西瓜糖の日々 の商品レビュー
西瓜島,アイデス,忘れられた世界,虎,鱒の孵化場.わたしの住む世界はゆるい時間の流れの中で,決められた毎日が単調に過ぎゆく.そして時に挟み込まれる剥き出しの暴力.断片が積み重なり,不可解で秩序のあるようなないような世界が漂っている.
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発熱した状態で読むには非常に適した小説だった。筋らしい筋はほとんどない。ひたすらブローディガンの夢幻的世界観が詩のような文体で綴られている。何よりもページ数が少ないのが良かった。解説にもあったが、これを単にヒッピー文学として理解してはいけない。ことさらに提示されるのは楽園の中にあ...
発熱した状態で読むには非常に適した小説だった。筋らしい筋はほとんどない。ひたすらブローディガンの夢幻的世界観が詩のような文体で綴られている。何よりもページ数が少ないのが良かった。解説にもあったが、これを単にヒッピー文学として理解してはいけない。ことさらに提示されるのは楽園の中にあるかすかな不安であり、それは死の世界に近い。インボイルが主人公たちに見せつけようとしたのは、まさにこのことだったのだろう。ただ健康な状態で読めばまた感想が変わるかもしれない。あと、この文体でもう少し長いのを読んでみたいから、また別のブローディガンの作品を読んでみたいと思う。
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借金玉さんが折に触れてすすめてるやつ 浮遊感?のある不思議な文体 ちびちび読んでいるけど「西瓜糖」が何なのかよくわからない。(村で採れる作物で、食用のほか建物の材料になったりしてる。 桃源郷ものぽくもあり、とはいえソロ隠者ではないので『ヘンリ・ライクロフトの私記』ほどひねく...
借金玉さんが折に触れてすすめてるやつ 浮遊感?のある不思議な文体 ちびちび読んでいるけど「西瓜糖」が何なのかよくわからない。(村で採れる作物で、食用のほか建物の材料になったりしてる。 桃源郷ものぽくもあり、とはいえソロ隠者ではないので『ヘンリ・ライクロフトの私記』ほどひねくれてもいない。 ● 「わたしの生活は静かに過ぎてゆく。」
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アイデスでなじめない人間が行くところが忘れられた世界であるような感じで読めるが、実際にはその逆なんだろうと思います。 前作「アメリカの鱒釣り」は楽しい感じでしたが、今作は一転物悲しい感じとなっています。
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夢と現実の狭間を漂うような不思議な世界観。 みんな色々な感情に溢れ、今ここにいる人にもいなくなった人にも囲まれ、生と死、光と闇の中を行ったり来たりしながら生きている。よく分からないけど惹き込まれる。
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いつか読まねば、とずいぶん前から本棚に並んでいたのだけど、なかかなか手が伸びなかった本。小川洋子さんが大「偏愛書」と紹介していた文章を読んだのをきっかけに、ついに開いた。最初、なんだ、これは、と感じつつ、なんとかかみ砕こうと読んでいたけど、途中からぐいっと腕をつかまれたかのように...
いつか読まねば、とずいぶん前から本棚に並んでいたのだけど、なかかなか手が伸びなかった本。小川洋子さんが大「偏愛書」と紹介していた文章を読んだのをきっかけに、ついに開いた。最初、なんだ、これは、と感じつつ、なんとかかみ砕こうと読んでいたけど、途中からぐいっと腕をつかまれたかのように引き込まれた。ちょっと小川さんぽい、と感じたのは先入観かもしれないけど、絵本のような時間をくれる余白と、ゆっくりと進む西瓜糖の日々に訪れる、目を覆いたくなるような事柄が、生きることの複雑さと、どうしよもなさを思わせてくれる。古い本こそ、新しい。とても。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
不思議な町、世界の話。 最初、西瓜糖ってなに?って思ってぐぐった。 西瓜糖を原料としていろいろなもの(家とか)を作ってる世界の話。 世界観は好きだったし、 ブログみたいな感じでサブタイトルがあって、 そのサブタイトルに対する文章が短くて区切りがいっぱいあって とても読みやすかった。 最初は??が多かったけど、 後々わかってく部類の小説か?と思ったら そんなにわからない部類の小説だった。 インボイル率いる軍団が、 集団自殺をした場面は、 それまでの素敵な描写と相反してすごく際立ってたし グロテスクだった。 村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の、 世界の終わりの部分をもうちょっと現代風にした感じ。 わたしの想像力がもっとあればもっとこの世界観を想像できたんだろうなぁと悔やまれる。 想像力が試される小説。 まだ続くんだろうな〜って思ってページをめくったら、 めくる前のページが最終ページだったという。 終わりがよくわからなかった。
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「西瓜糖」と「鱒の孵化場」など暗喩のような言葉がちりばめられた幻想的な本。 「ずっと以前、さいごの虎が殺されその場で焼かれたすぐあとで、アイデスに鱒の孵化場が造られた」 その虎はあたしたちと同じ言葉を話すし、算数もできる。
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現代的な感覚からすると、世界観に設定が少なく、物足りない気もするけれど、だからこそ古臭くならないのかも。由来は異なるけれど、シュルレアリスム絵画に描かれる無意識の世界のように感じた。 また、後世の多くの作家と作品に影響を与えていることも読み取れた。忙しなく読み進めてしまったけれど...
現代的な感覚からすると、世界観に設定が少なく、物足りない気もするけれど、だからこそ古臭くならないのかも。由来は異なるけれど、シュルレアリスム絵画に描かれる無意識の世界のように感じた。 また、後世の多くの作家と作品に影響を与えていることも読み取れた。忙しなく読み進めてしまったけれど、もう少しゆっくりした時間のなかで読んでみるとまた違った印象を持つかもしれない。
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・アイデスと忘れられた世界、、 アイデスはわたしの夢の中、空想の世界で、忘れられた世界がリアルな世界、現実世界。わたしは夢の中に逃避してポーリーンたちに会っているんではと思った。わたしにとってもはや現実世界は失われていて、アイデスこそが真にリアリティのある世界。 ・アイデスは村...
・アイデスと忘れられた世界、、 アイデスはわたしの夢の中、空想の世界で、忘れられた世界がリアルな世界、現実世界。わたしは夢の中に逃避してポーリーンたちに会っているんではと思った。わたしにとってもはや現実世界は失われていて、アイデスこそが真にリアリティのある世界。 ・アイデスは村上春樹さんのハードボイルドにでてくる世界を思い出した、閉ざされた静の世界。 ・鱒はなにを意味してるの?鱒釣り読めばいいの?
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