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西瓜糖の日々 の商品レビュー

4

115件のお客様レビュー

  1. 5つ

    30

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2020/12/14

"たえず変化している。だから、素敵なんだ。"(p.30) "わたしの好きな物、わたしの気に入りの物で造られた橋は、わたしの足の下で、いい感じだった。"(p.124)

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2020/12/10

とても言葉では説明できないようしかたで変化するのだが、それはとてもすばらしく、わたしたちの気に入っている。

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2020/12/08

西瓜の汁を火にかけて煮詰めると さまざまな色の西瓜糖が抽出される ブローディガンの小説「西瓜糖の日々」では すべてが西瓜糖で作られた世界を書いている 発表当時、キング牧師の公民権運動が盛り上がっていた しかしここで描かれているのは 理想郷が排他的になっていく過程である シェアハウ...

西瓜の汁を火にかけて煮詰めると さまざまな色の西瓜糖が抽出される ブローディガンの小説「西瓜糖の日々」では すべてが西瓜糖で作られた世界を書いている 発表当時、キング牧師の公民権運動が盛り上がっていた しかしここで描かれているのは 理想郷が排他的になっていく過程である シェアハウスといくつかの作業場で成るらしい理想郷アイデス そこに暮らす人々は 「忘れられた世界」に惹きつけられたかつての仲間たちと けして相容れることはなかった 西瓜の本質が、甘い西瓜糖であるとしても 人間の本質が善であると保証されるわけではない 理想郷を信じる人々にとって それは受け入れられない事実だろう

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2020/06/29

何かが起こっているようでいて書かれない、何かが起こりそうでいて、何も起きない。序盤、ただその章ごとの文章をぼんやりと味わっているのがおもしろかった。西瓜糖ってなんなんだろう。忘れられた世界も、トラも。なんだったんだろうなあと考えてしまう。 ‘‘あなたがどこにいるとしても、わたし...

何かが起こっているようでいて書かれない、何かが起こりそうでいて、何も起きない。序盤、ただその章ごとの文章をぼんやりと味わっているのがおもしろかった。西瓜糖ってなんなんだろう。忘れられた世界も、トラも。なんだったんだろうなあと考えてしまう。 ‘‘あなたがどこにいるとしても、わたしたちはできるだけのことをしてみなければならない。話を伝えるためには、あなたのいるところはとてもとても遠く、わたしたちにある言葉といえば、西瓜糖があるきりで、ほかにはなにもないのだから。うまくゆけばいいと思う。’’

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2020/01/04

光るお墓など、死のメタファー(概念)とインボルトたちの生々しい死。西瓜糖での暮らしは豊かなのに、何処か死に近いような危うさを感じた。とても不思議な作品。

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2019/12/04

今までに読んだことがない新しい出会いをさせてもらった作品でした。 1〜2ページごとにタイトルがつけられ、詩のような形をとりながら最後までしっかりと西瓜糖の世界とそこに暮らす人々の物語が紡がれる。ページをめくるたびにワクワクしながら「アイデス」や「忘れられた世界」に想いを馳せました...

今までに読んだことがない新しい出会いをさせてもらった作品でした。 1〜2ページごとにタイトルがつけられ、詩のような形をとりながら最後までしっかりと西瓜糖の世界とそこに暮らす人々の物語が紡がれる。ページをめくるたびにワクワクしながら「アイデス」や「忘れられた世界」に想いを馳せました。西瓜糖やそれで作られる様々なもの、虎、鱒……穏やかな世界と穏やかでない人々。情景は読んだ人の数だけ存在するような気がしました。非常に想像力が掻き立てれる世界観で、そこが私にはとても新鮮に感じました。

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2019/11/03

パキパキと区切られているのが詩集みたいでさらさら読める。幻想的で透明感もあるけれど、インボイル達の最期が狂気じみている。さらさら読めるのに陰があるせいか、不思議な読後感。

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2019/10/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アイデスとは、忘れられた世界とは何なのか、読後もふわふわしたままでよく分からなかった。 その浮遊感が西瓜のぱっとしない味とリンクしているのかもしれない。 この物語の住人は一見穏やかで優しい世界に住んでいるように思われたが、人が死んでも動じず、どこか狂っていて可笑しい。

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2019/08/20

なんだか掴み所がない作品だったが 好きなタイプだった。 i death という言葉が、どの辺りまで意図して 作られたのか分からないが、 どこか空虚感や登場人物の感情の欠乏感が感じられた。 ひっそりと静かな日常や 、 ある意味で「死」という事柄も、川の流れのように さーっと流れて...

なんだか掴み所がない作品だったが 好きなタイプだった。 i death という言葉が、どの辺りまで意図して 作られたのか分からないが、 どこか空虚感や登場人物の感情の欠乏感が感じられた。 ひっそりと静かな日常や 、 ある意味で「死」という事柄も、川の流れのように さーっと流れていってしまうような冷たさを感じた。 インボイル達の自死や、語り手の両親が食われる事件が まさにそれで、事件としては強烈な香りを残すけれど、 まぁ、しゃーないか。 くらいの感じで終わる。 何十年も前の作品なのに、 現代に流れている、人との繋がりの希薄さ みたいなところで通ずるとこがある気がした。 忘れられた世界は、アイデスの人たちが忘れてしまった物や事柄(あと気持ちや心)で出来ているんではないかとも思ったりして。忘れてしまったことすら忘れてしまっていて、それが例えば「車輪みたいな物」とか抽象的な言葉(物)として蓄積している世界…うーん…わからないな。 語り手が自分の名前について話す下りが1番すきだ。 俺が忘れた物ってなんだろう…それが思い出せたら彼にその名前をつけてあげたいな。

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2019/03/19

8年ほど前からエイミーベンダーが好きで、ここ最近初めてポールオースターに触れた、そんな私に恋人が選んでくれた一冊。 ファンタジーともポエジーとも断定できない米文学独特の軽やかに鬱々とふわふわ、みたいな、私に知識がないばかりにこんな説明にしかならないけど、とにかくそういう類の物語だ...

8年ほど前からエイミーベンダーが好きで、ここ最近初めてポールオースターに触れた、そんな私に恋人が選んでくれた一冊。 ファンタジーともポエジーとも断定できない米文学独特の軽やかに鬱々とふわふわ、みたいな、私に知識がないばかりにこんな説明にしかならないけど、とにかくそういう類の物語だった。 率直に感想を述べるとしたら、もう少しこちら側に寄り添ったものの方が好きだけど、手触りの良い一冊であっという間に読んだ。 太陽の色が週によって異なるなかで、水曜が灰色なのは、これが元ネタなのだろうか?灰色の水曜日、という歌謡曲?があったような気がするけど、引用元はこれなのかな。どうでもいいか。 訳者あとがきと解説とにあったけど、過剰なものが存在しない世界、それは確かに西瓜糖ってぴったりだな。iDEATH(アイデス)のような、表記の問題だけど、ある種の露骨さは、私はちょっと嫌煙しちゃうけど。

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