西瓜糖の日々 の商品レビュー
[関連リンク] リチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』を読む - 関内関外日記: http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20140308/p1
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さらさらと、心地よい文章、まるで詩を読む心地よさ。それはやがて、どこか心もとない浮遊になる。ひとは、相反するものを抱えていてしかるべきなのだと思わされた。さらさらと、しかしどろどろと、生きているものの体内の中に絶えず流れる「血液」についてふと考えてしまう話だったように思う。
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いまいち入っていけなかったから断念した。 本のせいじゃなく気分的な問題だと思う。 その時が来たら読もうと思ったし 来なければ二度と読まなくていいやとも思った。
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静かで優しい視線の文章が素敵。一方で、とんでもなく冷たい物語だった。 誰かにとって、何かを排除した世界は、本当にきれいで美しい。そんな世界に、何かを差し出すことは、こんなにも悲しい。 理解されない、何の感覚も呼び起こさない、意味が消えてしまう。 恐ろしく痛ましくて、救いがない。
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小説の体裁ですが、まるで一冊におよぶ長い長い詩のよう。夢をみているみたい。美しさと気持ち悪さが。なまえのない「わたし」に関するくだりでなぜか泣いてしまう。
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読メ友マリカさんの感想を読んで購入。中空にぽっかりと浮かんだ詩のような小説。しかも、この物語は、より大きなメタ・フィクションの一部であるかのようなのだが、どうやらこれで自足し、完結しているようなのだ。iDEATHというコミューンを核とした不思議な世界がそこに現出するが、その名前からも明らかなように、そこは「死」の世界を内包しているようなのだ。静かな静かな世界―しかも、そこには西瓜糖の香が横溢している。そして、隣接して存在する<忘れられた世界>からは、「滅び」の空虚と頽廃とが漂ってくるのである。
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服とか小屋とか、 だいたいの物が西瓜糖ていう スイカを煮詰めて作った砂糖で出来てるていう設定の世界の不思議な話 話もかなり不思議すぎて 正直よく意味分からないけど その不思議さがかなり好き、、 もっと早く読めば良かったなー
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この本を読んでいる最中に、雑念が頭を渦巻き、よくお話の中に入り込めなかった、ということだけを先に綴っておく。 不思議。同時期に「the virgin suisides」を観ていたからかな。 なんだか、その世界とかぶった。 「過度なものは消え行き、曖昧で穏やかで変化のないものが残りゆく。」 …と書いてみたところで、なんだか、自分の今ある世界と比べるに、様々な淘汰を経て来たものと、新たに生まれてきたものの混在する中で、その昔から有るものというものは、なにか人々の残した澱のようなものなのではないかと、ふと思う。 まだ考えがまとまっていない。でも、淘汰を経てきたものというものは、普遍的なものとして、「よきもの」も「悪しきもの」も、同じくらいあるんだろう。その悪しきものは、わだかまり、消したいと願いつつも敵わず、残らざるをえなかった、我々が否が応にも持ってしまう、普遍の感情であったりするのかもしれない。 それを、力ずくで更生させるなんて、土台無理な話で、だから、「過度なもの」は残らない。 自分一人ひとりが、それに向き合い、折り合いをつけて、次につなげていくしか、ないのかもしれない。
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ひとつひとつの章が、素敵な詩みたい。原文を味わえたら、きっともっといいんだろうな。私の貧困なイメージでは<アイデス>はムラカミハルキの「世界の終わり」みたい。<忘れられた世界>の親指を切り落とす場面は、「暴力」。西瓜糖の甘くゆるやかで守られたイメージを感じることで、この小説を楽し...
ひとつひとつの章が、素敵な詩みたい。原文を味わえたら、きっともっといいんだろうな。私の貧困なイメージでは<アイデス>はムラカミハルキの「世界の終わり」みたい。<忘れられた世界>の親指を切り落とす場面は、「暴力」。西瓜糖の甘くゆるやかで守られたイメージを感じることで、この小説を楽しめましたが、それが、何なのかな…とアメリカの時代背景がわからないので、そんな自分がちょっと残念。ほかのブローティガンの作品も読んでみたいな。 2013/01/25読了。
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この本はここ数年で読んだ本のなかでもっともうつくしい物語です。メンバーさんのレビューではじめてブローティガンのことも知りました。 断片的な詩のような世界は、文学の可能性について考えさせられ、、なあんてわたしが陳腐な言葉をいくら並べても西瓜糖で出来ている言葉たちにはかないません。...
この本はここ数年で読んだ本のなかでもっともうつくしい物語です。メンバーさんのレビューではじめてブローティガンのことも知りました。 断片的な詩のような世界は、文学の可能性について考えさせられ、、なあんてわたしが陳腐な言葉をいくら並べても西瓜糖で出来ている言葉たちにはかないません。この小さな宝石を手に取っていただくのがなにより。
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