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西瓜糖の日々 の商品レビュー

4

115件のお客様レビュー

  1. 5つ

    30

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    22

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  5. 1つ

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2019/03/04

静謐で優しく、「過度なもの」が何もない世界。そこにはまるで死後の世界のような空気が漂っていて、読んでいるとなんだか足元が覚束ないような不安に襲われる。世界の成り立ちや歴史は明確に説明されないし、「虎」や「失われた世界」がなんだったのかは結局分からない。失われた世界にあった過度なも...

静謐で優しく、「過度なもの」が何もない世界。そこにはまるで死後の世界のような空気が漂っていて、読んでいるとなんだか足元が覚束ないような不安に襲われる。世界の成り立ちや歴史は明確に説明されないし、「虎」や「失われた世界」がなんだったのかは結局分からない。失われた世界にあった過度なものに魅せられた人々はみんな自壊してゆくが、作者はそれを否定も肯定もしない。もちろん、それと同じまなざしはアイデス側の人間達にも向けられているが。ほんのりと懐かしい甘い香りがしそうな、まさしく「文学」と呼ぶべき小説だった。

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2019/02/06

1/24 読了。 小学生の頃にプールの授業で見た、オレンジ色のゴーグル越しの世界を思い出す。作品全体を覆う静謐さも水の中にいる感覚に似ているが、温度は冷たいというより、無い。 黒い無音の西瓜に惹かれるけれども、それを目にしてしまったら二度と戻ってこられないんだろうな。

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2018/10/15

(薦めてくれたKへのメール) ずいぶん前にお勧めしてもらって買ったもののずっと積ん読のままだったけど、昨晩読み終わりました。 素敵な本を教えてくれてありがとう。 現実と非現実(この世とあの世?)のあわいでゆっくり静かに語られていく穏やかな生活にとても惹かれました。 痛...

(薦めてくれたKへのメール) ずいぶん前にお勧めしてもらって買ったもののずっと積ん読のままだったけど、昨晩読み終わりました。 素敵な本を教えてくれてありがとう。 現実と非現実(この世とあの世?)のあわいでゆっくり静かに語られていく穏やかな生活にとても惹かれました。 痛ましい事件が起こっても、それさえもひっそりと語られていくところにも。 高橋源一郎「さよならギャングたち」 ウィリヤム・サローヤン「パパ ユーア・クレイジー」 を思い出したな。小説と詩の中間のような文章。 ブローディガン、「愛のゆくえ」についで2冊目だったけど、もう少し読んでみようと思うよ。

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2018/09/23

ぼんやりとして夢の中みたいな、美しく平和だけどどこか実体のない透明さと、死の香り。 淡々として諦観めいたもの。ユートピア。 名前のない 「わたし」によって語られる物語。

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2018/09/10

何かが欠落しているような世界。 でも、どこかとても充足しているようでもあって。 不思議な世界で起こる不可思議な出来事。 読後感も甘いような寂しいような。

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2018/08/18

友人のオススメで読んでみた。たしか昔の僕は、こんな小説が好きだったなぁと懐しくなる、なんとも言えず幻想的な小説。ブローティガンは今まで読んだことがなかったのだが、解説の柴田元幸も絶賛(というほどでもないか)しているので、もう一冊くらい読んでみよう。

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2018/08/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ファンタジー。アフリ力の民話のような気がしたが、作者のつもりではアメリカなのか。忘れられた世界というー帯があるので、ディストピア小説なのだろう。少し物悲しい穏やかな、少々不安な世界。

Posted byブクログ

2018/08/04

どこにでもありどこにもなく、何者にもなれず、甘やかで粘っこく 砂のように儚い。栄養のない水を飲むように、するすると魂は抜けていく。この世界に海はないだろう。

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2018/02/16

外文好きと言いながら読んでなかったのよね、ブローディガン。何となく食わず嫌いやったけど、文庫交換会でもらったのを機に読んでみた。 前半はなかなかはまらんかった。いくら他人がほめててもあわん本ってあるよね、とか思ったけど、半分くらいからおもしろくなった。2回目読んでみたら最初からし...

外文好きと言いながら読んでなかったのよね、ブローディガン。何となく食わず嫌いやったけど、文庫交換会でもらったのを機に読んでみた。 前半はなかなかはまらんかった。いくら他人がほめててもあわん本ってあるよね、とか思ったけど、半分くらいからおもしろくなった。2回目読んでみたら最初からしっくり来た。ちょっと慣れがいるのかな。訳なのか原作なのか、イメージとしてはトム・ハンクスとかフォレスト・ガンプのうすらぼんやり感。

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2018/01/06

2008年11月21日~21日。  久しぶりに読み返してみた。読み返すたびにその面白さに身震いする。と同時に読み返すたびに同じことを思う。  マーガレットが何をしたというのだろう。彼女に罪はあったのだろうか。ただ純粋なだけだったんじゃないだろうか。  ポーリーンも素敵な女性...

2008年11月21日~21日。  久しぶりに読み返してみた。読み返すたびにその面白さに身震いする。と同時に読み返すたびに同じことを思う。  マーガレットが何をしたというのだろう。彼女に罪はあったのだろうか。ただ純粋なだけだったんじゃないだろうか。  ポーリーンも素敵な女性だろう。ただ、マーガレットの顛末を思うといたたまれなくなるのも事実だ。

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