性が、一人称で静かに語りかけてくる物語。 ひとつのストーリーがこまかな章に分かれて連なっていく。 その架空の舞台は、すべてが西瓜糖という成分でつくられた町。 西瓜糖?きっともろく、シャリシャリして、少しつめたいんだろう。 その隔絶したようにひっそりとした町の暮らしは、 読む人に不可思議な世界の像を結ばせるだろう。 その像は、あなたに大きな変化こそ連れてこないだろうけど、 あるいは、透明で綺麗な残響音を耳に残すかもしれない。 「そう、なにもかも、西瓜糖の言葉で話してあげることになるだろう。」

Posted byブクログ

2010/01/25

久しぶりにこう云う本読んだ。もっと読んだ方がいいと思った。 「何故だかわからない」って云うのにびっくりした。 自分たちの正しい姿、世界の正しい姿、について、あり方について考える。

Posted byブクログ