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西瓜糖の日々 の商品レビュー

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115件のお客様レビュー

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    30

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2009/10/04

世の中が西瓜糖で出来てる世界のお話。スイカの砂糖って事?ずいぶんと不思議な世界だなぁ。村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に出てくる世界のようだ。動物が出てくるのも似てる。何かが足りないのではなく、損われているのだ。江國香織だったかな?この二つの言葉の違いを...

世の中が西瓜糖で出来てる世界のお話。スイカの砂糖って事?ずいぶんと不思議な世界だなぁ。村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に出てくる世界のようだ。動物が出てくるのも似てる。何かが足りないのではなく、損われているのだ。江國香織だったかな?この二つの言葉の違いをあげてたのは。思い出せそうで思い出せない、何かを心に引っかけたまま小説という乗り物から降りてしまった気分にさせられた。

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2009/10/04

ブローディガンは素晴らしい。 西瓜糖の世界も素晴らしい。 文体の美しさにまず酔いしれて、その世界に陶酔する。 乾いた重みのないユートピアで生きる夢想的な人々の不安と絶望、プツンとテープが切れたようなラストには余韻を残さない。 お終いではなく終わり。 彼らのその後を想像する気はおこ...

ブローディガンは素晴らしい。 西瓜糖の世界も素晴らしい。 文体の美しさにまず酔いしれて、その世界に陶酔する。 乾いた重みのないユートピアで生きる夢想的な人々の不安と絶望、プツンとテープが切れたようなラストには余韻を残さない。 お終いではなく終わり。 彼らのその後を想像する気はおこらない、おそらくあれで全てが終わったのだろう。 理想とは薄っぺらいものほど美しい。

Posted byブクログ

2009/10/04

 この小説は、ぷつん、ぷつん、と途切れる断片でつくられる。頁をめくると白い部分が多くて、ぜいたくな感じ。で、この物語に出てくる町がまた変わってる。なんでも《西瓜糖》でできてるらしい。よくわからないけど、たぶん西瓜からとれた砂糖なんだろう。あるかもしれない。西瓜糖。そういう不思議な...

 この小説は、ぷつん、ぷつん、と途切れる断片でつくられる。頁をめくると白い部分が多くて、ぜいたくな感じ。で、この物語に出てくる町がまた変わってる。なんでも《西瓜糖》でできてるらしい。よくわからないけど、たぶん西瓜からとれた砂糖なんだろう。あるかもしれない。西瓜糖。そういう不思議な、でもすこし悲しい雰囲気でぽつぽつと話が語られていく。それがこの『西瓜糖の日々』。  作者の名前はリチャード・ブローティガン。  私がずっと好きに「なりたい」作家。どういうことかと言うと、上の紹介文みたいな作品ほんとう好きだ。なによりブローティガンていうのは、村上春樹や高橋源一郎が大好きな作家。だからきっと好きになれるはず。なのに、一度も好きになれないでいる。実は文章になじめないでいる。文体がだめなんだ。読んでいて不安になってくる。「ブローティガンはほんとうにこんな文体なんだろうか?」って思う。ほかのレビューを見てたら「名訳」との評価が高い。本当だろうか。そうは思えない。だってすごくぎこちない気がする。すらすらは読めない。もしも翻訳文体に慣れた人が、早いスピードでざくざく読んだら読めるのかもしれない。でも文体にきちんと付き合っていくなら、少なくともこの『西瓜糖の日々』に限っては私は読めなかった。なんだかそわそわする。「ほんとうに原文もこんな文体なの? だってリズムがおかしい。このスタイルで、こんな文体を使うはずがない。ほんとうにこれは名訳なの?」  よくわからない。でも翻訳文学っていうのは、どうしてもそういう問題があるからしようがないのかもしれない。ずっとずっと、ブローティガンを好きになりたいままでいる。(けー)

Posted byブクログ

2011/12/16

読んだ瞬間からすうっとその文の中へ入っていけた。 なんなく、自然に。 最初から最後まで全体をつつむ甘美な消失の匂い。淡い色 想像しうる西瓜糖の味そのまま、濃度低いそこはかとない甘さの世界。 大好きな「密やかな結晶@小川洋子」はこの世界から来た物語だった。 消えゆくモノへ憧る理...

読んだ瞬間からすうっとその文の中へ入っていけた。 なんなく、自然に。 最初から最後まで全体をつつむ甘美な消失の匂い。淡い色 想像しうる西瓜糖の味そのまま、濃度低いそこはかとない甘さの世界。 大好きな「密やかな結晶@小川洋子」はこの世界から来た物語だった。 消えゆくモノへ憧る理由がわかったような気が。 わかった瞬間にその理由も消えていった。 きっと、何度も読み返す本になる予感がするので 西瓜糖専用に西瓜糖で作ったカバーを決めようと思う。

Posted byブクログ

2009/10/04

誰かの夢の話を聞くような一冊。 西瓜糖の世界がここではないどこかに あるような気がしてしまいます。

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